自身を「皮膚の変態」と名乗る大野真理子さんは、今や強い影響力を持つ美容家の一人だ。今回のテーマは、誰もが避けては通れない肌のエイジング。彼女に年齢を重ねることについて問うと、意外な答えが返ってきた。

PROFILE
大野真理子 おおの・まりこ
驚異の美肌を誇る44歳、二児の母。本業はアパレル経営者であり、趣味は皮膚管理。スキンケアや美容医療への豊富な知識から「皮膚の変態」として話題に。「真理子会議」と題したインスタライブでは、美容に人生に悩みを抱える女性を数多く救っている。


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エイジングケアとは幸せに生きるための人生設計

「皮膚の変態」というアイデンティティを見出し、美しくありたいと願う人に寄り添う大野真理子さん。彼女が考える、エイジングの向かう先とは?

「今回エイジングというお題をいただいた時、改めて考えたことがあります。『美容は何のため?』『人はなぜ美しくなりたいのか?』ということ。誰しも、幸せに生きたい・幸せに歳を重ねたいという根本的な願望を持っていると思いますが、美容がそんな自己肯定のための一助となったら……と感じています。

幸せに年齢を重ねていくための具体的な手段として、日々のスキンケアは欠かせません。私自身はポジティブな心で行うスキンケアこそが、より美しい皮膚への近道であると考えています。高級スキンケアや美容医療などさまざまなケアに手を出すことよりも、『幸せに生きていますか?』と聞かれたら『YES』と答えられるような美容ができているかどうか。美容のひとつひとつのプロセスが、潜在意識で『私は幸福になる資格がある人間だ』と感じられる、自分を慈しむケアであってほしい。人生の本当の目的は『老けないこと』ではないですよね? だからエイジングの向かう先を前向きに捉えること。自分らしさも、年齢を重ねることも、否定しない。そして抗わない。私は人生を豊かにするための、快楽エイジングを推奨したいと思っています。

年齢を重ねると特に、美容は圧倒的な美を目指すものではなく、自分らしく健康に生きるための手段の一つへと変化します。ミドルエイジのスキンケアは、綺麗/汚い、美人/不美人のその先へ! 『これまでどんな人生を歩んできたのか?』。人間としての生き様や信用が、肌に宿ると信じています」