ビジネスチャットとは?選ぶ際のポイントや導入事例を紹介
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ビジネスチャットとは?選ぶ際のポイントや導入事例を紹介

ビジネスチャットを利用する企業が増えています。ビジネスチャットが求められている背景や基本的な機能、活用するメリット、運用時の注意点などを解説します。

Slack チーム一同作成2024年5月28日

ビジネスチャットを、社内外のコミュニケーションをスムーズにするための手段として利用する企業が増えています。
ここでは、ビジネスチャットが求められている背景や基本的な機能のほか、活用するメリット、注意点などを解説します。また、実際に使っている企業の導入事例もご紹介しますので、参考にしてください。

ビジネスチャットとは、会話形式のコミュニケーションツールのこと

ビジネスシーンでは、さまざまな連絡手段を用いてコミュニケーションや情報共有を行います。近年では電話やメールといった手段だけでなく、ビジネスチャットの利用が増えています。
ビジネスチャットとは、テキストによる会話形式のやりとりを主体とした、コミュニケーションや情報共有をするためのツールのこと。1 対 1 だけでなく、複数人でもコミュニケーションをとることが可能です。

社内 SNS と異なる点

コミュニケーションツールとして活用されているもののひとつに、「社内SNS」があります。社内 SNS とは、企業内の利用に特化した SNS のことです。主に、社内コミュニケーションの活性化や情報共有、業務関連の記録、ディスカッションなどに活用されます。ビジネスチャットの場合、社内 SNS の役割に加え、社外とのコミュニケーションにも活用できる点が大きな違いです。

ビジネスチャットが必要とされる背景

ビジネスチャットの需要が高まっている背景には、「働き方の多様化」と「生産性向上の実現」という 2 つの側面があります。

コロナ禍を機に急速に普及したリモートワーク(テレワーク)のほか、時差出勤を導入する企業も増えつつあるなど、多種多様な働き方があります。こうした状況下で発生しやすい課題として、コミュニケーションや情報共有の不足が挙げられます。
そのため、場所を問わずやりとりができ、業務連絡からカジュアルな雑談まで可能なツールであることから、ビジネスチャットが必要とされているのです。

メールとビジネスチャットとの使い分け

メールは現在でも使われていますが、いくつか短所もあります。例えば、相手とのタイムラグが生じやすい、冒頭の挨拶文が必要、複数人での意見交換や議論をしようとすると引用文が多用されて文脈がわかりづらくなるなどです。

ビジネスチャットはリアルタイム性が高く、挨拶文などを廃して端的に情報伝達や意見交換ができ、複数人での話し合いもしやすいという特徴がありますので、メールと併用すれば、お互いの長所を活かすこともできます。下記は、メールとビジネスチャットの使い分け方を示した一例です。

 

ビジネスチャットの基本機能

次に、ビジネスチャットに備わっている基本機能についてご紹介します。商品によって仕様が異なる部分はありますが、多くのビジネスチャットには下記のような機能が搭載されています。

チャット

チャットとは、オンラインで会話をする仕組みのことです。チャットには「おしゃべり」という意味があります。
声を使ったボイスチャットや映像を使うビデオチャットもありますが、ビジネスチャットにおいては文字を使ったテキストチャットがメインとなります。テキストであれば必ずしもリアルタイムで会話のキャッチボールをしなくても、ひとまずメッセージを残し、相手が時間のある時に返信するといった使い方もできるからです。

また、ビジネスチャットでは、特定または複数の相手を指定してメッセージを送るメンションや、絵文字やスタンプによるリアクションなども行えます。オリジナルの絵文字やスタンプの作成が可能なビジネスチャットもあります。

チャンネル

特定のメンバーでグループのチャンネルを作り、チャットをすることができます。チャンネルは、1対1のメッセージやチャットをするのではなく、チャンネルに参加しているグループ全員で利用します。チャンネルでの発言は、グループ全員に知らせることができますし、メンションをつければグループ内で個人宛にコメントすることも可能です。メンションをつけても、ほかのグループメンバーも閲覧できます。
チームやプロジェクト単位でチャンネルを作成すれば、目的やテーマに特化した話し合いがしやすくなるでしょう。
なお、チャンネルには「パブリック」と「プライベート」の 2 種類があります。パブリックは、ワークスペース内の誰もが入れるチャンネルで、プライベートはチャンネルのメンバーが追加しないと入れません。これを使い分けることで、透明性のあるチャンネルと秘匿性の高いチャンネルを持つことができます。

スレッド

特定のメッセージに返信をするスレッド機能を用いることで、 1 つのトピックについて掘り下げた話し合いを続けることが可能です。
チャンネル内で多くの話題についてメッセージが飛び交うような場合は、スレッド機能があると会話の流れがすっきりします。

ダイレクトメッセージ

ダイレクトメッセージ(DM)を使えば、特定の相手を指定して 1 対 1 の会話ができます。ダイレクトメッセージは、ビジネスチャットに備わっている 1 対 1 のメールに近い機能と言えるでしょう。

音声通話・ビデオ通話

音声通話やビデオ通話が利用できるビジネスチャットもあります。1 対 1 の通話のほか、複数メンバーとの通話も可能など、サービスによって機能が異なります。

文字検索

ビジネスチャットで会話した内容は、いつでも文字検索が可能です。また、検索条件を絞り込む方法も複数用意されていますので、必要な時に必要な情報を抽出して活用できます。

ファイル共有

ビジネスチャットでファイルやドキュメントを、チャンネル内で共有することもできます。多くの場合、ファイルはドラッグ&ドロップで簡単に共有でき、検索で特定のファイルを探し出すことも可能です。

連携機能

ビジネスチャットは、ほかのツールやシステムと連携させることもできます。例えば、ファイル共有サービス、社内 Wiki 、タスク管理ツール、さらには CRM(顧客管理システム)や SFA(営業支援システム)といった各種ツール・システムです。
連携することで、ビジネスチャットでは不足する機能を補い、自社の業務にマッチした使い方ができるようになるでしょう。

ビジネスチャットのメリット

ビジネスチャットを活用することで、ビジネスにさまざまなメリットがあります。ここでは、ビジネスチャットを使うことで得られるメリットをご紹介しますので、導入の参考にしてください。

コミュニケーションの活性化

気軽にいつでもコミュニケーションをとれるのが、ビジネスチャットの最も優れたメリットです。メールよりも端的かつ迅速に、生きた会話を交わすことができます。
また、電話のように相手の時間や行動を拘束することもありません。

情報共有の効率化・迅速化

情報共有の効率化・迅速化が図れる点も、ビジネスチャットのメリットです。報告・連絡・相談もテキストとしてそのまま残せるため、いつでも確認できます。
また、簡単な会議や打ち合わせであればビジネスチャットで完結させることが可能でし。プロセスや結果、発言者なども検索することができますし、会議で使用するファイルの共有も簡単です。

リモートワークやモバイルワークの対応

ビジネスチャットは、リモートワークやモバイルワークにも対応できます。インターネット接続環境があればどこからでも参加できるため、スマートフォンから参加することも容易です。そのため、同じオフィス内にいなくても、いつでも話し合いができるメリットがあります。

セキュリティ対策

法人向けのビジネスチャットは、ユーザー認証や通信の暗号化、デバイス制限、管理者権限の設定などにより、万全と言えるセキュリティ対策が施されているのがメリットです。
また、ビジネスチャットは、元々メールに比べて誤送信やフィッシングメール受信などのインシデントが起こりにくいため、セキュリティリスクが小さいとも言えます。

社外との連携も強化

ビジネスチャットは社内だけではなく、社外の組織や人とのコミュニケーション・情報共有にも活用されています。ユーザー管理をしっかりと行ったうえで取引先や外部パートナーとビジネスチャットでコミュニケーションができれば、メールや電話よりも、緊密で迅速な情報のやりとりができるメリットがあります。

ファイル・タスク管理機能

ビジネスチャットには、プロジェクト管理やタスク管理にも活用できるメリットがあります。また、ファイル管理機能やタスク管理機能が備わっているサービスであれば、過去にやりとりしたファイルを素早く見つけられます。

仕事とプライベートを区別

ビジネスチャットはビジネス用途に特化したツールのため、プライベート用と明確に切り分けられるメリットがあります。ツールによっては業務時間外に通知をオフにできたり、ステータス情報を切り替えることで連絡可否を伝えられたりできるので、仕事とプライベートを区別した働き方が実現しやすいでしょう。

チャットの履歴管理も容易

ビジネスチャットはシンプルな会話形式で表示されるため、過去のやりとりの履歴を管理しやすいというメリットがあります。チーム単位・案件単位・タスク単位など、情報共有が必要な単位ごとにチャンネルを作成することにより、必要な情報を素早く見つけやすくなるでしょう。
また、ハッシュタグを活用することで関連するトピックを一覧でまとめられるツールもあります。過去に交わされたチャットのやりとりを簡単に確認できることは、業務効率化や生産性向上にも寄与するポイントです。

ビジネスチャットのデメリット

ビジネスチャットの導入には多くのメリットがある反面、デメリットとなり得る面もあります。どのようなデメリットがあるのか、解消方法とともに押さえておきましょう。

メッセージが流れる

会話形式で軽快にやりとりできることがチャットのメリットですが、複数名が参加するグループチャットにおいては、必要な情報が流れやすくなるデメリットがあります。
重要なメッセージは「ピン留め」や「ブックマーク」といった機能を活用し、後から確認しやすいように管理しましょう。

導入コストが必要

ビジネスチャットの多くは有償ツールのため、導入に伴い初期費用や月額利用料がかかります。プランによって利用可能なユーザー数やデータ容量が決められているケースもあるので、想定している活用方法とコストのバランスを見極めてください。

ビジネスチャット運用時の注意点

ビジネスチャットの運用には、正しい運用方法についての知識も不可欠です。ビジネスチャットを使ううえでの注意点について把握しておきましょう。

使用目的を従業員に伝える

ビジネスチャットを導入する目的や解決したい課題について、従業員に丁寧に伝えていくことが大切です。使用目的が伝わっていないと、ビジネスチャットを導入しても従来どおりでメールを使い続ける従業員がいるかもしれません。ビジネスチャットが定着するように、具体的な利用シーンやメリットを明確に伝えましょう。

運用ルールを定める

いつでもどこからでもコミュニケーションができるのがビジネスチャットのメリットですが、勤務時間外でも構わずにチャットを始めるかもしれません。また、目的に応じたチャンネルを作れることはメリットですが、誰もが好き勝手にチャンネルを作り出すと収拾がつかないでしょう。

そこで、ビジネスチャットを使用する時間帯やチャンネル作成担当者を決めるなど、運用ルールを定めることが大切です。ほかにも、無駄な挨拶はできる限り省く、既読のサイン(顔文字を使うなど)を決めておくと便利です。

マナーを守る

ルールだけでなく、マナーを守らせることも必要です。相手の顔が見えないやりとりは、時に感情的な言い合いに発展するおそれがあります。反論もあって然るべきですが、批判ばかり繰り返しているようだと、お互い不快感・不信感を募らせることになりかねません。

また、要点をつかみにくい長すぎる文章や個人情報、プライバシーに関する話などを送信するのもマナー違反です。言葉の使い方を考える、相手の感情に配慮する、簡潔さを心掛けるなど、マナーについてもアナウンスしてください。

情報漏洩に注意する

セキュリティに強いビジネスチャットであっても、リモートワークではチャット画面を第三者に見られることも考えられます。同じ理由から、フリー Wi-Fi の使用なども避けるべきです。ID とパスワード、端末の管理にも、十分に気をつけなければいけません。

使い方の社内教育を実施する

ビジネスチャットを導入するにあたって、基本的な利用方法や操作の仕方について社内教育を実施してください。短期間で操作方法をつかめる従業員もいれば、新たなツールの操作に戸惑ってしまう従業員もいるはずです。また、導入後も使い方をサポートする担当者を配置しておくと、従業員が安心して使えます。

ビジネスチャットの導入事例

企業でビジネスチャットは、実際どのように活用されているのでしょうか。インテリジェント プロダクティビティプラットフォームである「Slack」を導入した企業の実例をご紹介します。

株式会社メルカリ : 社内の情報格差を生まないための Slack 活用

株式会社メルカリでは、社内コミュニケーションの大半を Slack 上で行っています。会社が急成長し、組織が拡大する時には、「全員の顔と名前が一致しない」「全員に必要な情報が行き届かない」といった課題が生じがちです。それを解消するために一役買ったのが Slack です。

メルカリには「Trust & Openness」を基本とする組織カルチャーがあります。それが薄まってしまわないように「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(すべては成功のために)」「Be a Pro (プロフェッショナルであれ)」というメルカリのバリューを絵文字にし、日々のコミュニケーションで活発に使用しています。

ほかにも、「Slack 上で完結する会議」や、情報過多の状態に陥らないようにするため不要なチャンネルからの退出を推奨する「Leave Day」を設けるなど、生産性の高い働き方に取り組んでいます。

株式会社カクイチ : 顧客の問題解決スピードが格段にアップ

農業用資材から太陽光発電やアクアソリューションなどの環境事業まで、多角的に手掛けている株式会社カクイチでは、Slack 導入を機に意思決定が格段にスピードアップしました。

元々カクイチでは、メールや電話、FAX、口頭など「1 対 1」で行うコミュニケーションが多く、代表取締役社長兼 CEO の田中離有氏が社員に対して話をする時は、「しゃべる側対聞く側」という一方通行の対話でした。しかし、 Slack 導入後は「1 対ほか」に変化したのです。また、ログも残るため、誰もがやりとりを見て、途中からでも会話に参加できるようになりました。

そして、全国の拠点にいる社員が Slack 上でオープンにコミュニケーションし始めると、顧客が抱える問題を解決するスピードが飛躍的にアップしたのです。各事業所で行われていることや困っていること、どんなアイデアが生まれているのかも可視化できるようになりました。全国の知恵を 1 ヵ所に集約できるのは、Slack ならではの利点と捉えているとのことです。

コミュニケーションの基盤となりうるビジネスチャット

ビジネスチャットには、社内外のコミュニケーションや情報共有を活性化・効率化・迅速化する効果があります。また、ビジネスチャットを用いて組織内のコミュニケーション基盤を構築すれば、基本的な活用メリット以上の成果を得ることも可能です。
Slack は、ビジネスチャットの枠に収まらない機能で、業務効率化に貢献します。ぜひ、導入を検討してみてください。

よくある質問

ビジネスチャットとは、テキストによる会話形式のやりとりを主体とした、社内外の人とのコミュニケーションや情報共有をするためのツールです。ビジネスチャットはメールよりもリアルタイム性が高く、挨拶文などを廃して端的に情報伝達や意見交換ができ、1 対 1 や複数人での話し合いもしやすいという特徴があります。ビジネスチャットとメールを併用すれば、それぞれのツールの長所を活かすこともできるでしょう。
ビジネスチャットを導入する際には、社内での運用ルールを定める必要があります。ビジネスチャットを使用する時間帯やチャンネル作成担当者など、各企業内で運用ルールをあらかじめ決めておきましょう。ほかにも、無駄な挨拶はできる限り省く、既読のサイン(顔文字を使うなど)など、運用方法もルール化しておくと便利です。要点をつかみにくい長すぎる文章や個人情報、プライバシーに関する話を送信するといったマナー違反、情報漏洩などにも気をつけなければいけません。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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