「英語を学ぶ必然性はほぼない」新時代の外国語教育とは? 英語が苦手な教師でもできる英語教育

AI翻訳をさらに使いこなすちょこっとスキル

ここまでお読みいただければ、少なくともAI翻訳を「チートツール(ズルをするための道具)」だなんて認識は跡形もなく消えているのではないかと期待します。

AI翻訳は、例えるなら洗濯機。昔ながらの洗濯板でも洗濯することはもちろん可能ですが、そこに特別な意義を見出している人でもない限り、洗濯機に重労働を任せて、その分の時間を他のことに使った方が有意義です。AI翻訳を「知的生産ツール」として積極的に活用していきましょう。

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AI翻訳を使って英語の準備をしたり、学習したりすることが否定されるなら、Excelや電卓で計算することも、車や飛行機を使って遠距離移動することも否定されなければおかしいはずです。

ここでAI翻訳を使う際のポイントを一つ。

それは、「逆翻訳(翻訳結果を元言語に訳し戻すこと)」です。

最初の翻訳結果が本当に適切な訳であるかを検証できます。

逆翻訳した結果が、最初に入力した原文と同じか、多少文言が違っても同じ意味であれば、最初の翻訳は正しかったと判断できます。逆翻訳をしたら原文と違う文に訳し戻されたとすれば、最初の翻訳結果に誤訳が含まれている可能性が高いと判断できます。

その時は、入力する原文の方を調整してみてください。大抵の場合、日本語の原文に主語が省略されていたり、目的語が曖昧だったりすることが原因なので、適宜補えば良いです。

英語への翻訳なら、逆翻訳しなくても誤訳か否か判断できるかもしれませんが、これが全く知らない言語の場合、判断はまず不可能です。逆翻訳を身につけておくと、誤訳されるのを最小限に食い止めることができます。