墨国皇帝の弟で靖安王である墨寒卿は、その絶世の美貌から京城第一公子と称されている。 外出するたびに多くの女子にチヤホヤされるも、容姿だけで判断されることを嫌う墨寒卿はいつも女子たちを追い払っていた。 そんな墨寒卿だが、実は刺客が夜中に笛を吹くせいで不眠に悩まされていたのだ。元凶を捉えるように護衛を動かすも、彼らは肝心の笛音が聞こえないという…。どうにか安眠を取り戻すために、墨寒卿は天下一の武術の達人が隠居する飛鶴山荘へ助けを求めに向かう。 そこで出会ったのは、天真爛漫の葉七七だった。最初は世間知らずで礼儀をわきまえない七七を毛嫌いしていた墨寒卿だったが、だんだんと七七に心を開いていく——
冷酷王の容赦ない寵愛