戦後79年 予科練資料館歴史に幕 大分で36年 「慰霊の思い後世に」 収蔵品3000点は県護国神社へ

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外した看板を運ぶ孝康さん(右)ら
外した看板を運ぶ孝康さん(右)ら

 太平洋戦争で戦死した特攻隊員らの遺品を展示してきた大分市上野丘の「予科練資料館」が14日、正式に閉館し、36年の歴史に幕を閉じた。元特攻隊員の川野喜一さん(故人)が集めた約3000点の収蔵品は、戦没者らをまつる同市の県護国神社に移され始めた。長男の孝康さん(68)は「父の戦友たちへの慰霊の思いを後世につないでほしい」と語った。

 資料館は、喜一さんが自宅を改修して1988年8月14日に開設。喜一さんが2021年に95歳で亡くなってからは、市内の別の場所に住む孝康さんが管理してきた。しかし、収蔵品の管理や仕事の合間を縫っての来館者の対応に限界を感じ、開館日と同じ8月14日の閉館を決めた。

 神社への搬出は既に始まっており、今月3日には、軍服や機銃掃射で穴のあいた金属製の工場の扉、戦闘機のプロペラ部の先頭部品などを運び出した。9月から本格的に作業を進め、来年1月1日から神社で一部を展示する予定という。

 神社は終戦80年となる来年、参拝者休憩所の一部を収蔵品の展示スペースにし、定期的な展示替えもする計画だという。

 この日、資料館前の「予科練資料館」と書かれた看板や案内板などを外した孝康さん。「少し寂しい気持ちはあるが、父の気持ちが込められた収蔵品を受け継いでもらうことができ安心している。父の思いが少しでも次代につながってくれたらうれしい」と語った。

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