昨年末に第三子を出産したばかりの福田萌さん。数年前にシンガポールに移住し、10歳の女の子と8歳の男の子、夫の中田敦彦さんと暮らしている。今回は7年ぶりの出産について、出産後の日々のメモをもとに、赤裸々な気持ちや家族の様子などを詳細に振り返っていただいた。

出産後、ハイテンションで一睡もできなかった当日の様子などをお伝えした前編『福田萌、「第三子出産」の赤裸々エピソード…長女にも長男にも似ず、敦彦に似てました』に続き、後編では、手術した傷や子宮収縮の痛みを感じるようになり、ついには夫との言い合いも勃発したという出産3日後からの様子をお伝えする。

タレントとしての仕事をしながら、母親同士がつながるサロンを提案したり、防災士の資格をとったり……一人の母として、女性として、妻として、仕事人として、感じたことを福田さん自身の言葉で綴ってきたこの連載が書籍化され『「中田敦彦の妻」になってわかった、自分らしい生き方』として刊行。「妻に合わせる気が全くない“ジェット機型走者”」の夫・中田敦彦さんとの激動の人生、ジェットコースターのような毎日がまとめられていて、大きな話題を呼んだ。『「中田敦彦の妻」になってわかった、自分らしい生き方』福田萌/講談社
福田さんの連載が1冊にまとまった
「中田敦彦の妻」になってわかった、自分らしい生き方』絶賛発売中!

ホルモンバランスが崩れ、夫と言い合いに

【出産2日後】(続き)

夫と些細なことで言い合いになった。
「君は2017年(長男の産後)の時に僕を責め立てた時と同じ動きをしている」
長女を出産直後、夫が私に「ついに本性を表したな」と言い放った出来事があった。そのときと同じ状態になっているらしい。だが、産後の私は、私であって、私ではない。女性ホルモンのバランスが崩れた時に“女ホル女王”に支配され、不安定になった時の私である。

マリオの“スター効果”を失った私に、女ホル女王は容赦なく襲いかかってくる。しかも3時間おきの授乳ミッションを私に課してくるのだ。今日は痛み止めの座薬効果が切れる午前1:30にめざましをかけて起きた。手術の跡と子宮収縮しているお腹が痛すぎる。痛みを減らすには時間きっちりに座薬を投入する。

私はまだ授乳体制が万全ではないため、さく乳機で胸をマッサージして授乳できる状態にしなければならない。まだ胸工場は開いてない。3時間おきにめざましをかけ起き出す。痛みにもだえながら髪を振り乱し、さく乳に取り組む私はヤマンバみたいである。私のようにさく乳する者も、直接赤ちゃんに授乳をする者も、ミルクを調乳してあげる者も、この授乳のミッションはみな3時間おきと平等なのだ。睡眠不足によりヤマンバ化してく女性たちの体力気力を削いでいく仕組みだ。

 
 

これまではなんともなかったアルコール綿が滲みて私が悶絶していたとき、女ホル女王の存在を感じた。私の中にいる女王よ、そこにおいでですね。お目覚めですか?と。女王は私を睨みつけている。そしてこの口を借りて夫を罵り、夫の落ち度を責め立てる。ヤマンバのようにみすぼらしく体力を削がれていく私自身と、私を支配しようとする女ホル女王との戦いの幕開けである。次の戦いは4:30。私は抵抗することなく、なすすべなくめざましをかける。なにしろ3時間おきなのだ(ちなみに、ずっと浅い眠りが続いていましたが、この晩は痛い痛いと気絶するかのようにあっさり眠ました。いいのか悪いのか……)。

出産から1ヶ月以上経ち、今となっては忘れてしまった産後の痛みですが、この日のメモにはとにかく「痛い、痛い」と書いてあって、背中の麻酔(硬膜外麻酔)が外れて産後の痛みと向き合っていた様子です。さらに、産後のホルモンバランスの崩れから精神的にも不安定になり、そこに夫とのバトル……と踏んだり蹴ったりの状態でした。今では何でバトっていたかも覚えていないくらいですが、とても些細なことだった気がします。その後すぐ夫から「産後で大変なのにごめん」と謝罪を受けました。

抱っこ紐で抱っこ。写真/著者提供