2024.07.06

「韓国人の発症率はトップクラス」「日本人はなぜかアメリカ人より発症率が高い」…「大腸がん」に関する「驚くべき事実」

日本人には、日本人のための病気予防法がある! 同じ人間でも外見や言語が違うように、人種によって「体質」も異なります。そして、体質が違えば、病気のなりやすさや発症のしかたも変わることがわかってきています。欧米人と同じ健康法を取り入れても意味がなく、むしろ逆効果ということさえあるのです。見落とされがちだった「体の人種差」の視点から、日本人が病気にならないための方法を徹底解説!

*本記事は『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 科学的事実が教える正しいがん・生活習慣病予防』(講談社ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。

肉の摂取量だけでは決まらない

では、食物繊維が少なく、脂肪と蛋白質が多い食事は本当に大腸がんを招くのでしょうか? 食物繊維の摂取不足は、以前から大腸がんの発生を促すと考えられており、日本でも約10万人を対象に大規模な調査がおこなわれました。この調査では、食物繊維の摂取量をもとに参加者を5つのグループに分けたうえで、その後の10年間に大腸がんを発症した人の割合を比較しました。

ところが食物繊維を多く取っても、大腸がんの発症率が下がる傾向は認められなかったのです。ただし、食物繊維の摂取量が最も少ない女性のグループを、さらに3段階に分けて分析し直したところ、摂取量が本当に少ないグループは、女性全体のなかで最も摂取量が多いグループとくらべて大腸がんに2倍以上なりやすいことがわかりました。

この結果が示しているのは、食物繊維の摂取量が非常に少ない人をのぞくと、大部分の日本人は大腸がんを予防できるだけの食物繊維を摂取できていて、それ以上取っても効果は変わらないということです。

もう一つ、大腸がん発症との関連が疑われているのが、脂肪と蛋白質を多く含む食品、具体的には肉の摂取です。第7章で見たように肉の蛋白質は発がん性物質の材料になると考えられていますが、脂肪も負けてはいません。

図8-3に示したように、脂肪を摂取すると、肝臓から胆汁という消化液が分泌されて脂肪を分解しやすくします。

役目を終えた胆汁は大部分が小腸から吸収されますが、脂肪をたくさん摂取すると胆汁も大量に分泌され、こうなると小腸で吸収しきれずに、一部が大腸まで流れ込みます。米国人は、平均的な日本人の3倍も胆汁を分泌するという報告があるほどです。

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