いま日本はどんな国なのか、私たちはどんな時代を生きているのか。
日本という国や日本人の謎や難題に迫る新書『日本の死角』が8刷とヒット中、普段本を読まない人も「意外と知らなかった日本の論点・視点」を知るべく、読みはじめている。
自分だけが目立つことは避けたい
『日本の死角』に「いまの若者たちにとって「個性的」とは否定の言葉である」という論考を掲載している。
「個性的」が否定の言葉……とは、いったいどういうことだろうか?
〈「個性的な人間でありたい」と切望する気持ちがないわけではあるまい。どんな人間だろうと自分の存在意義を求めようとするものだ。
思いをストレートに口に出すと、周囲から自分だけが浮いてしまう。
みんなと同じでなければ安心できず、たとえプラスの方向であったとしても自分だけが目立つことは避けたい。
近年はそんな心性が広がっているように見受けられる。〉(『日本の死角』より)
ある中学校の生徒たちは、「個性的と言われると、自分を否定された気がする」「周囲と違うってことでしょ? どう考えてもマイナスの言葉」という反応だったという。