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延江浩さん刊行『銀座巡礼』 流行の先端駆けた銀座の15人に聞く

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著書『銀座巡礼』を手にラジオブースに座る延江さん(6月4日、東京都千代田区で)
著書『銀座巡礼』を手にラジオブースに座る延江さん(6月4日、東京都千代田区で)

 作家でラジオプロデューサーの延江浩さん(66)が『銀座巡礼』(講談社)を刊行した。銀座の街で昔かたぎの美学を貫きながら、流行の先端を駆けた経営者や文化人ら15人に話を聞いた。時代の熱気を帯びた粋人の生き方からは、その道のプロを宿し続ける銀座の文化的磁力が滋味深く伝わってくる。(長瀬さくら)

 銀座の店舗などで配られている冊子「銀座百点」の連載に加筆した。世代交代が進む中、戦後風俗史の貴重な証言録となった。延江さんは「あまり表に出ない方にも登場願い、銀座の足跡を語りで残せた」と話す。

 「始まりは銀座で出会ったチェック柄の海水パンツ」。ブランドを一代で築いたJUN会長の佐々木忠さんは、洋品をまねた創業の逸話を打ち明けた。またバー「茉莉花」を構えた久世朋子さん(作家久世光彦の妻)など元ママらは、客の大人の流儀や、奔放で密度の濃い人間模様を語った。

 延江さんは入念な下調べのうえで取材した。沈黙の時間を恐れず「相手の発する言葉をじっと待つラジオ的な手法」で向き合った。内なる衝動に身を任せて語られた人生行路からは、転機での葛藤や銀座への思慕が鮮烈に感じ取れたと話す。一方、多くの人の思い出話に共通していて印象的だったのが、かつて銀座が川や運河に彩られた「水の都としての姿」だったという。

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