発想をちょっと変えれば、こんな発見があるのか!
大人気「数学のお兄さん」こと横山明日希さんの最新刊『はまると深い! 数学クイズ』から、ヒラメキ勝負の「クイズ」に挑戦!
日常に隠された意外な数学の面白さから、古代からの難問まで。
今回のテーマは、「フェルミ推定」です。
それでは頭の柔軟体操で「数学センス」を磨きましょう。
<数学クイズ>
日本にコンビニはいくつあるのか?
「およその数」をもとめるには?
突然ですが、「99×99」はいくつでしょうか。
計算が得意な方は、暗算で答えにたどり着けるかもしれませんが、そうでない方は筆算で紙に書いて答えを求めるでしょう。
では、質問を変えて、「99×99はおよそいくつでしょうか」ならばいくつと答えますか。
「およそ10000くらい」と答える方がもっとも多いはずです。
つまり、99を100として、100×100をして「およその数」を求める方法です。
99×99=9801なので、その差は199だけ、割合でいうと10000÷9801≒1.02と約2%の違いとなります。正確な値まで求める場合はこの答えは不正解となりますが、日常のさまざまな場面でこの精度で十分となることは多くあります。
算数や数学の単元でも「およその数」や「概算」として存在するこの手法ですが、さらにこの手法を日常および特にビジネスシーンで応用する発想が「フェルミ推定」と呼ばれるものです。
ちなみに「フェルミ推定」の由来はノーベル物理学賞を受賞した物理学者エンリコ・フェルミに由来します。
フェルミは以下で紹介する計算を得意としていたそうです。
フェルミ推定とは「いくつかの情報をもとに論理的に数量を推定する手法」のことで、その求めたい量が直接調べることができないもののときによく活躍します。フェルミ推定自体は数学の分野というわけではありませんが、欧米では思考力を身に着けるために学校の授業で扱われることもあり、答えにたどり着くためには数学の知識を要するものです。
それでは、この考え方をもとに「日本のコンビニの数」をざっくり計算してみましょう。