"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
人工言語「エスペラント」の父、誕生
1859年のこの日、人工言語・エスペラント語の制作者として知られるポーランドの眼科医ルドヴィコ・ザメンホフ(Lazaro Ludoviko Zamenhof, 1859-1917) が誕生しました。
当時はロシア領であったビアウィストクでユダヤ人として生まれたザメンホフは、民族間や国家間の対立を身近に感じながら育ち、その中で「全世界で共通して使用できる言語」の存在を望み始めます。
そして、1887年に世界的な補助言語を目指して開発した人工言語を著書『国際語』(最初の本はロシア語)の中で発表しました。その人工言語には、彼がその本の著者名として用いた「望みを持つもの」という意味の「Esperanto」という名称が与えられました。
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ザメンホフがエスペラントを創始して以降、徐々にエスペラント学習者は世界中で増えていき、日本では「言文一致運動」の強烈な推進者である二葉亭四迷や旧5000円札の肖像として知られる新渡戸稲造などがこの言語を学びました。
科学史に関するところでは、大石和三郎(おおいし・わさぶろう)という気象学者が自身の観測結果をもとに「ジェット気流」を発見、そのことを論文にまとめましたが、その論文がエスペラントで書かれていたためにその業績が周知されなかったというエピソードもあります。