ロシア、ウクライナ国境に隣接の3州に対テロ作戦発令、企業活動などに制限

(ロシア、ウクライナ)

調査部欧州課

2024年08月16日

ロシア国家反テロ委員会は8月9日、ウクライナによるロシア領内への攻撃・侵入などを「テロ行為」と認定し、ウクライナに隣接するクルスク、ベルゴロド、ブリャンスクの3州に対テロ作戦(KTO)を発令した。ロシアが占領するウクライナ東部4地域に2022年10月に出した戒厳令とは異なるものの、連邦法第35-FZ号「テロリズムへの対抗について」(2006年3月6日付)に基づく企業や市民の活動に関わる制限が盛り込まれている。

KTO発令地域では身分証明書の携行が必須となるほか、連邦・地方政府当局は、a.テロ活動防止のための電話・通信・郵便の検閲、b.負傷者の緊急搬送やテロ計画容疑者の追跡のため、法人・個人が所有する車両の徴用、c.化学品を含む危険物取扱企業の活動停止、d.通信サービスの停止または利用制限、e.住民の強制退去、f.当局によるテロ捜査などのための建物・敷地内への自由な立ち入り、g.当該3州の入出域に当たって身分証明書や車両・同積載物の検査などの権限を持つことになる。

日本の外務省は、当該3州を含むロシアのウクライナ国境隣接地域に対し、危険度レベルで最高位の4(退避勧告)を発出している。

(欧州課)

(ロシア、ウクライナ)

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