いままで、「大切な人と深くつながるために」「いじめられている君へ」「親の期待に応えなくていい」など、10代に向けて多くのメッセージを発信してきた作家の鴻上尚史さんが「今の10代に贈る生きるヒント」を6月12日に刊行した。その書籍のタイトルは『君はどう生きるか』。昨年ジブリの映画でも話題になった90年近く前のベストセラーをもじったこのタイトル。なぜ「君たち」でなくて「君」なのか。そこには鴻上尚史の考える時代の大きな変化があった。
『君はどう生きるか』(鴻上尚史著)より抜粋して、著者がいまを生きる10代に贈るメッセージを一部紹介する。
『君はどう生きるか』連載第26回
『「スマホがなかった頃なら…」日本人の自信喪失の原因は「スマホ」の出現にあった⁉…現代人を徐々に蝕む数多の「甘い毒」』より続く
スマホが孤独な時間を奪った
スマホは、ぼくたちの孤独な時間を奪いました。「ひとりで考えること」がとても難しくなったのです。
君は家にひとりでいてもひとりではありません。すぐにラインの連絡が来てしまう。いつも誰かとつながっています。
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一人でいても独りじゃない。
ぼくはそれを「ニセモノの孤独」と呼んでいます。
誰ともつながってなく、本当の独りの時間が「本物の孤独」です。