伊佐次 隼士

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企画職は「意思からはじめよ
」。自らつかんだPayPa
y参画と、その先への野望。

企画職は「意思からはじめよ」。
自らつかんだPayPay参画と、その先への野望。

伊佐次 隼士(いさじ はやと)2014年入社
旧ヤフー株式会社に新卒入社後、「Yahoo!ショッピング」の企画、セールスなどを経験し、2018年4月にCEO事業推進室に異動。PayPay株式会社へ出向し「PayPay」の立ち上げに携わる。2020年からはCo-CEO室でLINEとヤフーの経営統合の推進においてコマース・金融領域を担当したのち、「信用プラットフォーム」サービスの立ち上げ参画後に同サービス責任者に就任、2022年からはPayPay銀行株式会社(以下、PayPay銀行)に出向しデータを活用した金融商品の企画開発に従事。

※本記事は2024年2月に取材したものです。サービス名称や所属は取材当時の内容です。

自己紹介をお願いします。

伊佐次隼士です。2014年に新卒でヤフーに入社し、「Yahoo!ショッピング」の特集企画や広告企画、営業と、モール型ECにおけるビジネス系の業務をひととおり経験しました。 

その後、2018年にヤフーの経営体制が刷新されたタイミングで、社長の事業面の補佐役として新設されたCEO事業推進室へ配属されました。この経験から、2018年9月より「PayPay」の立ち上げに向けて急遽PayPay株式会社(以下、PayPay)への出向が決まりました。そこから2年間は、CEO室として、「PayPay」アプリのリリースからユーザー数が3000万人を超えたころまで携わりました。PayPayの社長の補佐をはじめ、株主であるヤフーの経営陣に事業の状況を伝える役割も担っていて、リリース後しばらくはまさに修羅場真っ只中だったことを覚えています。その後も、「Yahoo!マネー」のPayPayへの事業移管や「PayPay」アプリにおけるマイナポイント事業への参画など、全社を横断したプロジェクトリードとして奔走しました。 

2020年10月からはZホールディングスのCo-CEO室へ再び出向し、Co-CEOのもとでコマース・金融領域におけるLINEとヤフーの経営統合の推進を行い、2022年10月からは現在所属するPayPay銀行に出向となっています。 

伊佐次さんインタビューカット

現在担当している主な業務内容や具体的な流れについて教えてください。

PayPay銀行でグループのデータやアセットをフル活用した新しい金融商品の企画開発プロジェクトを進めています。 

金融業界の構造からお話しすると、銀行にはユーザーから預かったお金を守る役割と、それを元手に融資を行って経済を循環させる信用創造の役割があります。後者には個人融資と法人融資がありますが、銀行は伝統的に規模の大きい法人融資を優先しており、個人融資においては貸金業者が担ってきました。銀行も個人向け融資商品を提供していますが、実はその裏側では貸金業者が保証会社として支えている構造です。 

しかしながら、私は、銀行が個人向け融資の領域で果たすべき役割や、提供できる価値がもっとあるはずだと思っています。 

貸金業者はその性質上、ほぼ初対面で融資を行う必要があります。一方銀行は、預金等のサービスを通してお客様の経済生活に寄り添う身近な存在です。さらにLINEヤフーグループとなれば、日常生活においてグループのさまざまなサービスをご利用いただくなかで、顧客と多くの接点を持っています。 

新しい金融商品の企画開発においては、こうした銀行の強みとLINEヤフーグループの強みを最大限に生かし、一人ひとりのユーザーに寄り添った、PayPay銀行にしかできない個人向け融資サービスを提供したいと考えています。現在は運営体制やオペレーション案など、事業の細部に至るまで綿密な検討を行っているところです。金融商品を展開していくには、ユーザーから預かったお金を守ることや適切なデータ・AIの利用など、絶対に守らなければならないことが多々あります。これらのバランスをしっかりとって、ユーザーに選ばれる銀行・サービスをつくっていきたいと考えています。 

伊佐次さんインタビューカット

1日のスケジュール例

出社日(週に2回程度)

  • 9:00
    勤務開始
  • 10:00
    プロジェクトの朝会やメール確認など
  • 11:00
    会議や資料作成など
  • 11:30
    部の定例
  • 12:00
    プロジェクトの定例会議
  • 13:00
    ランチ
  • 13:30
    プロジェクトの定例
  • 14:30
    そのときどきの会議やメンバーとの1on1ミーティング
  • 17:00
    勤務終了

リモートワーク日

  • 9:00
    勤務開始、タスク・メンバーへのお願い事項などの整理
  • 10:00
    プロジェクトの朝会やメール確認など
  • 11:00
    メンバーとの 1on1ミーティング
  • 12:00
    ランチ
  • 13:00
    資料作成や会議等の準備
  • 15:00
    経営会議や経営陣への報告会議
  • 17:00
    メールやタスク整理
  • 18:00
    勤務終了
    昨年末に子どもが生まれてからは、18時には自宅で家族と食事を取り、子どもをお風呂に入れたり、寝かしつけてから、残った仕事の対応をしています。

入社してから印象に残っている仕事やプロジェクトについて教えてください。

やはり「PayPay」の立ち上げからの2年間はとても印象に残っています。修羅場の連続でしたが、いま振り返れば、あのときの経験が私の土台になっていると思います。 

このプロジェクトが印象に残っている理由としては、大きく3つの点が挙げられます。1点目は「経営者」です。CEO室として、重要度の高い課題に対して、CEOがどのように考え、決断し、対応するかを間近で見続けたことで多くのことを学びました。 

2点目が「会社・組織」です。当時のヤフーは約100ものサービスを持つ大きな会社でしたので、「Yahoo!ショッピング」のようなサービス単位では俯瞰できますが、会社全体の構造・仕組みを理解するのは難しい側面もあります。当時のPayPayは立ち上がり時期の組織だったからこそ、経営トップの意思決定が社内のあらゆる部署の現場の活動に反映されていく構造・仕組みを肌感覚で理解できました。 

3点目は「文化」です。PayPayにはソフトバンクやPaytm(インド最大のスマホ決済サービス事業者)、私のようにヤフーから出向している社員に加え、PayPayとして採用した社員もいるため、出身組織はもちろんさまざまな国や地域のメンバーが混在しています。言語だけでなく価値観やバックグラウンドも異なるなかで、コミュニケーションがすれ違うこともありました。そんな状況から徐々にPayPayとしての文化が醸成されていく過程を見られたことは、貴重な経験でしたね。そういった経緯があるからこそ、PayPayのメンバーは会社と「PayPay」アプリというサービスに対して強い愛情を持っているのだと思います。 

ヤフーとはまったく異なる会社での経験を通して、これらの視点を相対化できたこと、つまり、「これはヤフーの良いところなのでそのままに」「これはPayPayの素晴らしいところなので真似したい」と、自分のなかで複数の価値基準を持てたことは大きな財産になりました。 

仕事を進めるうえで意識していることはなんですか。

PayPayでの経験を経て、すべての発言や判断に対して「自分の意思を込めること」を徹底するようになりました。たとえばPayPayのようにステークホルダーが多く、出身組織やバックグラウンドが多様な組織で、一方から言われたことを「こういった指示なので」と伝えてしまうと、言われた方は受け入れ難く感じる可能性があります。  

私自身、PayPayに出向して間もないころにそのような伝え方をしてしまい、「あなたは誰のために働いているのか」「あなたの意見はなんだ」と指摘されてハッとする、ということがありました。物事を伝える際には、自分の言葉で語ることが大切です。話を聞いて自分自身が納得できなければ、きちんと相手と議論し、場合によっては「実際の現場はこうですよ」と伝えるなど、それが自分の意思になるまでコミュニケーションを重ねる必要があるわけです。 

また、組織やプロジェクトをリードする立場になり意識するようになったのが「オープンでいること」です。自分の考えに固執せずにメンバーや関係者との議論や意見、外部環境の変化や機会に対して耳を傾け、柔軟に受け入れることを意識しています。それにより、昨日の自分と今日の自分で意見や考えが変わることも厭いません。プロジェクトにおいては、限られた情報でスピーディーに判断をする必要があるため、正直間違えることもよくあります。そのときに「ごめん、間違えた」と言える、ある種の覚悟を持てるかどうかがリーダーに必要なことだと思っています。 

もうひとつ、「知らないことを楽しむこと」も意識しています。私自身eコマース、決済、金融とまったく異なる領域への異動を経験しました。どれも初めは分からないことだらけでしたが、自分なりの意見や仮説を持てるまで関連書籍を読み漁り、詳しい人に聞くなど、日々現場でぶつかる課題に対処しながら仮説検証を繰り返すことで、大きく成長できました。現在も銀行という新しい領域で日々悪戦苦闘していますが、再び大きく成長できるチャンスだととらえて全力で楽しんでいます。 

伊佐次さんインタビューカット

LINEヤフーで企画職として働く価値や得られる経験を教えてください。

さまざまな事業やサービスがあるなかで、やりたい意思を示して手を挙げればチャンスを与えてくれるだけでなく、それを全力でサポートしてくれるのがLINEヤフーだと思います。私が2018年4月に「Yahoo!ショッピング」からヤフーのCEO事業推進室へと異動したのも、自分自身がとったアクションが背景にあります。 

もともとeコマース事業に携わりたくて入社したので、初期配属の「Yahoo!ショッピング」も本望ではありました。ただ、販促や広告企画、営業などEC事業を構成する領域をひととおり経験するなかで、当時の「Yahoo!ショッピング」責任者のリーダーシップのもとで事業が大きく成長していくのを見て、事業責任者や経営者の仕事に興味を持ったんです。 

そんなとき、当時の事業責任者主催で新規事業の勉強会を開催すると聞き、迷わず手を挙げました。勉強会では、座学とともに、実践として海外のスタートアップを調査し、なぜ成長しているかの本質を考察し、発表する課題が与えられました。事業への興味と純粋に楽しかったこともあり、参加者全員の担当先とその競合企業まで調査と考察をまとめ、ほかの参加者の発表に対するディスカッションにも臨んだことを覚えています。最後には事業責任者と直接対話する機会もいただき「Yahoo!ショッピング」というサービスを越えてヤフー全体の経営にも興味を持ち始め、さらに経営そのものへの志も強く持つようになりました。 

そうして「経営の仕事を知るにはどうすべきか」と考えるなかで、まずはヤフーの経営会議に出て経営陣が何を話しているのか見てみようと思いいたりました。とはいえ、入社3年目の私が理由もなく経営会議に参加することなどできません。そこでひらめいたのが、議事録係としてなら経営会議に参加できるのではないかということ。いろいろな方に相談するなかで経営会議を運営する責任者の方に辿り着き、ちょうどそのポジションがあいたタイミングで、役員の朝会に議事録係として参加することに成功しました。 

これらの行動がのちにヤフーのCEO事業推進室への参加につながり、結果的にPayPayへの参加にもつながりました。改めて振り返ると、やりたいことや目指していることがあるのであれば、ただ手を挙げるだけでなく、まずは目の前の業務や仕事、勉強などに真摯に取り組むことが大切だと実感しました。全力で前のめりに向き合った経験があったからこそ、年齢にかかわらず周囲の人たちも自分のことを見てくれて、認めてもらえたように思います。 

伊佐次さんインタビューカット

企画職に求められるスキルや素養はどのようなものがありますか。

自身の経験から言えるのは、尊敬する安宅和人さんの名著『イシューからはじめよ』になぞらえて言うと「意思からはじめよ」ということ。企画職に限らず、「こういうサービスを実現したい」「こういうキャリアを実現したい」など、一つひとつの物事に対して自分なりの意思を持つことこそが、何より大切だと思います。スキルやセンスももちろん大切ですが、これらはあくまで意思を実現する手段でしかありません。 

LINEヤフーはこれだけの大きな組織になり、膨大なアセットがそろっている一方、ステークホルダーの数だけ守らなければいけないものも増えており、何かをやりたいと思ったときのプロセスがどうしても複雑になっています。どんな大企業にも存在するこの二律背反のネガティブな側面を「意思決定プロセスが複雑で面倒」ととらえるか、「これだけのアセットをどう使い倒そうか」とポジティブにとらえるか。その道をわけるのも、自分の意思次第だと思います。 

意思を持ち、それを声に出して宣言すること。そのうえで、目の前のことを全力で頑張ること。そして、巡ってきたチャンスにすかさず手を挙げること。LINEヤフーにはそれをしっかり見て応援してくれる文化があります。そういったことを大切にしていった先に、それぞれの「やりたい」の実現へと近づいていくはずです。 

現在担当している事業における現状の課題や、これからのLINEヤフーに期待していることを教えてください。

金融商品の企画開発プロジェクトは、やはり非常に多くのハードルや制約が存在しますが、粘り強く一歩ずつ前進していくことが必要です。 

今後の展望としては、数年後にいまのプロジェクトを大きく成長させることで、金融事業をLINEヤフーにおける収益の柱と言われるまでに成長させることを目論んでいます。グループのアセットを使ってサービスをうまく成長させていくことは難しいですが、そんななかでいま企画している金融商品は、LINEヤフーにしか実現できないものになっている自負があります。 

最後にメッセージを。

LINEヤフーにはさまざまな事業があり、アセットがあり、チャンスがあり、意思を持って手を挙げれば経験がなくても飛び込める土壌があります。新しい領域に自ら挑戦し、たくさんのことを学んで吸収していこうという心意気がある人なら、きっと楽しめる環境のはず。ぜひ、飛び込んでみてください。 

伊佐次さんインタビューカット

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