映画『先生の白い嘘』ご鑑賞予定の皆様へ

本作には、性被害や暴力に関する描写がございます。
鑑賞されるお客様によっては、フラッシュバックを引き起こすことや
ショックを受けられることも予想されます。
予めご留意くださいますよう、お願い申し上げます。

TRAILER

60秒予告編

30秒予告編

本編冒頭映像

キャラクター紹介映像

主題歌コラボPV

INTRODUCTION

人の奥底に抱える醜さと美しさをエグる
2024年、最もセンセーショナルな映画が誕生

人の奥底に抱える醜さと 美しさをエグる 2024年、最もセンセーショナルな 映画が誕生

本作は、ひとりの女性が抱える「自らの性に対する矛盾した感情」や、男女間に存在する「性の格差」に向き合う姿を描くことで、人の根底にある醜さと美しさを映し出したヒューマンドラマだ。原作は、漫画の連載が開始されるや否や、その衝撃的な内容が口コミで広がり、累計部数 100 万部を突破した鳥飼茜の同名漫画。誰もが目を背けたくなるような歪んだ感情を、痛々しくもリアルに描き切った渾身の一作を禁断の実写映画化。

主人公である高校教師・原美鈴を演じるのは、枠にとらわれない確かな演技力でいま最も注目を集めている実力派女優の奈緒。男女の「性差」を「格差」として振りかざす男性に対して、真正面から対峙する難役に挑み、圧倒的な演技で新境地を魅せる。ジェンダーのタブーに触れる繊細なテーマでありながら、美鈴という役柄に真摯に向き合った奈緒の渾身の演技は必見。美鈴が担任するクラスの男子生徒・新妻祐希を演じるのは、人気グループHiHi Jetsのメンバー・猪狩蒼弥。映画初単独出演ながら、物語の鍵を握る重要な役に大抜擢。強烈なトラウマを抱えた高校生という難しい役を見事に演じ切った。美鈴の親友・渕野美奈子を演じるのは、数々の話題作で唯一無二の存在感を放つ三吉彩花。地味で控えめな美鈴とは正反対で、男性に依存しながらも見栄を張り、表面を取り繕う美奈子という役で体当たりの妙演で魅せる。そして、美奈子の婚約者の早藤雅巳を演じるのは、風間俊介。早藤はエリートサラリーマンで人当たりも良く社交的だが、裏では女を見下して暴力をふるう猟奇的でサディスティックな二面性を持つ。これまで内面に闇を抱えた役を演じて注目されてきた風間だが、本作では過去に類を見ないほど狂気と憎しみに満ちた役柄で怪演を見せる。
監督を務めるのは、『弱虫ペダル』(20)、『植物図鑑 運命の恋拾いました』(16)など数々の作品を手掛けるヒットメーカーの三木康一郎。脚本は、東京ドラマアウォード2019の優秀脚本賞として「透明なゆりかご」と「きのう何食べた?」をダブル受賞するなど数々の脚本賞を受賞するなど、高い評価を得続けている安達奈緒子。主題歌は、SNSを中心に絶えず注目を集め、現在の音楽シーンを象徴するアーティスト・yamaが本作のために作詞を手掛けた「独白」。美鈴をはじめとする登場人物達の心情に寄り添う楽曲が、作品の終わりに深い余韻を残す。

ORIGINAL

©鳥飼茜/講談社

先生の白い嘘‐鳥飼茜 / 全8巻
第1話 先生の、月曜日 | モーニング・ツー (comic-days.com)

STORY

傷つかないために見て見ぬふりをする、嘘をつく。
そうしないと、生きていられないから――

傷つかないために 見て見ぬふりをする、嘘をつく。 そうしないと、 生きていられないから――

高校教師の原美鈴(奈緒)は、教卓の高みから生徒達を見下ろし観察することで、密かに自尊心を満たしながら、女であることの不平等さから目を背けていた。ある日、美鈴は親友の渕野美奈子(三吉彩花)から早藤雅巳(風間俊介)と婚約したと告げられる。早藤こそ、美鈴に女であることの不平等さの意識を植え付けた張本人だった。
早藤を忌み嫌いながらも、早藤の呼び出しに応じてしまう美鈴。そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希(猪狩蒼弥)から衝撃的な性の悩みを打ち明けられ、思わず美鈴は本音を漏らしてしまう。新妻は自分に対して本音をさらけ出した美鈴に魅かれていき……。
そして、歪んだ愛憎渦巻く人間模様は思いもよらぬ狂気の世界へと向かっていく。
その先で美鈴が見る景色とは——

高校教師の原美鈴(奈緒)は、教卓の高みから生徒達を見下ろし観察することで、
密かに自尊心を満たしながら、女であることの不平等さから目を背けていた。
ある日、美鈴は親友の渕野美奈子(三吉彩花)から早藤雅巳(風間俊介)と婚約したと告げられる。
早藤こそ、美鈴に女であることの不平等さの意識を植え付けた張本人だった。
早藤を忌み嫌いながらも、早藤の呼び出しに応じてしまう美鈴。
そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希(猪狩蒼弥)から衝撃的な性の悩みを打ち明けられ、
思わず美鈴は本音を漏らしてしまう。新妻は自分に対して本音をさらけ出した美鈴に魅かれていき……。
そして、歪んだ愛憎渦巻く人間模様は思いもよらぬ狂気の世界へと向かっていく。
その先で美鈴が見る景色とは——

COMMENT

奈緒 / 原 美鈴 役

原作漫画『先生の白い嘘』と出会った時の衝撃を今でも覚えています。埋もれてしまっていた誰かの叫びが自分の耳を突き抜けていくような感覚でした。そして、その誰かの一人である"美鈴"として、この作品と共に苦しみ、この作品と共に闘うことを心に誓い出演をお受けいたしました。社会の中で弱者と強者という構図は、今もなおなかなか無くなりません。いつかそんな言葉さえなくなり一人一人が"自分"を受け入れられる世界を切に願っております。

猪狩蒼弥 / 新妻祐希 役

役者として、まだまだ未熟な自分ではありますが、一流の皆様との感情の応酬に少しでも携われたことを、大変光栄に思っております。『先生の白い嘘』の原作を拝読したとき、なんと心苦しく叙情的な話なのだろうと感じ、作品の中で生きる人物達の叫びに圧し潰されそうになったのを憶えています。そして同時に、本作のキーマンである新妻役を自分が務める事の重大さを再認識し、この難しくも絶対に目を逸らしてはいけないテーマに対して、真摯に向き合いたいと思いました。主演の奈緒さんをはじめ、三木監督、風間俊介さん、三吉彩花さんから沢山のことを勉強させていただきました。先生の伝えたかったこと、そして新妻の伝えたかったことが、僕を通して少しでも皆様に伝われば嬉しい限りです。

三吉彩花 / 渕野美奈子 役

小学生や中学生の時、よく少女漫画を読んでいました。家にも沢山の漫画で埋まっていて漫画を読んでいる時は楽しくて仕方がない時間でした。その時感じていた純粋な気持ちとは180度違う角度からの人間模様を映画化すると伺った時、とても不思議な気持ちになりました。原作を読ませていただき、1シーンごとに頭の中でどんどん実写化されていきこの作品に触れたいと、純粋な気持ちが湧き出てきたので出演を決意させていただきました。
この作品で喜びや楽しさを見出すのは難しいのではと率直に思いましたが、だからこそ脚本を隅から隅まで読み、美奈子や登場人物たちの小さな喜びやその人の幸せ、そして叫びや意志を汲み取り自分自身に宿らせることが楽しくなるだろうと感じた脚本でした。
彼女のような価値観や感覚がとても共感できる部分でもありながら、それと同時に寂しさや現実的な部分を美奈子によって見せられているような感覚でした。一見明るくポジティブに見える面も、奥には殻の中に閉じこもって迷っている美奈子がいるということ、そしてそれでも強い意志を持って自分自身を証明していく彼女の強さを是非感じていただけたら嬉しいです。

風間俊介 / 早藤雅巳 役

今まで演じさせて頂いた役柄、全てに愛を持ってきましたが、今回『先生の白い嘘』のお話を頂いた時、初めて早藤という役を愛せないかもしれないと思いました。それと同時に、僕自身が愛せないかもしれない役を演じた時に、自分自身がどうなるかを知りたいという気持ちにもなりました。魂を擦り減らし、己と反発する感情と共に向き合った作品です。この作品が、誰かを鼓舞し、誰かを救う事を願っています。

監督: 三木康一郎

鳥飼先生のこの原作を映像化したいと動き出してから7年以上の月日が流れました。当時は性被害に関してはどこか他人事のような世の中で、映像化したいという思いもなかなか伝わらなかったことを覚えています。男女の性の格差や性被害を描いた原作は、男である私にとって、センセーショナルで、未知のもので、そして、思いもしない感情が渦巻いているものでした。それはとても衝撃的で、より具体的に伝えられたらと映像化に向けて動き出したのです。今までの知識や感情は全て捨てて、原作に向き合い、闘い続け、完成させた7年でした。そんな映画「先生の白い嘘」が皆さんの目にどう映るのか?正直、不安と期待が渦巻いています。

原作: 鳥飼茜

特定のニュースを名指しする必要もないだろう。性が犠牲になる出来事は今日も私たちの目の前にアップロードされている。
私は性被害を無くしたくてこの漫画を描いた。被害にあったひとが恐怖心から、恥辱から、自己嫌悪から、声を上げられずにいる様に憤って、胸を痛め、この漫画を描いた。性を弄ばれると人は底なしの無力に突き落とされる。人格なんて関係なしに、ただの容器かのように一方的な視線を浴び一方的に欲情され、恐怖の下ほしいままにされた後、愛だったとか合意だったとか「からかい」だったとか言われたら、そういうことにしておきたい気持ちがよくわかる。だって人権を剥奪されて蹂躙された物体にされたなんて認めたくはないから。
そんな人として当たり前の欲求と、想像を絶する葛藤を超えた結果に被害の告発をした人の力強さには頭が下がる思いしかない。彼等の告発がたとえ事後何年後であれ、その葛藤を私は讃える。きっとそこには声を上げない選択をした人がいるだろう。それでも、誰かがこういう目に遭いました、と堂々と発する姿は、無言の被害者を否定することではなく、むしろ静かにその存在を肯定するはずだと、私は思う。
そう思っている人間がここにいますと、声を上げたくて描いたのが『先生の白い嘘』という漫画だ。だからどんな演出をされようが映画『先生の白い嘘』もそういう立場でないといけないと、少なくとも原作の私は思っている。

漫画が映像化するということは基本的には光栄なことだ。 それでも、メディア化というある種自分の手を離れる場面にあたって、自分は自分の描いたこの作品に最後まで粘り強く責任を取り続けたか、と問われると自信がない。
自分はこの漫画を描くとき確かに憤っていたのだ。ひとりの人間として、ひとりの友人として、隣人として、何かできることはないかと強い感情を持って描いたのだ。それはある意味特別で、貴重な動機づけだった。漫画に対していまあんな情動は持てない。
性被害に対し、何を言い、どんな立場なのか。そのシンプルで一方向的な態度と、より大勢のひとを巻き込む映像化というプロセスは、両立させることが非常に困難なものだと思う。 この映画に携わった全ての人の価値観を私がリードすることは出来ない。映像化にあたり、見せたい箇所が各々違うところにある場合もあると思う。それが漫画と違う大きなポイントだ。

この映画を見た人が性被害について何を思うのか、思わないのかも、私にはタッチできない。 映画『先生の白い嘘』は私ひとりの手を遠く離れた映像作品だけれども、まず初めに上のような、人間の強い憤りが芽吹かせた物語であることは紛れもない事実だ。
そして一鑑賞者の私には、全てのシーンがともかく誠心誠意作られたものと感じられたことが大変ありがたかった。

脚本: 安達奈緒子

『先生の白い嘘』は凄まじい漫画です。研ぎ澄まされた画と言葉とで容赦なく読む者の精神を揺さぶる、生半可に対峙することを許してくれない、なのに苦しむ人間に優しい。映像化したいと三木康一郎監督からお話を頂いてから7年が経ちました。その間にさまざまなことが起こり、社会の性被害についての認識は、自分も含め理解は十分とは言えませんが、変わりました。2024年の今、この映画が公開される事実に巡り合わせのようなものを感じています。
描写のト書きを書くのがこれほど辛かった作品はありません。これを肉体で表現することを引き受け、見事に美鈴先生を演じてくださった奈緒さんのたたずまいに震えます。生身の人間が身体と声とで訴えるものは必ずあるはずで、それもまた凄まじい。俳優とスタッフの方々の覚悟と実力、映像化をけっして諦めなかった三木監督の執念が映画に凝縮されています。そして改めて鳥飼茜先生の力に圧倒されます。脚本でどれだけ根源に迫れたかについてはわたしの精一杯としか言えません。ただスクリーンから溢れてくる『叫び』が、この漫画に揺さぶられ共振した何かと同じであると信じます。すべての人が、せめて怒りを顕わにする権利までは奪われないことを切に願います。

主題歌: yama

主人公の美鈴は「先生」という人を導く立場でありながらも、不安定な精神状況で身をすり減らして生きており、見ていて心が痛みました。性に対する嫌悪、傷付けられた自尊心、自責思考に陥り、自分自身と向き合うことの難解さはリアルに描かれていました。それらはテストにあるような模範的で道徳的な答えで導き出せるほど、簡単な問題ではなく、それぞれが人間味のある感情、トラウマ、矛盾を抱えているので自分も複雑な想いになりました。消えない傷を抱えながら、自分自身を受容し、散らばった心を少しでも取り戻していけるように願って「独白」の歌詞を書きました。楽曲と共にお楽しみ頂けたら幸いです。

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