東京消防庁管内では、梅雨明けの今月1日から23日までに、熱中症の疑いで搬送された人は3452人(速報値)。搬送先の病院で隊員や救急車の消毒を終え、消防署に戻る途中で、再び指令を受けて、別の現場へ急行――。その繰り返しだ。朝、署を出た救急車が夜まで戻れないこともある。
埼玉県三芳町の「ふじみの救急クリニック」。屋外に設けられた「発熱外来」では、救急救命士や看護師らがPCR検査や搬送されてくる患者の対応に追われる。防護服が汗で肌に張り付く。フェースガードの下には玉の汗が浮かぶ。
鹿野晃院長(47)が言う。「熱中症が疑われる患者は、新型コロナの患者と症状が似ているため、PCR検査のできる医療機関に集中する。暑さも加わって病院の負担は増している」