星野リゾートの「キャンセル料100%」も怖くない!安心して「90日前優待」など割安プランを予約する方法とは

7/13 8:51 配信

東洋経済オンライン

 1ドル160円を突破し、海外旅行の経済的なハードルは上がり続けている。「せめて国内で贅沢を」と考えたとき、星野リゾートを宿泊先の候補に挙げる人は多いのではないだろうか。

 星野リゾートは、「星のや」や「界」「リゾナーレ」といった宿泊施設を国内外に70以上展開する日本有数のリゾート運営会社だ。

 どの施設も宿泊者の満足度が総じて高いため人気で、インバウンドの影響もあって長期休暇や休前日は、早くから予約が埋まりやすい。そして当然ながら宿泊料金もなかなか高額だ。

■宿泊料金を「安く抑える」正攻法

 そんな星野リゾートに、少しでも安く泊まりたいと思ったとき、まず利用したいのが星野リゾートの公式サイトからの予約の優待である。

 「90日前優待」では25%割引、「連泊優待」では20%割引など、基本料金と比べてかなり割安に予約できる。また、クレジットカードのセゾン・UCカード会員は、30%割引などで予約できる会員限定価格も設定されている。

 ただ、注意点もある。キャンセル料が予約時から100%発生することだ。

 こうしたお得なプランは、いずれも予約時にクレジットカード決済が必須で、予約後に変更や解約はできず、キャンセルしたとしても返金はされない。

 つまり「90日前優待」などでお得に宿を予約できたとしても、長ければ3カ月以上もの間、自分や家族の体調不良や急な出張など旅行を中止せざるをえない事情が発生する不安を抱え続けなければならないのだ。

 そこで、高額のキャンセル料が心配で、旅の予約を躊躇している人にお勧めしたいのが、「旅行キャンセル保険」という選択肢である。

 旅行キャンセル保険は、突然の入院や通院、交通機関の遅延などのやむをえない事情により、申し込んでいた旅行を出発前にキャンセルした場合に負担するキャンセル料を補償する保険である。

 加入する保険会社やプランによっても異なるが、自己負担したキャンセル料が全額もしくは部分的に保険で補償されるため、旅行をキャンセルした場合の経済的ダメージを緩和できる。

 保険料(掛け金)は、旅行代金の1~6%程度が目安となる。同行する家族や友人も補償の対象になるので、忘れずに同行者として登録しておこう。

■「契約できる期間」は限られている

 旅行キャンセル保険には、国内旅行のみ、海外旅行のみ、国内・海外旅行の両方とも対象にしたものがある。また、航空券と宿泊がセットになったパッケージ旅行を対象とする保険、宿泊料金だけ、航空券だけ、宿泊を伴わない日帰り旅行でも申し込める保険もある。

 例えば、星野リゾートに自家用車で出かける場合、国内の宿泊費用だけで申し込める保険を選ぶことになる。

 加入のタイミングにも注意したい。旅行キャンセル保険には契約可能期間に関するルールが2つある。具体的な日数は保険会社によって異なるが、

・旅行を予約してから数日以内に申し込むこと
・旅行の出発まで一定の日数以上あること
 つまり、出発直前になってからの申し込みはできないし、旅行の予約だけ済ませて保険を後回しにしていると、申込期限を過ぎてしまう可能性がある。キャンセルのリスクに備えたいなら、旅行の予約から日を置かずに保険も申し込んでおく必要がある。

 補償されるキャンセル理由にも、保険会社ごとに違いがある。このあたりは、実際の保険商品を比較しながら、具体的に考えていくこととしよう。「国内の宿泊施設予約のキャンセル料に備える保険」「キャンセル料の100%を補償」という前提で2つのキャンセル保険を比較してみよう。

①Mysurance「Travelキャンセル保険」
 Mysurance(マイシュアランス)は、損保ジャパンの100%子会社だ。同社の「Travelキャンセル保険」には、公式ホームページから直接加入できるほか、カード会社や旅行会社など代理店経由で加入する方法もある。

 「Travelキャンセル保険」では、国内であれば、航空券+宿泊のような旅行商品、国内宿泊、日帰り旅行、国内航空券等と幅広いタイプの旅行に対応している。

 今回例に挙げた星野リゾートの宿泊のみを予約する場合、星野リゾートの公式サイトから予約しても、じゃらんや楽天トラベルなどの旅行サイトから予約しても問題ない。どちらも補償の対象となる。

 保険料は旅行代金の2.5%程度。旅行の予約から14日以内に申し込みを済ませること、契約時点で出発まで9日以上あることが条件になっているが、出発日の16日前までに保険そのものをキャンセルすると、保険料が全額返金される。

■補償対象となる理由は? 

 旅行者や同行者自身の通院や入院した場合に補償されるほか、旅行者や同行者の親族が入院や通院をして、その介護や看護でやむなく旅行をキャンセルした場合にも、負担したキャンセル料が全額補償される。

 また、同行者のうち1人だけがキャンセルした場合も、保険金が支払われるキャンセル理由に該当していれば補償の対象となる。

 そのほかにも、飼っている犬や猫の死亡や、旅行中に参加する予定だったイベントの中止によるキャンセルで補償される点にも注目したい。コンサートやスポーツ観戦などのイベント参加が旅の目的という人には心強いだろう。

 ただ、「急な出張」が理由の場合は補償されない点は注意されたい。そのほか詳細については契約前に重要事項等説明書をしっかり確認してほしい。

②AWPチケットガード少額短期保険「宿泊キャンセル保険」
 AWPチケットガード少額短期保険の「宿泊キャンセル保険」は、国内・海外施設のキャンセル料を主に補償している。

 同社は国内旅行・海外旅行を対象とする「トリップキャンセル」という保険も販売しているが、こちらは「星野リゾートに泊まるツアー」のような旅行パッケージ商品は対象になるものの、宿泊だけ・航空券だけといった予約では申し込めない。そのため、今回は宿泊料金だけで申し込める「宿泊キャンセル保険」を比較対象に挙げている。

 「宿泊キャンセル保険」では、宿泊代金をクレジットカードなどで事前決済し、日本円での宿泊代金の領収証が発行される予約が対象となる。

 ホテルのフロントで当日支払う宿泊は対象外となる。保険料は旅行代金の6%程度。宿泊代金決済完了後から5日以内に申し込みを済ませること、その時点でチェックインまで7日以上あることが条件になっている。

 対象になるキャンセル理由として注目したいのは、急な海外出張や宿泊を伴う国内出張によるキャンセルが補償される点だ。仕事が忙しくて旅行の予定が立てにくいという人に向いている。

■「1人だけキャンセル」は補償の対象外

 一方、同行者の1人だけがキャンセルし、他のメンバーが予約していた部屋を使った場合には、1名分のキャンセル料は補償の対象とならない。

 例えば、和室に4人で泊まる予定だったが、1人が体調不良でキャンセルし、同じ部屋に3人で泊まったという場合、部屋をキャンセルしていないため保険金の支払いはない。

 ツインルームを2部屋予約していたが、1人が体調不良のため全員キャンセルして2部屋とも使わなかった場合にはキャンセル料が全額戻ってくる。

 補償内容を比較すると、大枠では共通する部分が多いものの、補償対象の細部には大きな違いがあることがわかる。

 コンサートやスポーツ観戦などイベント目的で旅行する人や保険料を重視したい人はMysuranceが向いているが、急な出張が入りやすい人にとってはAWPチケットガード少額短期保険が向いているだろう。

 また、同行者1名がキャンセルしたときの補償の有無にも違いがあるので、繰り返しになるが契約前に重要事項等説明書をしっかり確認しよう。

 契約にあたっての注意点を「キャンセル理由」「請求書類」の点から確認しておこう。

 キャンセル理由については、約款等で定められた理由以外でキャンセルしても、保険金は支払われない。今回の2社の場合、「子どもの部活の試合と旅行が重なった」や「別の旅行先に変更したい」という理由では、補償の対象外となる。

 保険金の請求に関する書類は、最初から意識して保管しておこう。請求時には、旅行会社や宿泊先に支払った旅行代金やキャンセル負担を示す領収書のほか、キャンセル理由を証明する書類(病院の領収書、交通機関の遅延証明書、イベント中止メールなど)なども必要となる。

 これらの点を守らなければ、保険金は支払われないので注意しよう。

■そもそも星野リゾートは「リスケ」可能

 今回は星野リゾートにお得に泊まるために、公式サイトから早期予約をしたいが、やむなくキャンセルをした場合のキャンセル料負担にも備えたいという前提で考えてきた。

 星野リゾート公式サイトによると、公式サイトからの予約の場合、キャンセル料が免除になる特別規定としてこのような記述がある。

 「ご宿泊者様の発熱、病気により、ご宿泊の日程を変更する場合。但し、当初のチェックイン予定日から90日以内のご宿泊日、かつ同宿・同泊数・同室数での変更、1回に限ります。」

 つまり、旅の同行者である家族の誰かが発熱や病気で行けなくなったら、90日以内の別日に、宿泊できるということになる。もしもの場合、日程を再調整して再チャレンジができそうなら、キャンセル保険で備える必要はなさそうだ。

 旅をお得に楽しむためにも、早めに計画を立てて予約をしておこう。その際は、万が一キャンセルとなった場合にはどんな策がとれるのかを、併せて検討しておきたい。

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最終更新:7/13(土) 8:51

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