数学のなかに「不思議」は尽きません。なかでも、「パラドックス」とよばれる分野には直感を裏切るという独特の面白さがあります。
ぱっと見では混乱するかもしれませんが、考え方次第でスーっと理解することができますので、今回は有名な例をとりあげつつ、解説を加えていきましょう。
ぱっと見では混乱するかもしれませんが、考え方次第でスーっと理解することができますので、今回は有名な例をとりあげつつ、解説を加えていきましょう。
【雑学37】米テレビ番組から生まれた「モンティ・ホール問題」
確率の問題で、直感から反するパラドックスといえばこの話は取り上げておくべきでしょう。
アメリカの名司会者、モンティ・ホールがテレビ番組『Let's make a deal』で、このようなルールのゲームを紹介しました。
プレイヤーの前に閉じた3つのドアがあります。
1つのドアの後ろには当たりである「新車」が、2つのドアの後ろには、はずれである「ヤギ」が用意されています。当たりを選べれば「新車」が手に入ります。
まず、プレイヤーが1つのドアを選択した後、司会のモンティが残りのドアのうち、ヤギがいるドアを1つ開けます。つまり、3つのドアは
・プレイヤーが選択したドア
・司会者が開けた「ヤギ」がいるドア
・残っている開けられていないドア
という状態になります。
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ここでプレーヤーは、以下の2択のどちらかを選びます。
・最初に選択したドアをそのまま選ぶ
・残っている開けられていないドアを選びなおす
あなたはどちらを選びますか。もしくは、どちらを選んだほうが「新車」が当たりやすいと考えますか。
実はこの問題、どちらを選んだほうが当たりやすいのか、という議論が長くなされることになりました。
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そして、この話を初めて聞いた人は、どちらが当たりやすいかぱっと聞いてはわからないのではないでしょうか。筆者自身もすぐにはわからず、「もしかして同じ確率なのでは」とも考えたこともありました。