Slack とは何か?その仕組みは?

あらゆる規模の組織に適した、AI を活用した仕事のためのプラットフォームについて解説します

何百万もの人々にとっての仕事の現場、それが Slack です。

世界で急成長している数多くの企業が、仕事をよりシンプルに、より快適に、より有意義にするために、AI を搭載した会話型プラットフォームである Slack を選択しています。Slack 内では毎日 7 億件以上のメッセージが送信され、300 万件近くのワークフローが実行されて、さまざまな仕事が前に進んでいます。あらゆる業界のあらゆる規模のチームが、成長と生産性向上のためにこのプラットフォームを利用しています。

Slack をチームで活用することで、次のことが可能になります。

  • どこからでもアクセスできる、安全性の高い検索可能な 1 つの場所に、コミュニケーションを集約する
  • Slack AI により、チームの集合知を活用して生産性をさらに高める
  • コーディングなどの技術的なスキルを必要とすることなく、定型業務を自動化する
  • すでに使用しているアプリやツールを Slack と連携させて、円滑に仕事を進める

それでは Slack とは何か、そしてその特徴や仕組みについて詳しく見ていきましょう!

Slack の特徴・仕組みとは?

Slack の特徴としてまず挙げられるのは、メンバー、ナレッジ、ツールを、直感的で使いやすい 1 つの環境に集約できること。そして、その基盤の上で、コーディング不要の自動化機能や、アドオンとして購入可能な Slack AI が、大きな効果をもたらします。以下で詳細を見ていきましょう。

人と人がつながる

Slack の中心となるのは、チャンネルです。プロジェクトやトピック、チームごとにチャンネルを設けて、メンバーはそこで一緒に仕事を進められます。チャンネルの作成やメンバーの追加・退出も簡単です。チャンネルは、ワークスペース内に設置されます。営業、エンジニアリング、マーケティングなどのさまざまなチームが、それぞれのワークスペースを使って、仕事に集中して取り組むことができます。やり取りされたメッセージやファイルは保存され、その内容を検索できるため、チャンネルに参加する人は誰でも、過去の会話や決定事項を簡単に振り返れます。個人またはグループあてに、プライベートメッセージを送ることも可能です。

Slack に設けられた営業用チャンネル

Slack の中心となるチャンネルは、メンバーがプロジェクトで一緒に作業したり、トピックについて議論したり、情報を共有したりできる場所です

Slack コネクトは、外部のパートナーや顧客と Slack のチャンネル内で直接連携できる機能です。やりとりが煩雑になりがちな従来のメールの代わりにこの方法を使うことで、お互いの関係が深まり、プロジェクトをより円滑に進められるようになります。通常のチャンネルと同じく、Slack コネクトのチャンネルも、パブリックまたはプライベートに設定できます。

リアルタイムの共同作業や画面共有を行いたい時には、ハドルミーティングを使って、同僚やチームとの会話をすばやく開始できます。また、クリップを使えば、チームメンバーに動画や音声でメモを残せます。各自が都合のよいタイミングでやり取りする非同期のコミュニケーションに便利です。

Slack ハドルミーティングを使ってリアルタイムでコラボレーションするチームのアニメーション。

Slack ハドルミーティングを使うと、今仕事をしているその場所から、すぐに音声やビデオでの通話や画面共有ができ、業務の効率が高まります

ナレッジを共有できる

ご存じでしたか?「Slack」とは、Searchable Log of All Communication and Knowledge(あらゆるコミュニケーションと知識の検索可能なログ)の頭文字を取ったものです。

Slack では、組織で行われた会話の履歴を簡単に確認できます。関連するフレーズを検索するだけで、必要な情報がすぐに得られるため、「知りたいことがあるけれど、誰に聞けばいいかわからない…」と困ることもなくなり、全員の貴重な時間と労力を節約できます。

Slack でナレッジを共有するためのもう 1 つの方法が、canvas です。これは、重要なビジネスリソースをチームで作成、整理、共有できる Slack 内のスペースです。テキスト、ファイル、アプリ、リッチメディア、さらには Salesforce Customer 360 などの記録システムをプレビューするリンクなど、あらゆるものを canvas に含めることが可能。これにより、アプリを切り替えることなく、関連する情報にすぐにアクセスできます。

また、プロジェクトやタスクの管理を Slack 内で直接行うのに便利なのが、リストです。リストにより Slack での仕事をさらに構造化して、プロジェクトやリクエスト、優先事項の動きを把握しやすくなります。複数のアプリケーション間を行き来することなく、すでにチームで仕事を進めているその場所で、仕事を整理できます。

使い慣れたツールを利用できる

Slack App ディレクトリには、Slack 環境に簡単に追加できる、2,600 種類以上の人気のサードパーティ製ツールがまとめられています。チャンネル、メッセージ、コマンドを通じて Slack 内でこれらのアプリに直接アクセスできることで、Slack のワークスペースを離れることなく仕事をスムーズに進められます。通知やアラート、アクションを Slack にまとめられることも、チームの生産性向上に役立ちます。

厳選されたサードパーティ製アプリにより、お気に入りのツールを Slack と連携できます

自動化と生成 AI で社内のナレッジを有効活用できる

自然な会話型のインターフェイスをもち、人、データ、アプリが 1 か所に集まる Slack は、AI を信頼性の高い方法で活用できるスペースとしても最適です。

アドオンとして購入可能な Slack AI を利用すれば、会話の要約で Slack チャンネルやワークスペース全体のナレッジを効率的に活用し、毎日のまとめで集中力を保てます。また、Slack AI の優れた検索能力により、例えば、耳慣れない略語の意味を知ったり、会社のポリシーをすばやく把握したりなど、質問への答えもすばやく得られます。

Slack AI を使えば、知りたい答えがすぐに見つかります

自動化を誰もが手軽に利用できるようにすることも、私たちの使命です。ワークフロービルダーは、開発者以外の人でも定型的なプロセスを Slack 内で簡単に自動化できる、コーディング不要のツールです。モジュラー型のテンプレートを利用してカスタマイズすることも、独自のワークフローをイチから作ることも可能。IT 関連リクエストのトリアージから、進捗報告、フィードバックの取得、新メンバーの研修など、創造性を発揮していろいろな用途に活用できます。

このほかにも、さまざまな便利な機能が用意されています。それらをどのように活用すれば、各部門の業務効率を向上させることができるのでしょうか?以下でご説明します!

 

小規模企業での Slack の活用方法とは?

Slack は、小規模な企業やチームが雑務を減らし、規模を拡大させていくのに役立ちます。チームはテキストベースのチャンネルを通じて 1 か所でコラボレーションができるほか、自動化でさらに効率を高め、音声・動画クリップなどを使って自分たちに合った方法で連携できます。小規模な企業による Slack の活用事例のいくつかを、以下にご紹介します。

Opteo : マーケティングソフトウェアプラットフォームを展開する同社は、非同期の働き方モデルに移行するために Slack を選択しました。その結果、生産性が大幅に向上。定期的な会議が 90% 削減され、チームで常時対応できるプロジェクト数が 2~3 倍に増えました。

McLeod Cranes : 家族経営のクレーン事業者である同社は、Slack を使って業務を変革。ワークフロービルダーを使って予約業務を効率化し、数日かかっていたプロセスを 1 分以内に短縮しました。また、Simple Poll を連携させることで、オペレーターが空き状況を知らせやすくなり、週末の勤務シフトの調整がシンプルに。さらに、Salesforce と Slack の連携によって業務を俯瞰できるようになり、会社全体の生産性とコミュニケーションが向上しています。

Ari Bicycles : 消費者に自転車を直販している同社は、運営に Slack を利用。自転車の設計・製造から顧客に合わせたカスタマイズまで、生産のすべての段階でチャンネルを通じて調整が行われています。ワークスペースに保存されたナレッジをすばやく見つけるために、Slack AI も活用。Slack を使うことで、迅速で簡単なプロジェクト管理を実現し、会議を減らして、得意とする業務に集中できるようになっています。

大企業での Slack の活用方法とは?

フォーチュン 100 企業の約 80% が日常的に Slack を利用しており、その多くが Slack のプラットフォーム上で事業全体を運営しています。Slack に備わるエンタープライズグレードの機能により、企業は安全な環境で、大規模かつ部門横断的な業務を標準化、自動化、測定できます。以下にその事例をいくつかご紹介します。

IBM : 世界に 25 万人の従業員を抱える同社は、生産性向上と業務の効率化に Slack を活用。営業チームは、Slack 内から Salesforce の重要な顧客データにアクセスし、それを共同作業やパイプライン構築に活用することで、営業プロセスを効率化して成約率を高めています。Sales Cloud との双方向の連携により、チームメンバーは関連する顧客情報に基づいて協力できるようになり、より迅速かつ質の高い意思決定が可能になっています。また、同社は Slack 内で 1 万件を超えるワークフローアプリを利用して、業務を一元化して効率を高め、コラボレーションしやすい仕事環境を整えています。

Inter : ブラジルでデジタル銀行を運営する同社は、Slack を使って 3,600 人の従業員の働き方をアップデートしています。同社はわずか 2 日間で、Slack 内に InterGPT というカスタムアプリを構築。これによりデータセキュリティを強化しながら、タスクを自動化しました。プロダクト開発、ROI の計算、投資アドバイスなどにこのアプリを活用することで、従業員 1 人あたり 1 日 30 分の節約を実現。この積み重ねが大きな違いを生み出しています。これまでに 50 個を超えるアプリと数百件のワークフローを使用してきた同社は、今後 Slack と Salesforce を利用した Interpedia というアプリの構築も計画。Slack の活用をさらに拡大していく予定です。

Wayfair : 11,000 人の従業員を擁する同社は、業務プラットフォームとして Slack を利用し、2,200 万人を超える顧客にサービスを提供しています。同社の IT チームは Slack を技術的な問題の解決に活用することで、インシデントの件数を 65% 削減。また、コーディング不要のワークフローによるタスクの自動化や、頻繁に使うツールのインテグレーションによっても時間を節約し、各チームがより重要な仕事に専念できるようにしています。Slack AI のパイロットプログラムに参加した同社は、生成 AI を使って Slack 内の関連情報をすばやく検索・要約できることが、いかに従業員体験を向上させるかを身をもって実感しています。

さまざまな部門での Slack の活用方法とは?

営業部門での Slack の活用

現代の営業チームは、不正確な売上予測やパイプラインの混乱、CRM データの維持管理の手間といった多くの課題に直面しており、それが成約や顧客との関係構築を妨げています。そのなかで、データが更新されていなかったり、チームがコラボレーションする場所がなかったりすると、営業活動はさらに難しくなります。

そこで Slack Sales Elevate を使えば、Salesforce の Sales Cloud を Slack とネイティブに連携させて、重要な顧客レコードや取引先、商談、主な指標の情報を一元化できます。また、案件やプロセスの変更をめぐる承認や決定を効率化できるほか、CRM の更新などの管理タスクも自動化できます。

Rochester Electronics の営業チームは、以下のような目的で Slack Sales Elevate を活用しています。

  • 売上予測の精度を向上させる
  • パイプラインを管理し、CRM の更新にかかる時間を短縮する
  • チームとして営業することで、成約率を向上させる

カスタマーサービス部門での Slack の活用

カスタマーサービスやカスタマーサポートのチームは、顧客からこれまで以上に多くのことを求められるようになっています。そのなかで、対応の遅れ、連絡の行き違い、担当者間での不要なたらい回しなどがあれば、顧客のロイヤルティに悪影響を与えてしまいます。

Slack で階層のないサポートや、カスタマイズされた自動化、より透明性の高いナレッジ管理を実現することで、サポート業務を通じて、顧客からの評判を高めることができます。

OpenAISalesforce のカスタマーサービスチームは、Slack を活用して以下のような成果をあげています。

  • 階層のないサポートにより、ケースの解決を 26% 高速化
  • インシデントの解決時間を 19% 短縮
  • 初回対応での解決率を 36% 向上

マーケティング部門での Slack の活用

マーケティングチームは、効果的なキャンペーンを設計し、複数のデータソースを分析して、変化する市場環境にすばやく対応しなければならないというプレッシャーにさらされています。そのなかで、情報に基づいた意思決定、複雑なキャンペーンの承認手続き、重要な見込み客の追跡などにおいて、これまで以上にスピードが求められるようになっています。

そのような課題にいかに効果的に対処できるかが、市場をリードするか後塵を拝するかの分かれ目になります。Slack をコラボレーションハブとして活用することで、課題をチャンスに変え、チームにより速く、よりスマートに仕事を進めるための力を与えられます。

GrammarlyBox のマーケティングチームは、以下のような目的で Slack を活用しています。

  • キャンペーンの承認を自動化する
  • キャンペーンの意思決定をスピードアップする
  • 見込み客に迅速に対応する

財務部門での Slack の活用

予算や経費の承認から、合併・買収への対応まで、財務チームは現代の課題に正確かつスピーディーに対処しなければなりません。ただ、規制を遵守することと、ビジネスの優先事項を遂行することの間で、頭を悩ませることがよくあるでしょう。

コミュニケーションのギャップを埋め、業務フローを簡素化できる Slack は、財務チームが仕事の効率化に向けて前進するのに役立ちます。不要な引き継ぎやフォローアップの削減、予算や経費の承認の自動化、企業合併の際のプロセスの合理化により、財務チームは Slack でムダを省き、高速で高効率なチームへと変革できます。

Canva や Salesforce の財務チームは、以下のような目的で Slack を活用しています。

  • 予算や経費の承認をスムーズにする
  • 不要な引き継ぎやフォローアップを削減する
  • 合併・買収を体系的かつ効率的に行う

IT 部門での Slack の活用

IT チームは、ワークスペースの安全な稼働を支える縁の下の力持ちです。ただ、どれほどシステムを合理化しても、予算とニーズのバランスを保つこと、技術的な問題による中断を防ぐこと、ハイブリッドワークが進む職場で一貫した従業員体験を提供することなど、さまざまな課題が残されます。

このような課題を克服する鍵は、スマートなコラボレーションとインテグレーションです。適切な人と情報を適切なタイミングでつなぐ Slack は、IT チームがコストを大幅に削減し、レスポンスタイムを短縮して、あらゆる場所のあらゆる従業員が利用しやすい仕組みを提供するのに役立ちます。

ParamountIBM の IT チームは、以下のような目的で Slack を活用しています。

  • ヘルプデスクでのチケットあたりのコストを削減する
  • インシデント解決までの時間を短縮する
  • 一貫性のある従業員体験を提供する

シンプルで快適、かつ有意義な働き方を実現

Slack は単に機能を集めただけのものではなく、現在そして将来にわたって、よりよい働き方を実現する手段です。だからこそ、世界中の何百万もの人々、20 万以上の組織が Slack を利用して、以下のことを実現しようとしています。

  • 場所やタイムゾーンを超えてコラボレーションする
  • 自社のテクノロジースタック全体を、一般ユーザーも使いやすい 1 つのインターフェイスに統合する
  • 自動化と Slack の新しい生成 AI アドオンにより、仕事をより簡単で効率的なものにする

また、従来のエンタープライズ向けソフトウェアとは異なり、Slack は組織文化やつながりも育みます。Slack ユーザーの 90% が、Slack を使うことでチームとしてのつながりを保ち、組織内でコミュニティを構築できると回答しています。このような人と人とのつながりを育めるような体験をデザインすることに、私たち Slack は力を注いでいます。

ここで紹介したことはすべて、人々の働き方をよりシンプルに、より快適に、より有意義にするという私たちのミッションの一環です。もっと詳しく知りたい方は、ユーザー事例にて、Slack を活用しているさまざまな企業のストーリーをご覧ください。

脚注

  1. 出典 : Salesforce 2024 年度「Customer Success Metrics」

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。