「このままでは売れなくなる」...ピンチを乗り越える、コカ・コーラ社で学んだ営業の「本質」

地方のFラン大学卒で0から営業を始めた著者は、いかにして「日本一の営業」へと大変貌を遂げたのか?「毎日が凄く辛い」「外回りをしている自分が情けない」...消極的に取り組み始めた営業の仕事が天職になるまでには、どんな心境の変化があったのか?

人と人との関わり合いである営業で得た「学び」には、どんなビジネスにも活かせるヒントが満載。仕事への向き合い方や他者の心の動かし方に迷うビジネスマン必読の話題作『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』(山岡彰彦著)から、内容を抜粋して紹介する。

『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』連載第18回

『「こんな無駄な仕事をするんじゃない」...外資系企業で「極端に」嫌われる、日本人の「よくやる」こと』より続く

難しい商談

コカ・コーラナショナルセールスでの配属先は、関東地区統括部です。担当するのは大手コンビニエンスチェーンの一社です。

コンビニエンスストアのビジネスは、本部と加盟店で構成されるフランチャイズシステムで進められ、各メーカーが提案する新商品の採否や販促策の採用如何はチェーン本部側で決定されます。私が担当するコンビニエンスチェーンも同様ですが、私たちの取引条件は好条件が並んでいる訳ではありません。そのためコカ・コーラ社の商品は、交渉の余地なしといった厳しいところまではいきませんが、競合と比べると難しい商談を余儀なくされます。

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すべての営業担当に言えることですが、商品の取引条件を勝手に変えることはできません。あらかじめ定められた納入価格、販促条件、納品までの流れがあり、多少融通を利かせることができてもその幅には限界があります。

いままでと同じことをやっていては、必ず先細りになってしまいます。新商品を紹介し、販促策を売り込むだけではなく、これまでにない層へのアピール方法や売り場づくりといった新たな価値提案をしますが、商品が採用されてもすぐに商品登録から抹消されたり、販促策が早々に切り上げられたりと苦戦が続いていました。