"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1882年のこの日、恒星の内部構造の研究や英語圏への一般相対性理論の紹介で知られるイギリスの天文学者・物理学者アーサー・エディントン(Arthur Stanley Eddington, 1882-1944)が誕生しました。
北イングランドで生まれたエディントンはケンブリッジ大学で数学と物理学を学んだのちグリニッジ天文台の助手として天文研究に従事しました。
その後、その優秀さを買われたエディントンは1913年にケンブリッジ大学教授、次いでケンブリッジ天文台長に就任しています。
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エディントンは白色矮星や変光星など、様々な分野で業績を残してます。特に、恒星に関する研究では「恒星の大部分は気体からなる」といった恒星の内部構造に関する発見をしており、彼の著書『恒星内部構造論(The Internal Constitution of the Stars)』は現在でもこの分野のみならず、天文学全体における古典的名著として知られています。
彼が1920年代に導き出した「恒星が到達できる最大の明るさ」をあらわす「エディントン限界」は彼の代表的な仕事の一つです。
また、彼は1916年にアインシュタインが「一般相対性理論」を発表するとその先進性を一目で見抜き、当時この理論があまり評価されなかった英語圏において、自らの研究・実験を通して一般相対性理論の意義深さを啓蒙していきました。
特に有名なのが1919年に起こった皆既日食を通して、一般相対性理論の「光は太陽の重力によって曲げられる」という予測を実証したことで、これらの発見は著書『空間・時間・重力(Space, Time and Gravitation)』を通して世界に伝えられました。
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現在でも彼の名前は月のクレーター「エディントン」に残っているほか、イギリス王立天文学会によって彼の業績を称えた「エディントンメダル」という賞が創設されており、1953年の第1回にはハッブル‐ルメートルの法則を発見したベルギーのジョルジュ・ルメートルが選出されています。
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