開発者

ビルディングブロックで自動化を構築

ベータテストを終えた次世代プラットフォームが、いよいよ全開発者向けに展開

執筆者 : Taylor Singletary, Head of Developer Relations2024年6月20日

自動化や連携性にすぐれた Slack の次世代プラットフォームが、開発者向けのベータテストを完了し、今後 2 週間ですべてのチームへと順次展開されます。コミュニティの皆さんとともに行った約 3 年間にわたる実験や開発、テストを経て完成したプラットフォームを、いよいよお披露目する時がきました。このプラットフォームの主な特徴は、以下のとおりです。

  • 新しいモジュラーアーキテクチャ : ファンクション、トリガー、ワークフローといったビルディングブロックを基礎としたアーキテクチャにより、組み替えや再利用が可能で、Slack 内外のさまざまな要素と関連づけることができます。
  • より高速で直感的な開発体験 : Slack CLI や TypeScript SDK といった新しいツールも加わって、Slack での構築の際に手間のかかっていた部分を、よりシンプルかつ明確に処理できるようになります。
  • セキュアな開発、データストレージ、認証 : Slack が管理するサーバーレスインフラストラクチャによって安全性を確保。Deno ベースの高速な TypeScript ランタイムにより、ユーザーとコーディングに集中して開発を行えます。
  • 柔軟なユーザーエクスペリエンス : 構築した成果を Slack 内のあらゆる場所で簡単に共有可能。リンクトリガーを追加することで、メッセージ内での共有、関連ページへの追加、canvas への配置など、ワークフローをさまざまな場所に展開できます。

Slack のようなプラットフォームを構築して、維持し、進化させるためには、開発者や管理者、ユーザーの皆さまの意見に耳を傾けることが欠かせません。導入初日からエンタープライズグレードのクオリティが求められ、新たにリリースされる Slack の機能すべてに対応する必要のあるカスタムインテグレーションの構築では、とくに皆さまからの声が重要になります。

私たちは、ワークフロービルダーで業務を自動化したユーザー企業の成功を目の当たりにしたことで、それを開発者向けにさらに拡張可能にし、自動化の力をより多くの人々に届ける必要があると考えるようになりました。そして皆さまからの意見を反映して、あらゆる決定を注意深く行ったことで、今に至るまでの進歩が実現したのです。

このプラットフォームがほかと違うのは、オプションとサポートが非常に充実している点です。開発をスムーズに行え、拡張性もあるため、当社のサポート体制を Slack 内に直接組み入れる新たな方法として役立ちました。

WorkivaSaaS Operations EngineerTyler Beckett 氏

今後の展開は?

私個人としても、新しいプラットフォームを今後皆さんがどのように活用してくださるか、非常に楽しみにしています。

ワークフロービルダーはまもなく、Slack 内で自動化を進め、日常的に使うツールを直接連携できる、さらにパワーアップしたノーコードツールになる予定です。ユーザーがトリガーや入出力を、自身がよく使うソフトウェアのファンクションと新しい方法で組み合わせられるようになることで、開発者の皆さんが作成したファンクションやワークフローが再構築・再利用される可能性が無限に広がるでしょう。

ワークフロービルダーとカスタムファンクション

 

また、このプラットフォームは、ワークフローを現在はもちろん、将来の Slack 環境にも自動的に拡張できるように設計されています。新しく導入される機能にファンクションやワークフローを確実に対応させる仕事は私たちに任せて、皆さんはビジネスロジックの構築に集中していただけます。

例えば、canvas は、テキストやファイル、リンクなどの重要な情報を 1 つのビューで作成、整理、共有できる、新しい永続的なスペースです。ここにもすぐにワークフローを埋め込めるようになり、ユーザーが関連情報の中からワークフローを簡単に見つけて使用できるようになります。例えば、新人研修用の canvas に、IT 関連のリクエストのワークフローを追加する、といった使い方ができるでしょう。

料金プランについてお伝えしたいこと

Slack プラットフォームにおける今回の変更は、カスタムファンクションの再利用や Slack が管理するインフラストラクチャでのアプリの実行といった新機能を通じて、皆さまの開発をシンプルにし、合理化することを目的としています。その価値を反映させるために、Slack の次世代プラットフォームでは、以下のような有料コンポーネントを設けています。

  • ワークフローの種類による違い : 特定の高度な機能を使用して構築されたワークフローに対して、追加料金が適用されます。
  • 利用量に応じた課金 : 料金は、ワークスペース内でプレミアムワークフローが実行された回数によって決まります。組織によって状況が異なることを念頭に、ニーズの変化に応じてお客さまが使用規模を柔軟に増減しやすい仕組みにしています。
  • 効果を試すための無料実行回数を用意 : すべての Slack の有料プランに、プレミアムワークフローを無料で実行できる回数が割り当てられています。これによりコストをかけることなく、その価値を確認していただけます。

なお、プレミアムワークフローを十分にお試しいただけるよう、4 月 24 日から 10 月 31 日まで、6 か月間のプロモーション期間を設けています。この期間中は、どのプレミアムワークフローの実行にも料金はかかりません。料金について、詳しくはこちらをご覧ください。

皆さまに感謝!

これまでに業務の自動化に Slack をご利用いただいたことのある方、Webhook を使用している方や、数百種類の RPC メソッドを知るスラッシュコマンド使いの方、Block Kit マニュアルを完全制覇した方……すべての皆さまに感謝をお伝えしたいと思います。また、ご意見やご感想(特に私たちにとって耳が痛いけれど重要な指摘)を寄せていただいた皆さまにも、心からお礼を申し上げます。

さらに、TypeScript や Deno に関してご協力いただいた日本の開発者コミュニティの皆さまをはじめ、問題の解決やプラットフォームの向上にともに取り組んでいただいたすべての人に、感謝いたします。

最後に、自らの組織においてインテグレーションの新たなパラダイムへの道筋を築いてくださった、すべての Slack 管理者の皆さまに感謝をお伝えします。私たちは管理者の皆さまのことを常に念頭に置いて、この新しい自動化プラットフォームを開発しました。

構築を始めましょう

さっそく新しい環境を利用してみましょうドキュメントはこちらから参照いただけます。こちらのチュートリアルやサンプルもヒントになるでしょう。Slack Community の会話にもぜひご参加ください。このプラットフォームの活用をさらに進化させる、新しいワークフロービルダーの登場もお楽しみに。

このプラットフォームでどのようなものが構築されていくか、楽しみにしています!

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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