「100年に一度」の渋谷再開発に潜むリスク…”1400億円”投資の先に東急が追い求める「夢物語」

今や世界中から富裕層がこぞって訪れる冬の高級リゾート地となった北海道ニセコ。どうやってニセコはインバウンドをものにしたのか。海外の富裕層を取り込む外国資本の戦略、日本の観光に足りていないものとは何なのか。ニセコの成功の背景を、リゾート地・富裕層ビジネス・不動産投資の知見をもつ筆者が、これらの謎をひも解く。

『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(高橋克英著)より抜粋してお届けする。

『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』連載第24回

「1泊20万円越え…」北海道の主要空港の経営権を握る東急不動産が手がける「豪華列車旅行」の衝撃的な内容』より続く

東急のニセコ回帰はあるのか?

外資主導の開発が続く中、地元自治体や住民などからの、ニセコ興隆の基盤をつくった功労者である東急グループへの期待は高い。部外者ながら筆者もその一人だ。一方で、東急グループ全体の事業戦略を俯瞰した場合、ニセコにだけ集中投資するのは難しいのかもしれない。むしろ、事業の選択と集中という観点から、ニセコから完全に撤退するというシナリオもゼロではないだろう。

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