日本大百科全書(ニッポニカ) 「ISBN」の意味・わかりやすい解説
ISBN
あいえすびーえぬ
国際標準図書番号International Standard Book Numberの略称。図書および資料に適用され、国際的共通性をもつ固有の番号。1967年、イギリスが初めて採用した。日本は、1971年(昭和46)ならびに1976年に、ベルリンにある国際標準番号機関から導入の勧告を受けて、1980年、日本図書コード管理委員会(1991年に日本図書コード管理センターと改称)を設置、導入を決めた。当初、中小出版社の一部から「本の背番号制だ」とする反対があり、普及率99%に達するまでに約10年を要した。ISBNは、国別記号、出版者記号、書名記号、チェック数字の合計13桁(けた)の数字で構成する。日本の国別記号は4。英語圏は0と1、フランス語圏は2、ドイツ語圏は3、ロシア語圏は5、少数語圏は2桁か3桁である。出版点数の多い出版者は、出版者記号の桁数が少なく、書名記号の桁数が多い。点数の少ない出版者は逆になる。日本では、ISBN記号のほかに、分類コード、価格などを列記した日本図書コードをあわせて使用する。また、1982年にPOS(ポス)システムを採用したコンビニエンス・ストアのセブン‐イレブン・ジャパンが、1986年に出版業界に対してバーコードの導入を求めたため、1989年(平成1)から研究を開始。ブックデザイナーなどにあった強い懸念を押し切るかたちで、1992年からOCR-Bフォント数字のISBNコードとバーコードを併記するかたちとなっている。2002年には出版関連5団体により、出版情報システム基盤の整備や出版流通の改善等を目的とした一般社団法人日本出版インフラセンター(Japan Publishing Organization for Information Infrastructure Development 略称JPO。設立時の名称は日本出版データセンター)が設立された。2004年に日本図書コード管理センターを統合、JPOの一部門とした。また、JPOには商品基本情報センターがあり、ここで出版情報システムの基盤整備を行っている。
[小林一博]