3つ星シェフが手掛けるフレンチや「25mの室内温水プール」…日本の超高級ホテルなのに「日本人は泊まれない」悲しい現実

今や世界中から富裕層がこぞって訪れる冬の高級リゾート地となった北海道ニセコ。どうやってニセコはインバウンドをものにしたのか。海外の富裕層を取り込む外国資本の戦略、日本の観光に足りていないものとは何なのか。ニセコの成功の背景を、リゾート地・富裕層ビジネス・不動産投資の知見をもつ筆者が、これらの謎をひも解く。

『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(高橋克英著)より抜粋してお届けする。

『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』連載第28回

『「中国にはリスクがある」…それにもかかわらず日本を放置して中国市場だけ開拓する「日本の大企業」のヤバすぎる実態』より続く

パークハイアットニセコHANAZONOの衝撃

ニセコHANAZONOスキー場は、JR俱知安駅前からのアクセスもよく、最長滑走距離3300m、総面積56‌ha、標高差737m、最大斜度30度、リフト数3、コース数8を誇る。2019年10月には、G20北海道俱知安観光大臣会合が花園で開催され、北海道俱知安宣言が採択されている。

「パークハイアットニセコHANAZONO」が開業したのは2020年1月だ。花園地区はスキー場があっても大きな宿泊施設がなかったから、待望の施設が誕生したことになる。

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すべての客室にリビングとダイニングスペースを確保していて、広さは65m2以上あり、スイートは独立した半露天風呂付きだ。宿泊は一般的な部屋でも夏場で1泊5万円以上、冬場のトップシーズンでは20万円以上に跳ね上がる。ホテル棟とレジデンス棟(ホテルコンドミニアム)からなり、香港のPCCWグループによる大規模な開発だ。