7.5 19:00

明治安田J1 第22節 vs. ヴィッセル神戸
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試合終了

サンフレッチェ広島 広島
1
3
ヴィッセル神戸 神戸
1
前半
1
0
後半
2
  • 前半11分
    大迫勇也
  • 後半7分
    広瀬陸斗
  • 後半26分
    山口

試合の見どころ

 勝負の夏が始まる。リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯と3つの大会が入った6月の9連戦は6勝2分1敗。中3日や2日で試合が続いていたかなりの過密日程だったが、カップ戦はどちらも勝ち残り、リーグ戦でも2位・鹿島と勝点差4の7位につけているのは決して悪くない数字だ。首位・町田とは勝点差9とやや離れてしまったが、残り17試合もあれば何が起こるか分からない。暑さがどんどん増してくる7月も一戦必勝態勢で乗り切りたいところだ。
 その7月一発目の戦いとなる今節、上位を捉える絶好の機会となる。ホームに迎える相手はJ1屈指のタレント軍団であり、昨季の王者・神戸。今季ここまで11勝4分6敗の4位につけているが、広島との勝点差はわずか『3』と射程内だ。さらに得失点差で神戸を上回っているサンフレッチェは勝利することができれば順位が逆転する。今後のリーグの行方を占う意味でも、勢いをつける上でも、まさに広島にとって重要なゲームだ。
 勝利のカギはどちらの攻撃力が上回るかだろう。昨季のリーグMVPである大迫勇也、武藤嘉紀、佐々木大樹、ジェアン・パトリッキ、山口蛍など、中盤から前線にかけて錚々たる顔ぶれが揃う神戸は、高い攻撃力に加えて守備力も秀でており、失点数はリーグ最少だ。反対にリーグトップの得点力を誇る広島が今季唯一無得点で終わったのも前回の神戸戦だった。その時も互いのストロングである素早い攻守の切り替えや激しい球際のバトルが各地で繰り広げられる“肉弾戦”となり、結果はスコアレスドロー。今節も至るところで1対1のバチバチの戦いが起こることは間違いなく、その上でどちらが勝ち切るかだろう。
 今節に向け、約1カ月ぶりに1週間の準備期間があった広島は、安芸高田市サッカー公園でじっくりとトレーニングに励むことができたのは大きい。ミーティングを含めて自分たちに向き合い、戦い方を整理することができた。直近のリーグ戦3試合は負けていない(1勝2分)とは言え、2戦連続ドローと勝てていないのも事実だ。特に直近の2試合で許している先制点を神戸にも与えてしまえば、より戦いは難しくなってくる。“堅守”はやはり広島に欠かせない大きな要素。強力・神戸攻撃陣を何とか封じ込み、勝利のゴールをこじ開けたいところだ。

監督 試合前日コメント

──明日も暑くなりそうです。
「夏が来ましたね。金曜日の夜もスタジアムは満員で、全員がモチベーション高くできると思います」

──神戸は堅守ですが、あの強度の高い守備を崩すには?
「どんな状況でも自分たちのやれるベストを尽くすこと。それはCKだろうが、カウンターだろうが、FKだろうが、どういう状況だろうとベストのパフォーマンスを見せることが大事になります。いずれにしても、神戸は日本で一番強いチームだと思っています」

──神戸はタレントが揃っているなかで一番注意しなければいけない選手は?
「全部です。相手は強いですし、アジアでもトップレベルのクラブを相手にする時は全部気を付けなければなりません。全員が良い選手ですが、そのなかでも大迫(勇也)と武藤(嘉紀)はJリーグのなかでもズバ抜けたFWだと思っています。もちろん、その周りも良い選手たちばかりです」

──拮抗した戦いが予想されるなか、暑さもあるなかで後半の選手投入もポイントになりそうです。
「そのとおりだと思います。もちろん、コンディション面でも苦しいなかで戦わないといけないですし、穴が開いているポジションもあります。全員が良い準備をしてやっていかないといけません」

ゲームレポート

「緊張感のある面白い試合になると思う」。王者・神戸戦を前にそうミヒャエル・スキッベ監督が話していたように、試合は序盤からゴール前の攻防が多く見られる熱戦となった。開始早々に神戸の絶対的ストライカー・大迫勇也にヒヤリとする股抜きシュートを打たれたのを皮切りに、広島も大橋祐紀のアーリークロスから東俊希がヘディングシュートを放って応戦。どちらも果敢にゴール前へと進出するスピーディーな内容の中、広島は先手を取られてしまった。11分、中央での大迫勇也の起点から自陣左サイドで武藤嘉紀にボールを持たれると、クロスを大迫勇也に頭で合わせられて失点。早くも追いかける展開となってしまった。
 だが、広島もすぐに反撃を開始。最終ラインからしっかりとボールを繋いで好機をうかがうと、迎えた17分だった。敵陣左サイドでピエロスが起点となって東へボールが渡ると、正確な左足クロスに頭で合わせたのは逆サイドの新井直人。フワリとした軌道のシュートがゴールに吸い込まれ、早い時間帯で同点に追い付くことに成功した。
 そこから次第に主導権を握ったのは広島だった。大迫勇也、武藤ら強力なアタッカー陣に対して粘り強く守ってリズムを掴むと、攻撃では敵陣地でのプレー時間を増やしていく。34分、左サイドを攻略した加藤陸次樹のクロスからピエロスが頭で合わせれば、37分に加藤、38分に満田誠が積極的にミドルレンジからゴールを狙うなど、良いリズムで前半を終えた。
「本当に良いサッカーができている。後半はもっと自信を持ってボールを動かそう」
 ハーフタイム、スキッベ監督からそう声をかけられて臨んだ後半も広島はアグレッシブな試合の入りを見せた。前線からの守備を起点に相手を押し込んでサッカーを展開し、新井らが果敢にシュートを放っていく。ただし、神戸にはやはり一発があった。広島が良いリズムで進めながらも一瞬の隙から与えたCK、一度はクリアしながらも2次攻撃から最後は広瀬陸斗に詰められて再びリードを許してしまった。これで神戸に流れを持って行かれると、71分には神戸のロングカウンターから最後は山口蛍に決められて1-3。広島にとって手痛いビハインドとなった。
 その後はドウグラス・ヴィエイラ、エゼキエウ、中島洋太朗と一気に3枚替えを敢行して点を取りに行った広島だったが、リーグ最少失点を誇る神戸の守備はやはり堅く、ゴールは奪えず。勝てば4位・神戸と勝点差で並べた広島だったが、逆に勝点差が『6』に開く悔しい敗戦となった。

監督 試合後コメント

「まずはヴィッセル神戸の勝利、おめでとうございます。特に後半は彼らの速いカウンターなど良さが出ていたと思います。我々も前に向かっていく姿勢などは非常に満足していますし、大きなチャンス、可能性があるところまではいけたと思っています。後半の入りも素晴らしかったと思いますが、アンラッキーなCK、それから失点をしてしまいました。ただ、自分たちのパフォーマンスには満足しています。神戸というトップレベルのチーム相手に魅力的な攻撃ができました。もう少し運があれば勝てたかもしれませんが、今日は神戸が素晴らしかったと思います」

──後半途中から出場して負傷退場したエゼキエウ選手の状態について。
「まだ詳しいことは分かりませんが、筋肉系のケガだと思います。できることなら早く帰ってきてほしいですが、夏の中断明けぐらいになると思っています」

──「いけるぞ」という時間帯で得点を許し、苦しくなってしまった印象ですが、1、2点目の失点について。
「1失点目は神戸が素晴らしかったと思います。素晴らしいクロスから素晴らしいヘディングシュートでした。2失点目は本当にアンラッキーだと思います。CKにしてしまったのもアンラッキーでしたし、その後も一度ピエロス(・ソティリウ)がクリアしたけれでも拾われて失点しました。神戸にとってはラッキーな2点目だったのではないでしょうか。サッカーなので、こういうこともあると思っています」

──来週水曜日に天皇杯があり、週末に福岡戦があります。このままのメンバーで行くのか、違う編成でいくのか。今、現在の考えはどうでしょうか?
「勝つためにやります」

──以前、中盤と最終ラインの補強が必要だと話していましたが、今日は特に中盤が難しい印象でした。補強以外で今の中盤についてどう考えていますか?
「中盤の選手やCBがいない状況は、守備を安定させるのが難しい状況にあります。希望と言えば、(荒木)隼人が次の週には戻ってこれるかもしれない状況にある。そうなった時にはもう少し面白いDFのオプションができると思います」

フォト

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