数学で紙を使うのは、計算をしたり式を書き込むためだけでしょうか? いいえ。実は紙を使うだけでも色々な数学が姿を現します。今回も生活の中に溶け込んだ雑学数学。いつもなら見過ごしてしまうささいなことにも、数学の奥深い面白味が隠されているのです。
物を包装用紙で包むときに登場する雑学数学
私たちが普段、贈り物をするときに使用する包装紙。この、「物を包装紙で包む」ということに関しても、もちろん面白い雑学数学が存在しています。
まずはじめに一番簡単な例で、厚みのない正方形を紙で包む場合を考えてみましょう。
図1
上のような、1辺が10cmの正方形を長方形(正方形も含む)の紙で完全に見えなくなるように包むことを考えてみます。そんな紙とは、どんな大きさの紙になるでしょうか?
まずは1辺の長さが2倍の包紙で考えてみよう
たとえば、下のように1辺が10cmの2倍の20cmである正方形を考えると、図の緑色の部分さえあれば包みきる事ができることがわかりますね。
図2
このとき、包む方の正方形の紙の面積は20×20=400平方cmとなりますが、これが元の正方形を包むことができる最小の大きさの紙でしょうか?
包める最小の大きさとは?
すぐわかる方が多いかもしれませんが、違いますね。答えはこの面積よりも小さい大きさの紙で包むことが可能なのですが、その紙とは「包む向きを45°ずらしたもの」。つまり、下のような形の紙になります。
図3
このような形であれば、もっと小さい面積の紙で包みきることが可能になります。これであればまったく無駄が無く、正方形の表裏をまるまる包むことができるわけですが、面積は表裏ということで正方形の面積の2倍になりますから、
面積=100×2=200平方cm
となります。1辺の長さが√20cmの正方形の紙があればよい、ということになりますね。