日本人が本気で考えたい…大災害の避難場所が「体育館」であるという「深刻すぎる実態」

いま日本はどんな国なのか、私たちはどんな時代を生きているのか。

日本という国や日本人の謎や難題に迫る新書『日本の死角』が8刷とヒット中、普段本を読まない人も「意外と知らなかった日本の論点・視点」を知るべく、読みはじめている。

日本と海外の避難環境の違い

自然災害時の避難場所としては、床に毛布を敷いて大勢がひしめきあう体育館が思い浮かべる方も多いだろう。

しかし、それを当たり前と思ってはいけない。

海外の災害避難所と比べれば、日本の問題点が浮き彫りになる。

〈日本と同じ地震国のイタリアでは、国の官庁である「市民保護局」が避難所の設営や生活支援を主導してきた。

2009年4月のイタリア中部ラクイラ地震では、約6万3000人が家を失った。この大被害に向けてイタリア政府は、初動48時間以内に6人用のテント約3000張(1万8000人分)を完備し、最終的には同テント約6000張(3万6000人分)を行きわたらせた。

ただし、実際にテントに避難したのは約2万8000人である。それよりも多い約3万4000人に割り当てられた避難所はホテルであった。もちろん宿泊費は公費で支払われる。仮設の避難所や体育館よりも、ホテルで避難生活をする人が多いのである。〉(『日本の死角』より)

しかも、テントといってもキャンプ用のような簡易なものではなく、「約10畳」の広さで電化されてエアコン付きであるというから驚きだ。

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