スマホの普及とともに蔓延した、知らぬ間に若者を蝕む「7つの災厄」

『君はどう生きるか』連載第23回

いままで、「大切な人と深くつながるために」「いじめられている君へ」「親の期待に応えなくていい」など、10代に向けて多くのメッセージを発信してきた作家の鴻上尚史さんが「今の10代に贈る生きるヒント」を6月12日に刊行した。その書籍のタイトルは『君はどう生きるか』。昨年ジブリの映画でも話題になった90年近く前のベストセラーをもじったこのタイトル。なぜ「君たち」でなくて「君」なのか。そこには鴻上尚史の考える時代の大きな変化があった。

『君はどう生きるか』(鴻上尚史著)より抜粋して、著者がいまを生きる10代に贈るメッセージを一部紹介する。

『君はどう生きるか』連載第23回

『コミュ力は「才能」でも「遺伝」でもない!やってみれば人間関係が激変する、コミュ力の磨き方』より続く

面白いけれど、苦しい時代

ぼくは、10代の若者に、よく「今、君は、とても面白いけれど、苦しい時代に生きているね」と言う。

「とても面白い」というのは、君も知っているように、あらゆるサービス、情報、商品がかつてないほど溢れている世の中になったことだ。

君はたくさんのモノの中から、好きなモノを選ぶことができる。

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少しの商品しか並んでないお店の中に入ってもワクワクしないよね。でも、いろんな色のいろんな形のいろんな種類の商品が山ほどあるお店に入れば、なんだかウキウキしてくる。

これが「とても面白い」ということだ。

でも、だからこそ、「苦しい時代」にもなっているとぼくは思っている。

どうしてか?