"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1882年のこの日、超伝導(超電導) に関する研究で名高い、ドイツの物理学者ウォルター・マイスナー(Fritz Walther Meissner, 1882-1974)が誕生しました。
ベルリンに生まれたマイスナーは、地元のベルリン大学で物理学と機械工学を学びました。彼は主に低温物理学の研究に従事し、1934年にはミュンヘン工科大学の教授職に就任しています。
さて、マイスナーの業績として現在最も知られているのは低温物理学の中でも特に「超伝導」と呼ばれる分野における、自身の名を冠した「マイスナー効果」の発見です。
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超伝導とは1911年にオランダのカメルリング・オネスによって発見された現象で、金属などが臨界温度以下に冷やされると電気抵抗がゼロになる現象です。オネスは最初この現象を水銀で発見し、それによって1913年のノーベル物理学賞を受賞しています。
マイスナー効果とは「超伝導体に磁場を作用させたとき、臨界値以下の低磁場では、磁力線は超伝導体内部には入れずに、内部は磁束密度0の完全反磁性状態になる」という現象です。
そのように言われてもイマイチピンとこないかもしれませんが、わかりやすく言うと、「超伝導状態の物質(超伝導体)に外から磁界を加えると、その物質はN極およびS極どちらの磁石とも反発し合う」という性質となります。
この現象はよく超伝導を説明する際のデモンストレーションとして使用されます。
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マイスナー効果は超伝導における「電気の完全伝導性」以外の性質であり、超伝導が発見されてから同分野における最初の大発見であるとされています。
このような性質から、現在は超伝導をリニアなどの乗り物へと応用する研究が盛んに行われています。最近では地球上に限らず、宇宙空間を飛ぶ観測機器を動かすために超伝導を利用する試みもあるようです。