ライフスタイル別の平均貯蓄額を調査
年代や家族構成などによって貯蓄額は異なるものです。「自分の貯蓄額は足りているか心配」という方は、ライフスタイル別の平均貯蓄額を知っておくと安心でしょう。ライフイベントごとの必要資金の目安もご紹介するのでぜひ参考にしてください。
年代や家族構成などによって貯蓄額は異なるものです。「自分の貯蓄額は足りているか心配」という方は、ライフスタイル別の平均貯蓄額を知っておくと安心でしょう。ライフイベントごとの必要資金の目安もご紹介するのでぜひ参考にしてください。
世代やライフスタイルによって必要となる貯蓄額は異なりますが、世間的な平均貯蓄額はやはり気になるものです。そこで、厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況(2019年)」のデータをもとに、世帯構成別の平均貯蓄額を見ていきましょう。2022年9月時点で、貯蓄額等についての調査は最新のものになります。
全世帯で「貯蓄がある」と答えた割合は81.9%で、1世帯当たり平均貯蓄額は1077万円となりました。子育て世帯では平均貯蓄額は723万円と全世帯平均よりも少なく、母子世帯にいたっては、平均貯蓄額を大きく下回る結果となっています。
また、全世帯では貯蓄額にばらつきがあるものの、貯蓄額を「500万~700万円」と答えた方の割合が9.3%ともっとも多くなりました。児童のいる世帯でも「500万~700万円」の割合が10.6%ともっとも多いのですが、「100万~200万円」の割合が10.1%と2番目に多くなっています。
なお、児童のいる世帯は、1世帯当たりの借入金額が「2000万~3000万円」と答えた方の割合が15.2%ともっとも多くなっています。
子どもがいる世帯は、教育費などにお金がかかる上、住宅ローンの負担なども大きいことから、貯蓄に回せるお金が少なくなっていると考えられます。
次に、世帯主の年代別に平均貯蓄額を見ていきましょう。20代から60代までで1世帯当たりの平均貯蓄額は以下のようになっています。
このように、世帯主の年代が上がるほど平均貯蓄額は増えていることがわかります。
前年と比べて貯蓄が減ったと答えたのは総数で38.2%、その理由は「日常の生活費への支出」がもっとも多く、次いで「入学金、結婚費用、旅行等の一時的な支出」「土地・住宅の購入費」となっています。
なお、「土地・住宅の購入費」を減額の理由と答えたのは30~39歳が一番多く、約2割を占める結果となりました。
一方で1世帯当たりの平均借入金額は、「30~39歳」が1071.1万円ともっとも高く、次いで「40~49歳」が1002.7万円となり、「50~59歳」で546.8万円へと減少しています。
このデータからも、30代で住宅ローンを利用してマイホームを購入している世帯が多いということがわかります。
必要な貯蓄額を予想するためには、年代やライフイベントによってかかる金額をイメージしておくことが大切です。
さきほどのデータで、30代でマイホームの購入をしている世帯が多いことがわかりましたが、いくら貯蓄しておけばいいかは、これから迎えるライフイベントによって異なるからです。
代表的なライフイベントごとにかかる費用は、以下のとおりです。
20~30代であれば、結婚にかかるお金や住宅購入資金について考えておく必要があるでしょう。さらに子どもがいるならば、子育てや進学にかかる費用も備えておきたいものです。
子育てが一段落したら、老後の生活資金の準備をはじめましょう。老後に不足する生活資金の目安は紹介しましたが、年金などの収入や支出は各家庭によって異なるため、自身の世帯ではどれだけ不足するかをシミュレーションしておくといいでしょう。
なお、老後に不足する生活資金を試算するために使った家計調査報告のデータでは、住居費は約1万6500円となっています。したがって、賃貸住まいだったり、住宅ローンの支払いが残っている人は、老後に不足する生活資金が増える可能性があるので、注意が必要です。
次に、年代別の貯蓄割合を見ていきましょう。こちらは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2021年)」で実態を知ることができます。
単身世帯と二人以上世帯を比べると、50代を除いた年代では単身者のほうが貯蓄割合は高くなっています。ただし、年間手取り収入は二人以上世帯のほうが多いため、必然的に貯金額は多くなります。
こちらの平均値データをもとに、年代別の貯金額を算出したのが、以下の数字となります。
自分にあった貯蓄割合と貯金額は、前述した「家計の金融行動に関する世論調査」を目安に考えるといいでしょう。
「貯蓄が苦手」という方は、まずは1カ月「何にお金を使ったか」をチェックして、自身のお金の使い方を把握すること。衝動買いや無駄遣いを見直し、お金を使う優先順位を付けることで、理想の貯蓄割合に近づけていきましょう。
なおこちらの貯蓄割合は、ボーナスなどの臨時収入を含めたものなので、こちらのデータと比べて「我が家は月々の貯蓄割合が少ない」と感じた方は、ボーナスからの貯金もプラスした割合で比べてみましょう。
例えば一人暮らしで20代の場合、毎月の貯金は1万円でも、ボーナスで年27万円貯金に回すことができれば、1年間で39万円の貯金額となることがわかります。
その上で、先ほどの「ライフイベント別・必要なお金の目安」を参考に、自身がいまどのライフステージにいて、今後必要になるお金はいくらかを算出することで、より正確な貯金額を導き出すことができます。
準備しておきたいお金を考えて、計画的に貯蓄していくことを心がけましょう。
マネーライター
広告のディレクター、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。現在は多くの雑誌・web等で、お金初心者向けの実践的でわかりやすい記事の編集、ライター業務に携わっている。