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野田秀樹「正三角関係」(長篇戯曲)
追悼 アリス・マンロー

新潮 2024年9月号

(毎月7日発行)

1,200円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2024/08/07

発売日 2024/08/07
JANコード 4910049010945
定価 1,200円(税込)

正三角関係[長篇戯曲]/野田秀樹
長男は花火師、次男は物理学者、三男は聖職者。『カラマーゾフの兄弟』を下敷きに、いま裁かれるのは父殺しの息子か、それとも我々か?
女の子と女たちの生きかた/エピローグ フォトグラファーアリス・マンロー 訳・小竹由美子
男性のような冒険を、田舎町の少女は願った。五月に逝去したノーベル賞作家、唯一の長篇とも呼ばれる連作短篇集より、二篇を初邦訳。
追悼 アリス・マンロー/これからマンローをどう読むか小竹由美子
偶像円城 塔
伝説のアイドル、親鸞の息子がアルバムを引っ提げツアー敢行。みんな、もう救われてるよ!
Ifの総て[新連載第三回]/島田雅彦
■■ 連載小説 ■■
(四)/宮本 輝
生活 第二部(十一)/町屋良平
荒れ野にて(七十七)/重松 清

【リレーコラム】街の気分と思考(31)
地球を入れる傘がほしい斎藤真理子
のり子、あんたなら何をするヒコロヒー
■■ 新潮 ■■
視界不明瞭伊良刹那
九〇年の眠りから覚めて――矢田津世子の未発表小説高橋秀晴
手とハサミと本と知と湯澤規子
『女の子たち風船爆弾をつくる』その後小林エリカ
第57回《新潮新人賞》応募規定 [ウェブ応募受付中!]
【選考委員】上田岳弘/大澤信亮/小山田浩子/金原ひとみ/又吉直樹
天皇への敗北――戦後日本の民主主義における憲法の物語について國分功一郎
日本のリベラルは何に負けたのか。安倍政権下で見えた、天皇と日本国憲法の強固な関係。
◆【対談】精神の音楽を追い求めて細野晴臣 中沢新一
80年代の神秘体験から、宗教と昭和歌謡の本質まで。同時代を生きてきた二人の魂の呼応。
◆【対談】「個」と「種」を束ねる想像力飴屋法水 岡田利規
演劇との距離、同心円状に伸縮する思考――有限性の中から「私」を超える力が立ち上がる。
ひろゆきに論破されてみた件綿野恵太
想像した「論破」とは何かが違う。不敵な説得力の正体を探る、実体験の批評ドキュメント!
触れるポートフォリオ――第五回 あなたの顔は(中編)島本理生
独りの椅子 石垣りんのために[第八回]/梯 久美子
小林秀雄(一〇九)/大澤信亮
料理の人類学のかたわらで藤田 周
第三回・食べられなかったセビーチェたち
AIが音楽を変える日榎本幹朗
第十二回(完)・AIが音楽を救う日
地上に星座をつくる石川直樹
第一二五回・残された者たち
見えない音、聴こえない絵大竹伸朗
第二二九回・ナイロビの版ズレ
【私の書棚の現在地】
坂口安吾『安吾探偵事件帖 事件と探偵小説』、彩図社文芸部編『文豪たちが書いた 殺しの名作短編集』/【書評委員】市川沙央
レイチェル・カーソン/森田真生『センス・オブ・ワンダー』/【書評委員】古川真人
■■ 本 ■■
◆池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』/榎本 空
◆赤松りかこ『グレイスは死んだのか』/小山田浩子
◆桐野夏生『オパールの炎』/角田光代
◆中沢新一『構造の奥 レヴィ=ストロース論』/越川芳明
◆柴崎友香『あらゆることは今起こる』/西村紗知
◆アマンダ・ゴーマン(鴻巣友季子訳)『わたしたちの担うもの』/渡辺祐真

この号の誌面

立ち読み

編集長から

野田秀樹「正三角関係」
アリス・マンロー再考

◎野田秀樹氏の最新戯曲「正三角関係」を発表する。物語の発射台はドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』。戦中における花火師一族の父殺しをめぐる法廷劇が、日露関係や量子力学の議論を経て、書き手のルーツである土地の原風景へと辿り着く。好色の家長は誰に殺されたのか? 大量の火薬はどこへ横流しされたのか? 過去から現在を撃つように、アクチュアルな演劇的想像力が炸裂した◎ノーベル文学賞作家アリス・マンローが5月に死去。だが先日、彼女の末娘が、継父による性的虐待を母は知りながらも向き合ってこなかったと訴える衝撃的な手記を公表した。日本でも多くの読者を持つこの作家の追悼企画として、初邦訳短篇2作と、マンロー作品を紹介してきた小竹由美子氏の動揺の滲む解説を掲載する。いま必要なのは単なる断罪キャンセルではなく、批判も込めた作品の読み直しではないか◎論壇のムードにそれぞれの角度から問いを投げかける、國分功一郎・綿野恵太両氏の論考にもご注目を。

編集長・杉山達哉

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞

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