40代以上はなぜ「石丸伸二」を「理解できない、大嫌い」なのか?若者不在の「オールドメディア」と化した「ネットとX」の限界
誰も予想できなかった「異変」
かつてない数の候補者が乱立し、また各候補者の政見放送が社会に波紋を呼ぶなど、混乱のなかで投開票日を迎えた東京都知事選。結果はご存じのとおり、開票時間になると同時に小池百合子氏の当選確実が報じられる、いわゆる「ゼロ打ち」の圧勝劇となった。 【完全予測一覧表】「次の総選挙」で落選する「裏ガネ議員」の全実名 見逃せないのは2位以下の波乱だ。当初は2位を独走しながら小池氏を猛追、あわよくば小池都政を終焉させるのではないかと支持者たちが盛り上がっていた蓮舫氏が、広島県安芸高田元市長の石丸伸二氏に追い抜かれ、まさかの3位落選となった。 メディアでは「蓮舫氏の大惨敗」「共産と組んだことで票離れを招いた」などと報じられているが、氏の支持はもとより立憲と共産の岩盤支持層頼みでそこまで上振れも下振れもしていない。これは端的に石丸氏の大健闘と評価するべきだろう。公示直後の関係筋の事前調査では、首位の小池氏に肉薄する形で蓮舫氏が2位につけ、そこから大きく引き離されて石丸氏3位という下馬評だった。実際今回の都知事選で衝撃を受けたのは蓮舫陣営だけではない。政治関係者もメディア関係者も、ほとんどの人が石丸氏の大躍進を予想していなかったのだから。 いったいなにが石丸氏をここまで躍進させたのか? そしてなにより、なぜその躍進の兆しを、ほとんどの人が捉えられなかったのか?
Xで渦巻く「理解できない」の声
いきなり結論から言ってしまうと、今回の都知事選の「石丸フィーバー」を支えたのは間違いなく10代~30代の若年層である。 逆に蓮舫氏は、立憲民主党と日本共産党の主たる支持層であるシニア世代の支持を固めた。データでみるとその差は歴然で、報道各社の出口調査を見ると10代・20代・30代では石丸氏が投票先としてもっとも多く、これらの世代における蓮舫氏の得票(支持)はかなり小さいことがわかる。 統計的には、東京は日本でもっとも少子化が進んでいるものの、しかし日本全体を見ればもっとも若年層の絶対数が多い地域だ。つまり若者が「数の論理」によって高齢世代の政治力を跳ね返しうるポテンシャルを持つ、数少ないエリアのひとつであることもまた事実なのである。今回の「石丸フィーバー」は、「若者の絶対数が多い」という東京の特性がわかりやすく顕在化した事例と見ることができる。 しかしながら、いまやアクティブな情報発信や意見交換を行うユーザーをもっぱら中高年層が占めるXを観察してみると、10~30代が石丸氏を熱烈に支持していることについて、理解がまったく及ばない人が多いようだった。