お菓子人気 国境越えて

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◆ポッキー(江崎グリコ)

 「ポッキー」(江崎グリコ)は、ヨーロッパでは「ミカド」の商品名で販売されている。日本をイメージした現地の人気ゲーム「MIKADO」にちなんだものだ。高温多湿の東南アジアでは、チョコを溶けにくい成分に変えるなど、販売する場所の気候に合わせた工夫も凝らす。江崎グリコの玉井博久さんは「商品を受け入れてもらうには、各地域の顧客を理解することが大事」と力を込めた。

ポッキー(インドネシア)
ポッキー(インドネシア)
ミカド(フランス)
ミカド(フランス)

◆フーセンガム(丸川製菓)

 国内でもロングセラーとして知られる「フーセンガム」(丸川製菓)はアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアなどの中東地域で人気。中東では、「わかりやすく甘い味」が好まれるといい、一番人気はストロベリー味。営業部の小島三保さんは「イスラムの戒律で酒を飲まない分、甘いものが好まれるようだ。今後はイスラム教徒が多い中央アジアにも販路を広げたい」と話している。

フーセンガム(アラブ首長国連邦)
フーセンガム(アラブ首長国連邦)
フーセンガム(ロシア)
フーセンガム(ロシア)

◆ハイチュウ(森永製菓)

 「ハイチュウ」(森永製菓)のアメリカでのヒットには、メジャーリーグが一役買っている。ボストン・レッドソックスに所属していた田沢純一選手がチームメートに分けてあげたところ、大好評で、ほしがる仲間が続出。それが話題になり、人気に火がついたという。海外事業本部の大野宏明さんは「ガムとは違い、最後まで味が残り続ける特徴が受けたのではないか」と話している。

ハイチュウ(アメリカ)
ハイチュウ(アメリカ)
ハイチュウ(アメリカ)
ハイチュウ(アメリカ)

◆亀田の柿の種(亀田製菓)

 「亀田の柿の種」(亀田製菓)は、インドで地元産のもち米を使った現地生産の柿の種「カリカリ」を展開している。味は「スパイス・マニア」「ソルト&ペッパー」など4種類。インド人の好みに合わせて日本より辛め、濃いめの味に、あられは大きく、硬く仕上げている。広報担当の池ノ上雄樹さんは「インドには米食文化があり、米菓にも親しみを感じてもらえている」と語る。

カリカリ(インド)
カリカリ(インド)
亀田の柿の種(中国)
亀田の柿の種(中国)

◆ブラックサンダー(有楽製菓)

 「ブラックサンダー」「ビッグサンダー」(有楽製菓)は、独特の食感が台湾で大ヒットしたことを機に、東南アジアを中心に積極的に進出している。

 インドネシアでは現地工場を建設。イスラム教徒向けに「ハラル認証」も取得し、海外業績は4年間で1.6倍に伸びた。海外事業部の杉山昌駿さんは「海外には珍しいさっぱりした甘みやザクザク食感が喜ばれている」と話す。

ブラックサンダー(インドネシア)
ブラックサンダー(インドネシア)
ブラックサンダー(アラブ首長国連邦)
ブラックサンダー(アラブ首長国連邦)

◆カラムーチョ(湖池屋)

 「カラムーチョ」(湖池屋)は、きめ細かな味の調整で海外に市場を広げている。台湾ではガーリック風味を強め、ベトナムでは塩味を控えめに――といった具合だ。こうした努力のおかげで、海外での売り上げは10年前から約6.5倍に伸びたという。海外事業部の小山和裕さんは「『辛くておいしい』という魅力は残しつつ、どの地域でも受け入れてもらえるよう工夫しています」と語る。

カラムーチョ(タイ)
カラムーチョ(タイ)
カラムーチョ(ベトナム)
カラムーチョ(ベトナム)

◆ライター兼お菓子愛好家 三田村蕗子さん

 少子化で国内の市場が縮小する中、日本のお菓子メーカーは海外に活路を見いだそうと懸命だ。どうしたら現地で受けるかを徹底的に研究し、成功している例も数多くある。

 たとえば、カルビーはフレンチフライにケチャップを付けるのが定番のタイで、ケチャップの小袋を添えたポテトスナックを発売して大ヒット。江崎グリコはインドネシアで、10代の主な遊び場となっているショッピングモールに「ポッキーを持って行こう」と呼びかけるイベントをSNSと連動して展開し、若者の心をつかんだ。

 味の面でも柔軟に「現地化」を進め、幅広い国々で受け入れられている。模倣商品が出回るなど、海外ならではの悩みもあるが、日本のお菓子は世界で確実に存在感を増している。

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1257277 0 日本のお菓子応援団 2020/06/03 15:00:00 2020/06/18 15:07:53 /media/2020/05/20200529-OYT8I50003-T.jpg?type=thumbnail

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