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顧客事例

敷島製パン株式会社:Chromebook 1050 台稼働中。コロナ禍でも 300 台を約 1 週間で追加配備。

2021年3月4日
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Google Cloud Japan Team

食パンでシェア No.1 (2010年4月~2020年10月、インテージ・SCIデータ調べ)を誇る Pasco ブランドの「超熟」や、60 年以上に渡って愛されている名古屋の銘菓「なごやん」など、製パン・製菓を中心とした事業を通して、「国産小麦で日本の食料自給率向上に貢献する」ことを目指す敷島製パン株式会社(以下、敷島製パン)。2020 年 4 月に発令された緊急事態宣言により、社内でもリモートワークの需要が急増。限られた時間の中で、どのように配備を推し進めたのか。 SPS 推進部 企画グループ チーフの吉安壮真 氏に話を伺いました。

利用している Chrome Enterprise サービス:Chrome EnterpriseChromebook

導入コストの低さとスピードが、コロナ禍におけるリモートワーク対応の武器に

100 年という長い社史を持つ、日本を代表するパンメーカーの 1 社である敷島製パン。食糧難が深刻化している時代に「食糧難の解決を第一の意義」として創業しました。「日本国内の製パン業界で第 2 位のシェア(2020 年 5〜6 月パンニュース社調べ)となった現在でも、社会貢献に掛ける思いは企業理念として脈々と受け継がれています」と SPS 推進部 企画グループ チーフの吉安壮真さん。敷島製パンでは、SDGs に関する取り組みにも配慮した製品の安定供給を目指しています。

そんな中、新たな取り組みの一環として、近年では IoT やクラウドなどのデジタル技術も積極的に導入。AI によるパンの焼き色判定や、光学文字認識(OCR)によるアレルゲン情報の印字チェックといった先進的な取り組みも試験的に行っています。そういった一連の動きの根本にあるのが、オープンな新基幹システム「Smart Pasco System」(以下、SPS)です。これは 2013 年からの全社的な業務改革に合わせて導入されたもので、同時期から Google Workspace(旧称 G Suite)も導入されています。

吉安さんは、「SPS も導入から 5〜6 年が経過すると、シン クライアント端末に求められる新しい要件が明確になってきました」と話します。まず、テレワークが推進されるようになったこと。そして、営業向けのシン クライアント端末のリプレイス時期にも差し掛かっていたことが、Chromebook 導入を検討する大きなきっかけとなりました。

比較検討を経て、Chromebook の導入は 2018 年から本格的に開始。決め手は Meet をはじめとした Web 会議との相性が良く、インターネットに繋がってさえいれば端末の一括管理も容易にできること。そして、導入コストの低さも魅力的だったと言います。

「Chromebook は、端末で Google Workspace にログインさえすれば一瞬で環境を整えることができ、他のものをあれこれ用意する必要がないというのが非常に有り難かったです。」(吉安さん)

営業員向けを中心に、750 台を 2018 年中に運用開始。そして今年 4 月、300 台を緊急で追加導入するということがありました。きっかけは、COVID-19(新型コロナウィルス感染症)の流行です。いよいよ緊急事態宣言が出されるかもしれないという段階になり、もともと進めていたテレワークへの対応が一気に加速。急速に事務職のテレワーク環境を整える必要がでてきたのです。

しかし、そうはいっても端末は購入後からすぐに使えるわけではありません。必ず各種の設定やアプリのインストールなどのキッティング作業が必要になります。「300 台という数ですから、従来までであれば 2 ヶ月半ほどの時間が掛かってしまうだろうと予想されました。しかし、Chromebook であれば短期間でも運用を開始することができるだろうと踏んでいました。」

というのも、敷島製パンの基幹システムは Web システムのため、Chromebook であれば VDI にアクセスせずとも利用可能です。「先述したとおり、端末と Google Workspace だけがあればある程度の環境が整うので、キッティング作業に掛かる時間とコストを大幅に削減でき、端末の発注からわずか約 1 週間後には対象の社員に配布を開始することができました。」

結果として業務を滞らせることもなく、製品の安定供給にも影響を出すことなく導入が完了しました。「検討から導入までの一連の流れを振り返ると、やはりこのスピード感こそが、Chromebook を導入したことで得られた最大のメリットであったと思います。」

社員も管理者も違和感なく、そして安心して Chromebook への移行が可能

Chromebook に限らず、シンクライアント端末のリプレイスは大胆であればあるほど摩擦を生むもの。特に今回のように急速に新規端末を導入するとなると、ユーザー側の混乱を招く可能性が高く、システム担当者はそのケアにもリソースを割かれることになりがちです。しかも今回に限ってはコロナ禍であることが災いし、本来であれば行いたいはずの説明会などの場を持つことが叶いませんでした。そのため、ユーザーとのコミュニケーションにはいつもと違う工夫が必要だったといいます。

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「そもそも時間的な余裕もありませんでしたから、まずは急いでマニュアルを作成しました。しかし、やはりそれだけでは事足りません。そこで、私たちシステムの人間が困っている社員の質問を随時受け付けるリモート相談会を Google Meet で実施したのです。Web 会議に馴れていない社員もたくさんいましたので、ちょうど良い練習になったのではないかと思います。」

幸いだったのは、ソフト面よりもハード面の質問が目立っていたこと。Chromebook を通して Google Workspace や既存の VDI 環境にアクセスするのであれば、普段から仕事をしている環境を再現することができるため、ユーザー側は端末が新しいことを特に意識することなく使うことができたのです。

「問題といえば、キーボードなどのインターフェイスが変わったことで混乱する人が出てきてしまうので、そういったところへの対応でしょうか。あとは持ち運ぶものなので、どうしても落としたりして壊してしまう人もでてきます。しかし、そういった故障の際は端末を丸ごと交換すればいいので、対応はとても簡単でシンプル。すぐに交換が効くという点は Chromebook の良いところで、新しい端末を届けてログインしてもらうだけですから、非常に楽でした。」

また、システムを管理する立場としては、セキュリティ リスクをあまり意識する必要がなくなったことが大きな変化だといいます。「何重にもセキュリティが施されていますし、OS のセキュリティやポリシーも容易に設定することができるので、以前までは許可しにくかった、自宅の Wi-Fi などでも安心して使ってもらうことができるようになりました。わざわざ専用のモバイルルーターなどに限定する必要がなくなりましたので、ユーザー側にとっても大きなメリットだと思います。」

さらに、端末の管理に関してもポジティブな変化がありました。「クラウドベースで集中管理することができ、一覧で状況をすぐに把握することができますので、手間も軽減されましたし、安心感も増しました。紛失があってもすぐに対応が可能なのも管理者としては非常に有り難いです。」

今回のコロナ禍による突発的な導入事例において、「ひとり一人の社員の安全面、会社の業務継続を考えると、改めて Chromebook をスピーディーに導入できたことは、本当に良かったと思います」と吉安さん。今後はますます使いやすい環境を整えていくため、現在、様々な準備を行っていると言います。

「テレワーク需要が増加したことで、どうしても VPN を逼迫してしまうことが目下の課題です。新しく発表された BeyondCorp Remote Access を導入することで解消出来るのではないかと期待しており、実証実験に向けて取り組んでいるところです。また、今後の課題でもありますが、Google Workspace や Web システムで完結するスタイルを理想としていますので、これについても Google さんのお力も借りながら進めていけたらと思っています。」


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SPS 推進部 企画グループ チーフ 吉安 壮真 氏

敷島製パン株式会社

1920 年に愛知県で創業。パンの製造からはじまり、現在では和洋菓子や冷凍パンなどの製造も手掛ける。1969 年に「Pasco」ブランドを立ち上げ、1998 年には食パン No.1 ※ブランド「超熟」を発売し大ヒット。「イングリッシュマフィン」などと並び、現在でも敷島製パンを代表するロングセラーとなっている。また、社会貢献を企業理念としているのも同社の特徴。特に国産小麦による食料自給率向上に力を入れており、2030 年までに、同社内における国産小麦の使用比率を 20 %に引き上げることを目指している。

※インテージ ・ SCIデータ「食パン」全国市場における2010年4月~2020年10月のブランドシェア


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