硬貨でちょうど払えない金額を考える「フロベニウスの問題」とは?
新幹線の座席から硬貨の組み合わせまで新幹線の座席に潜む数学
子供の頃に初めて新幹線に乗ったとき、新幹線の座席にわずかな違和感を持った記憶があります。その違和感とは、「なぜ座席が左右対称の配置ではないのか?」ということ。
ほとんどの新幹線は2人席と3人席が通路をはさむ形で分かれています。このような座席配置になっているのは、新幹線の車体の大きさの制限によるものではあるものの、実は数学的に見ると結果的に便利な構造になっているのです。
どういうことかというと、この「2人席、通路、3人席」の配置によって、「乗客のグループがどのような人数であっても、隣接した座席には知人のみが座る状態をつくることが可能になる」からです。
一般的に快適な旅行をするためには、できれば隣には同行者が座っていることが望ましいはずです。たとえば2人で旅行するために座席を予約する際は、最低でも2人席に隣り合うように予約したいですよね。もちろん、あまり利用者がいない時期や時間帯の場合は、3人席のうち両端の2つの席を予約し、真ん中の1席は空席にする、という手もありますが、その後万がいち予約が埋まってきて、空席にしたかった1席が埋まってしまうことはあり得るので、その時は少し気まずいものがあります。とにもかくにも、グループが2人の場合は2人席に座ることで、「隣の座席には知人のみが座っている状態をつくる」ことができるわけです。
同様に、3人のグループで旅行する場合は、3人ともが隣り合った3人席を予約することができます。次に4人グループの場合は2人席を2つ予約、そして5人の場合は2人席と3人席を1つずつ予約すれば良いことがわかります。このように考えていくと、「あらゆる人数のグループに対しても、隣の座席には知人のみが座る状態をつくることができる」ことが見えてきます。ただし「あらゆる」と書きましたが、今回の場合1人の場合は除外しています。
さて、これをもう少し数学的に考えてみましょう。2人席をn席予約するとし、3人席をm席予約するとします。これで、k人分の席を予約するとしたら、以下の式が作れます。
2n+3m=k (n,mは0以上の整数)