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小学生が数学の難問を…「勉強する意味」を大人になって知った編集者が仰天した「こどもの可能性」
2024.07.10

こどもコンテストに込めた思い 後編

小学生が数学の難問を…「勉強する意味」を大人になって知った編集者が仰天した「こどもの可能性」

子どもの絶対数は減少しているが、中学受験をしている子どもの数が増加している。
ただし、子どもの教育・学びは受験がすべてでは一切ないし、受験しない=学ばないとか、小学受験や中学受験をしないから学びはどうでもいい、ということでもまったくない。ではこどもたちがのびのびワクワクできる学びの場とは何だろう。

小学生の頃、大手中学受験塾に通わせられながら脱落した編集者が、「もっと勉強すればよかった」と心から思い、2022年から始めたプロジェクトで「学ぶ」ことの意味をさらに知った。前編では、勉強する意味を社会人になって知ったその過程をお伝えした。後編では社会人になってから教養の足りなさを感じる日々の中、「面白い学びの場」に直面したことからお伝えする。

「学ぶ」ことは楽しいと知る現場を見る

大手中学受験塾では受験をしたいとも思わずに勉強しなかった日々。大学受験のためには必死で勉強したが、それも「受験のための勉強」で、自分の「学び」にはなっていなかった。それにより、社会人になっても絶対的な教養の足りなさを感じる日々。「知らない」ことで騙されたこともあった。

そうして「自分が学んでこなかったツケ」を払いまくってきた社会人人生ではあるが、取材の過程で多くの素晴らしい「学ぶ現場」を目の当たりにした。たとえば、探究学舎の人気講師・森田太郎さん。ジャーナリストの島沢優子さんによる連載で出会った。初めて見学したのは元素を教える授業で、小学1年生から中学3年生までが一緒に学んでいて驚いた。それがエンタメとして最高に面白いのだ。帰宅するなり面白かったと私が熱く語っているのを聞いて、当時小学6年生だった息子が改めて探究学舎の元素クラスに申し込み、ハマったほどである。ちなみに2020年、この探求学舎の授業を機に、小学5年生のとき元素カルタを作り出したレウォン君については、島沢優子さんがレポートしている。

イモニイこと井本陽久さんの「教え方」にも驚愕した。イモニイは栄光学園の人気数学教師。栄光学園とは別に始めた「いもいも」という名の勉強の場を見に行く機会に恵まれたことがある(イモニイのことや教え方については、おおたとしまささんの著書『いま、ここで耀く。』に詳しい)。たとえば前日までに何時間もかけて作った(ということはおくびにも出さない)謎解きのようなパズルのような問題を配ると、それからイモニイはなにもしなかった。グループになった子どもたち、小学5年生から中学3年生までが知恵を絞ってそのパズルのような問題を解いていく。小学生の子どもがオリジナルの数学の問題を作ったと持ってきたこともあったが、その高レベルに舌をまいた。

みんな、自分の頭で考えている。そしてそれを強要しているのではなく、ワクワクできるような問題を何時間もかけてイモニイが作って、それをみんなワクワクしながら解いていた。ちなみにイモニイは2024年現在、栄光学園の非常勤講師をしながら「いもいも」を発展させ、桧原村で「森の学校」なども開催している。

スコラボの前田智大さんは、FRaUwebの連載でMITに進み「いたずら」が歓迎されていたことを書いている。

目を輝かせて学び、最高のパフォーマンスを見せる子どもたちの中には、中学受験をした子、公立校の子、必ずしも学校に通ってない子とそれぞれだった。つまり、進学校に行っている子が素晴らしいパフォーマンスを見せるとは限らなかった
ただ、素晴らしいと感じたどの「教育の現場」にも共通点があった。
信用できる大人が見守る中、自分の頭を使って学ぶ環境があるということ、そして子どもたちが考えを否定されないということだ。

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