アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)と、同社のワールドワイドマーケティング担当上級副社長であるグレッグ・ジョズウィアック氏が来日し、都内にある大手ゲームメーカー・KONAMIを訪れた。
KONAMI訪問でいったい何が語られたのか──単独密着取材の模様をお届けしよう。
KONAMIが語る「iOSの登場で変わったこと」
ご存じの方も多いとは思うが、KONAMIについてあらためて簡単に解説しておこう。
1969年に創業した同社は、1973年に開始したアミューズメント機器の製造からゲーム市場に関わるようになり、1980年以降、幅広くゲームビジネスを展開している。現在は、スポーツジム事業なども手がけるグループ企業となった。その中核は、ゲーム開発を手がけるコナミデジタルエンタテインメントだ。
そしてもちろん、アップルのアプリプラットフォームである「App Store」にも初期から参入し、数多くのアプリを提供してきた。
コナミデジタルエンタテインメントの早川英樹社長は、「App Storeには早い段階から対応し、その成長とともに弊社も売り上げを伸ばしてきた。App Storeには非常に感謝している」と、クックCEOを歓迎した。
コナミはこれまで、App Storeに、累計166タイトルを公開している(公開終了分も含む)。当初公開されていたのは8本にすぎなかったが、それが20倍超にまで拡大したのだ。
「なかには、公開から8年以上が経過してもなお、多くのユーザーに楽しまれている作品がある。このような親しまれ方は、世代交代していく家庭用ゲーム機ではなかなか難しく、iOSの登場までは珍しかったことです」と早川社長は説明する。
クックCEOが驚いたこと
「eFootballᵀᴹ2023」や「プロ野球スピリッツA」はeスポーツにも力を入れており、同社は現在、JリーグやNPB(日本野球機構)とも協力しながらゲームを展開している。
「ウイニングイレブン」シリーズからブランド変更した「eFootballᵀᴹ」は、世界的な人気作となっている。
クックCEOから投げかけられた「『eFootballᵀᴹ2023』をプレイしている人のうち、どのくらいがiOSユーザーなのか」という問いに対し、KONAMIは「Androidユーザーのほうが多い」と答えた。しかし、説明はこう続いた。
「ゲームからの売り上げを見ると、iOSとAndroidはあまり変わりません」
すなわち、プレイ中に課金する人はiPhoneユーザーのほうが多い、というわけだ。また、「日本国内では圧倒的にiOSユーザーが多い」という。
この結果には、クックCEOも感嘆の声を上げていた。