話題になった頃に買ったものの、読むタイミングを逃し続けていた本である。先日Netflixで映画化作品の一部を見掛け、読んでみようという気になった。厚めの本であるが、読み始めるとぐんぐん吸い込まれるようにページが進んだ。 帯に書かれた販促用の文言は秀逸である。「この少女を、生きてください」。小細工なしの直球勝負、必要なのは時間と集中力だけである。付け加えるなら、少しの愛情があれば良い。しかし本当のことを言えば、後ろの二つは不要である。読み始めれば没頭せずにはいられないし、この湿地の少女を愛さずにはいられないのだから。 粗筋 ノース・カロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に…