メジャー選手以上に稼ぐプログラマーの条件とは?
最近、AI時代の子どもの教育、受験対策、人材育成についてインタビュー取材を受けたり、講演依頼が来たりすることが多い。週に一度のペースで取材が入り、週に一度のペースで新幹線か飛行機に乗って地方での講演会に出かけている。
なぜ、竹内薫にそのような依頼が来るのか、不思議に思っていたが、あるときインタビュアーが教えてくれた。
「みんな未来社会がどうなるか、不安で不安でしょうがないんです。いま起きている第四次産業革命は、ようするに科学技術革命ですよね? だとしたら、長年、科学応援団として科学者たちと触れ合ってきて、一般読者・視聴者に科学技術を伝えてきた竹内さんに未来予測を聞こうと思うのは、あたりまえじゃないですか。
あともう一つ、竹内さんは、ご自身の未来予測を元に、実際に小学校レベルの先進教育をおこなうフリースクールを立ち上げていますよね。それも、娘さんの将来を危惧してとのこと。みんな、机上の空論やきれいごとを聞きたいわけじゃないんです。生き残りの具体策が知りたいんですよ」
うーん、ちょっと照れくさい気もするが、いつの間にか私は、科学の伝道師から、第四次産業革命、AI革命後の社会のサバイバル技術を説く伝道師になっていたのですね。
さて、激変する未来社会のキーワードの一つが「数学・プログラミング」である。あえてプログラミングではなく「数学」がついているのには深い訳がある。
いまでも、高等数学をプログラミングで「表現」ができるプログラマーは給料がべらぼうに高い。いわゆるクリエイティブなプログラマーである。そういう人々の年俸は、大リーグのスター選手より高い。
逆に、数学ができないと、同じプログラマーという職種でも、下働きに回されてしまい、生き残りが大変だったりする。
義務教育化を待つのは時間のムダ
当然のことながら、私も自分が主宰するフリースクールでいちばん重視しているのが数学で、次がプログラミング技能なのだ。
あまり話が広がっても困るので、今回は「プログラミング」に特化して、夏休みに何をすればいいのかを具体的に書いてみたい。
まず、読者が小中高に通うお子さんやお孫さんをお持ちで、その子の将来を心配しているとしたら、この夏から迷わずプログラミング教育を始めるべきだと思う。文科省は2020年からプログラミングを義務教育に組み込む予定だが、あと2年待つ理由は何もない。
なぜなら、これは日本だけの問題ではないからだ。世界の多くの国々では、とっくの昔にプログラミングの濃密な授業が始まっている。いまの日本の教育界は「鎖国」状態で、世界の趨勢から完全に遅れている。
で、具体的にどうやって小中高のお子さんがプログラミングを始めるかであるが、いきなり、インターネットで無料のプログラミング言語を使って遊び始めるのがいちばんだ。