毎年9月は「防災月間」。これは10万人以上の死者や行方不明者を出した関東大震災が1923年(大正12年)9月1日に発生したことから定められたもので、私たち一人ひとりが自然災害に対する意識を高め、必要な備えをすることを目的としています。

いつ何どき起こるかがわからないのが自然災害の恐ろしさですが、これは実は私たちの人生そのものにも同じことが言えます。そこで今回は、自分の身に突然何かが起きたときに後悔しないためにやっておくべきお金の「対策」について紹介します。

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誰の人生にも「突然」はつきもの

突然、交通事故に遭ったり、突然、解雇を言い渡されたり、突然、心筋梗塞や脳梗塞を発症したり、突然、重大な犯罪被害に巻き込まれたり……、あまり考えたくはないことですが、誰の人生にも「突然」はつきものです。

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たとえば、交通事故について考えてみましょう。警察庁の発表によると、2023年に日本で発生した交通事故の件数は約30万8,000件。日本の人口約1億2,500万人のうち、1年間に交通事故に遭う確率は、30万8,000件÷1億2,500万人の約0.25%となります。この数字をもとに一生を通じて交通事故に遭う確率を計算すると、仮に人生を80年とした場合、0.25%×80年=20%となります。

もちろん、車を運転するかしないか、住んでいる地域、仕事やライフスタイルによっても確率は異なりますし、ひとくちに交通事故といっても、死亡事故から軽傷の事故まで様々です。しかしこのように改めて数字で考えると、「突然の交通事故」が、誰にとっても決して縁遠いものではないことがおわかりいただけるのではないでしょうか。