数万円の積立からスタートし、現在は数千万円の資産運用を
行っているケンズ氏に直撃インタビュー
保有銘柄や資産配分だけでなく、投資信託の選び方や管理方法、
さらに相場下落局面での投資方針など、役立つ情報を一挙公開。
投信ブログ『インデックス投資日記@川崎』の著者。
投資信託の中でもインデックスファンドに積立投資。
2007年から投資をはじめ、現在投資歴13年。
2019年に40代で大手メーカーを早期退職(アーリーリタイア)したことをきっかけにiDeCoも開始。
カテゴリー | 保有割合 |
---|---|
先進国株式 | |
日本株式 | |
新興国株式 | |
日本債券 |
カテゴリー詳細 | ファンド名 | 保有割合 | |
---|---|---|---|
全世界株式 | 7.5% | 積立 | |
全世界株式(除く日本) =先進国株式+新興国株式 |
1.4% | 積立 | |
先進国株式 | 35.9% | 保有 | |
32.5% | 保有 | ||
9.2% | 保有 | ||
0.5% | 保有 | ||
日本株式 | 3.0% | 保有 | |
3.8% | 保有 | ||
0.9% | 保有 | ||
0.3% | 保有 | ||
新興国株式 | 4.5% | 保有 | |
日本債券 | 0.4% | 保有 | |
0.1% | 保有 |
2020年7月12日時点
世界の株式市場の時価総額比率が目安
全資産をリスク資産と無リスク資産に分け、4:6の配分としています。退職前は5:5だったのですが、リスクを抑えて4:6に変更しました。
リスク資産の投資先の内訳は、現在保有しているeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のベンチマークであるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)を参考に、ざっくりと1(日本):8(先進国):1(新興国)となるように組めていれば良しとしています。
世界の株式市場の時価総額比率が日本:先進国:新興国=1:8:1であることから、この比率にしています。
投資資産については、株式がほとんどですが以前はREITや海外債券も保有していました。
REITは約5%保有していましたが、株式より市場がずっと小さく値動きが激しかったことと、先進国株式の中にも入っているのでこの比率にした際に売却しました。
海外債券については、表面金利は高いですが、高金利分は理論上は為替で調整されることを考えれば魅力が少ないと思っています。
国内債券は金融機関でやっていたキャンペーンで購入し、そのまま保有しています。
管理については、リスク資産はExcelで、全資産はマネーフォワードで行っています。
2007年に勤務先が確定拠出年金(401k)を導入したことがきっかけです。
何も知識がなかったため、まず投資信託の情報収集や勉強をはじめました。その時に投資ブログの存在を知り、朝から晩まで読みまくりました。
すると確定拠出年金は掛金に上限があることがわかり、自分の資産でも投資しようと思い本格的に投資を開始しました。
そのうちにみんなにもインデックス投資を知ってほしいと思い、ブログで発信しはじめました。
また、確定拠出型年金は退職後にiDeCoに移管したのですが、移管先に同じファンドの取扱いがなく現金化して入金され、とても驚きました(笑)。
リスク分散の必要性は理解していました。個別株はリスクが高く、複数保有すれば管理リスクも高い。
自分は相場に張り付いている感じではないので、あらかじめ銘柄が分散されている投資信託が良いと思いました。
市場リスクは取りますが、各銘柄の個別リスクは取りたくないです。
ETFは経験があり、今も少額持っています。インデックスファンドよりETFの方が信託報酬の低い時があったのですが、指値でうまく買えない時があり、再設定も面倒でした。
今は信託報酬も逆転しているのでETFは保有のみです。
投資信託は今では100円から購入できます。お金がないから投資できないとは言わせないような良い環境です。
当時調べた際、アクティブファンドがインデックスファンドよりパフォーマンスが上回るのか予想できず、かつ信託報酬がインデックスファンドより高かったので、選びませんでした。
インデックスファンドは、どの国に投資するのがリターンが高いか、どの銘柄に投資すれば儲かるかなど通常は分かるわけがないことに悩む必要がなく、投資先も幅広く分散されます。
たとえば自分の保有しているeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)なら先進国、日本、新興国と世界中の銘柄に分散されています。信託報酬も年0.104%(税抜き)と激安で、世界中の株式に低コストで投資可能です。
また、業種や分野を絞り込んだいわゆるテーマ型のファンドもありますが、値動きも大きく、今が旬なテーマに対し新規に設定されることが多いため、個人的には既に投資するには遅い銘柄に集中投資する可能性が高いと思い、コストも高いため魅力には感じません。
2007年の投資開始時は今のように全世界株式に投資するインデックスファンドはありませんでした。
そこで、自分で先進国株式や日本株式、新興国株式のインデックスファンドを各〇%というようにそれぞれ資産クラスごとに購入し、アセットアロケーションを構築していました。
また当時は信託報酬も高かったのですが、次第にSMTインデックスシリーズを皮切りに低コストのインデックスファンドが登場、さらに2015年秋頃から信託報酬の低コスト化競争が激化し、各資産クラスの超低信託報酬のインデックスファンドが登場しました。
その後、現在メインで購入しているeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も登場し、これひとつで自分好みの時価総額比率による全世界株式投資が行えることから、購入は同ファンド1本にしています。
私の場合は「世界経済の箱庭」を手持ち資産の株式部分で実現するイメージを持っていますので、このファンドがぴったり投資したいイメージに合いますし、以前のように先進国、日本、新興国株式の各ファンドをバラで購入するよりも信託報酬が低く抑えられています。
※iDeCo口座に同ファンドの取扱いがないため、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)も購入継続。
ただ、以前購入したファンドは昔から買っているものほど含み益も多く今でも保有のみしているため、ポートフォリオにあるファンド数は多くなっています。
下落相場でも継続して購入した方がよい(ケンズ氏)
基本的には下落相場でも継続して購入した方が、取得単価が下がるので良いと考えています。過去、リーマンショック後は買い時だと判断し、積立金額を増やしました。
今回下落したときに数回追加でスポット購入しましたが、まだまだ数年は低迷すると思っていたため購入金額は小さく、今となってはもっと買っておけばよかったと思いますね、うまくいきません(笑)。暴落待ちだと買えなくなりますし、そういう意味でも積立は自動なので良いと思います。
緊急調査
新型コロナウイルスの感染拡大で株式相場が急落した局面でも
4割は投信積み立てを継続
野村アセットマネジメントが行った緊急意識調査で、積み立てで投信を保有する個人投資家は下げ相場をむしろ投資機会ととらえる傾向が強いことが明らかになった。
積み立てで投信を保有している投資家を対象に、相場下落局面でどのような投資行動をとったか尋ねたところ、「積み立て継続」が39%、「新規一括投資」が10%で、ほぼ半数が投資継続だった。一方、一括で投信を購入した投資家では「投資継続」と「追加投資」を合わせても29%にとどまる。
積み立てを継続した投資家に理由を尋ねたところ、「積み立て投資なら、下落しても安く買えるから」との回答が38%となった。シニア・ストラテジストの住田友男氏は「単に自動積立だからということではなく、積み立ての意義を理解した上で『積極的に』継続する投資家が増えている」と話している。
調査は2019年末時点で投信か株式を保有している投資家約5,300人(20〜89歳)を対象にインターネットで実施(3月25日、26日)
出所:R&I「ファンド情報(外部サイト)」
2020年6月8日号
本企画の掲載内容はケンズ氏の見解です。弊社が投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではございません。