2024年7月7日、環境省が運営する「熱中症予防サイト」で、熱中症の危険性が極めて高まるとして、多くの地域に「熱中症警戒アラート」が出された。該当するのは、東京都、埼玉県、千葉県、愛知県、島根県、愛媛県、大分県、長崎県、沖縄県ほか25の都県だ。岩手県、宮城県、大阪府、京都府、佐賀県ほか14の府県には、さらに警戒を高める「日最高暑さ指数(予測値)31以上」が出されている。
気温が36度以上という、体温を超える暑さを記録する地域もあり、暑さで窓ガラスが割れたり、農作業や工事現場で人が亡くなったという報道がされている。
キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「開放的になる夏は、既婚者の浮気が増えます。実は熱中症から浮気が発覚することもあるんです」と言う。
山村さんに依頼がくる相談の多くは「時代」を反映している。同じような悩みを抱える方々への問題解決のヒントも多くあるはずだ。個人が特定されないように配慮をしながら、家族の問題を浮き上がらせる連載が「探偵が見た家族の連載」だ。
今回山村さんのところに相談に来たのは、45歳の敏志さん(仮名)。「35歳の妻が、ウチから100キロ離れた、縁もゆかりもない場所で熱中症により搬送されたと連絡があったんです」と山村さんに連絡をしてきた。そこから浮気を疑っているというのだが、それはどういうことなのだろうか。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
堅実を絵に描いたような男性
敏志さんはメガバンクに勤務する堅実を絵に描いたような男性です。シワにならない素材のポロシャツに、シアサッカー素材のジャケットを羽織っており、メガネの奥に光る眼光は鋭い。まずは、10歳年下の妻について伺いました。
「結婚3年になります。そもそも僕はバツイチで、20代後半の時に、社会的地位のために一度結婚をしています。ウチのような会社は、表向きはダイバーシティを推進していますが、本音の部分では結婚している方が評価されるんですよ。結婚していないと“信頼できない”とか“一人前ではない”とみなされる雰囲気がある」
多様性が進むほど、暗黙理の事項は増えます。私もカウンセリングから、統率を重んじる組織で働く人の多くが、学歴フィルターやルッキズム、男尊女卑が横行や、性の多様性へ非許容を感じ、生きづらい状況にあることを感じています。
「そうなんです。特にうちの会社は結婚していないと信頼されないし、私は子供が欲しい。前の結婚は32歳から37歳の5年間で相手は大学の同級生。彼女もキャリアを邁進しており、36歳のときにヤツが私の子供は産まないと宣言し、離婚になりました」
5年も生活を共にした男女が、子供の問題だけで離婚するのはおかしいと思い、「浮気などはなかったですか?」と質問すると、敏志さんは一瞬沈黙し、「ありました。前の妻は別の男と浮気して、そいつの子供をみごもったから離婚したい、私の子供は産みたくないと言ってきたんです」と答えたのです。
「思いだせば、あいつが浮気をしている時の雰囲気というのはあったんですよ。当時は全然気づきませんでしたけど、女が浮気するというときは、どこかがおかしくなる。俺を避けるようになったり、帰ってすぐシャワーを浴びたりね。服や靴も増えるじゃないですか。それで、意味がない出張や外泊が増える……。
そして今、現在の妻はめっちゃ出張しまくっているんですよ。まさか前のあいつと同じように浮気していたら……」