鹿熊 茉夕

designer

ユーザーに“サプライズ”を
提供したい。あらゆるサービ
スのデザインを手がけ、技術
を磨く。

ユーザーに“サプライズ”を提供したい。
あらゆるサービスのデザインを手がけ、技術を磨く。

鹿熊 茉夕(かくま まゆ)2015年入社
映像編集を行うポストプロダクション、フリーランスのグラフィックデザイナーを経て、プロダクト(UI)デザイナーとして中途でLINEに入社。スマートフォンアプリのデザインからキャンペーン用のLPまで、ユーザーの目に触れるあらゆるUI設計とビジュアルデザインを担当。

※この記事は、2021年に取材・掲載したものを一部修正して再掲載しています。サービス名称や所属は取材当時の内容です。

自己紹介をお願いします。

鹿熊茉夕です。サービスの UI(User Interface)をデザインするプロダクトデザイナーとして働いています。「LINE」やWebサービスなど幅広い分野で、ユーザーにとって使いやすいデザインを日々目指しています 
 
私は2015年に中途でLINEに入社しました。本当は新卒で入社したメンバーのお話をお届けしたいところなのですが、プロダクトデザイナー(UIデザイナー)の新卒採用が始まったのは最近のことです。そこで、中途入社ではありますが、今回は私からLINEのプロダクトデザイナーとしてお話をさせていただきます。 
 
入社の経緯をお話しすると、もともとは映像編集を行うポストプロダクションに在籍していたんです。その後、フリーランスのグラフィックデザイナーとして映像やデジタル関係の仕事を手掛けていくうちに、Webサイトやアプリの設計に関わるUIデザインに興味を持つようになりました。LINEを選んだ理由は、自分が携わったデザインが多くの人の目に触れるから。自分の仕事が日常的に使うサービスの役に立てるのはやりがいになると思って、入社を決めました。 
 
現在は主に、新しく立ち上がるプロジェクトでUIデザインを担当しています。LINEにあるさまざまなサービスのグラフィックやレイアウトなどの外観を整えたり、ユーザー視点でわかりやすい情報設計を行ったりしています。 

これまでどのような仕事を担当してきましたか。

入社してから現在にいたるまで、「LINE MUSIC」やLINEヘルスケア(2023年2月に提供終了)LINE占いなど20以上のサービスでさまざまなクリエイティブを手掛けてきました。スマートフォンアプリのデザインからキャンペーン用のLP(ランディングページ)にいたるまで、ユーザーの目に触れるあらゆるUI設計とビジュアルデザインを担当しています。 
 
入社前はグラフィックデザイン業務が中心だったので、UIデザインはあまり経験がありませんでした。初めのころは、キャンペーンLPのような機能の少ないWebサイトから手掛けていって、徐々にスマートフォンアプリのような多機能のUIデザインにも関わるようになっていきました。 
 
初めの2〜3年は、「LINE占い」を中心に担当し、スマートフォンアプリのリニューアル作業にも携わっています。サービス開始直後はダークで神秘的な世界観でしたが、ライトな占い好きの方など、より多くのユーザーに使ってもらうために、コンテンツ構成を変更し、全体的に明るく軽やかな雰囲気へとデザインを一新したんです。多くの画面をデザインしましたが、常に遷移する導線を考えながらボタン配置やサイズ、カラーの検証を重ね、企画側と協議しながら進行していきました。 この案件でUIデザインの全体的な流れが掴めるようになり、遷移する画面のバリエーションや必要な導線設計を詳しく考えられるようになりました。 
 
2019年には組織の編成が変わって、現在のチームに異動しました。プロダクトデザインを担当するチームは現在全部で8つあって、デザインシステムや事業領域に関するR&D(Research and Development)などもあれば、特定領域のサービスを担当するチームもあります。私が所属するチームは、特定のサービスやコンテンツを担当するのではなく、単発のキャンペーンや新たに立ち上がるサービスなど、そのときどきで異なる案件を多彩に手掛けるチームです。私はもともと好奇心が旺盛で、「どんなことでもやってみたい」と思うタイプなんです。いまのチームは、自分の性にも合うなと感じています。 
 
LINEのデザイナーの仕事についてみなさんに知っていただくために、社外のイベントなどで登壇したり、取材を受けたりすることもあります。登壇にあたっては資料も用意することになるので、やってきたことを整理する良い振り返りの機会にもなっています。

鹿熊さんインタビューカット

いままでで一番印象に残っている、大変だったプロジェクトについて教えてください。

一番を選ぶのは難しかったのですが、絞り込んでお話しすると「LINE DEVELOPER DAY 2020」 のWebサイト制作と、年末年始を飾るLINEスタンプキャンペーンの2つです。

「LINE DEVELOPER DAY」は以前から開催されていましたが、2020年は新型コロナウィルスの感染拡大状況を考慮して初のオンライン配信になりました。Webサイトがイベント会場になるために、オフラインの場に参加してるような没入感や特別な経験を提供することが課題でした。コンテンツの数も150以上と非常に多かったので、参加者が興味のあるセッションへ辿り着きやすくすると同時に、セッションスケジュールの管理やLIVE視聴のしやすさを考慮する設計が求められました。 
 
私は、コンセプトを練る企画の初期段階から携わりました。告知用ティザーサイトの段階では自分ともう一人のデザイナーの2名体制で、実際のイベント会場となる本サイトの制段階ではデザイナー3名、アニメーションデザイナー1名の4名体制で制していきました。 
 
工夫したポイントは「アイデンティティ」「デザイン」「インタラクティブコミュニケーション」の3点です。 
 
「アイデンティティ」において重視したのは世界観の構築です。企画段階からチームや関連部署のメンバーとミーティングを重ねて、何案もデザインを出して現在のコンセプトへと定まっていきました。それ以前のプロジェクトでもアイデンティティを構築する機会はありましたが、今回はオフラインの場に相当する体験を提供するためにも、より象徴的なアイデンティティが構築できるように方向性を模索していきました。そのコンセプトとしては、実際のWebサイトで見てもらえるものがすべてですが、LINEが有する技術の深さや、先を見据えた斬新さがグリーンとブルーの光の線で伝達されていくものとなっています。その光の線のモチーフを、ロゴやアイコン、ノベルティのようなユーザーの目に見える全ての部分に施すことで、統一した世界観を構築しました。 
 
デザインについては、イベントのアイデンティティを象徴する配色やグラフィカルなビジュアルモチーフを大胆に使用しました。一方で、ユーザーがスケジュール管理などで使用するWebサイトでもあるため、その機能がわかりやすくなるよう、レイアウトはシンプルな構成としています。 
 
さらに、ユーザーが楽しみながら興味のあるコンテンツを見つけてもらえるように加えたのが、スクロールするたびに現れる特徴的なインタラクションです。Webならではの双方向的な演出で、会場に足を運んでいるかのようなワクワク感や期待感を提供することを目指しています。 
 
プロジェクトの初期段階、つまり何も決まっていない段階からの参画でもあったので、もちろん困難もありました。それでも、チームで連携し共に新しいものをつくり上げるのはとても有意義な経験でした。自分の意見が企画にも取り入れられて、実際に実装された機能もありました。 
 
LINEでは、方向性の決まったプロダクトのなかで要件を満たすものをつくることもありますが、一種のお祭りとも言えるこのイベントでは新しい挑戦が求められていました。結果として生み出したWebサイトは、デザイナーとしての提案、他部署との連携、ビジュアル面に演出、どれにおいても新たなアプローチができたと自負しています。いままでにないリッチさと機能性、コンセプトに適した演出が実現できました。 

イベントの視聴者からのコメントでもデザインへの良い反応や意見をもらえましたし、国際的に権威のある世界三大デザイン賞の「Red Dot Design Award」 のブランドコミュニケーションの部門で入賞もできました。また、「iF DESIGN AWARD」 では、User Interface(UI)のカテゴリで受賞できて、とても大きな成果を得られたプロジェクトでした。

鹿熊さんインタビューカット

「LINEスタンプ」のプロジェクトについても教えてください。

「LINEスタンプ」の年末年始キャンペーンは、「LINEスタンプ」を通して家族や友人、大切な人と気軽に新年の挨拶のコミュニケーションを楽しんでもらうためのイベントです。2019年の「LINEおみくじ」、2020年の「LINEのお年玉」、2021年の「あけおめスタンプ」と、イベントの内容は毎回異なります。共通するのは、対象の年賀スタンプを購入することでおみくじが引けたり抽選でお年玉をもらえたりする特典があり、「LINE」上の友だちと送り合って楽しむコンセプトです 
 
2017年から続くキャンペーンでしたが、私が初めて担当した2019年は苦戦しました。前年までに比べて新規の要素や条件が多く、やや複雑な仕組みだったんです。膨大な情報をシンプルな仕様でわかりやすく伝えながらも、豪華な演出でユーザーを惹きつける、相反するものを両立させる課題がありました。 
 
どこからどう進めるか手探りではありましたが、まずは情報のプライオリティ設計を行いながら要件を見定めていきました。最初に企画側から構成を渡された時点でドラフト案をつくり、一つひとつの画面において「一番伝えたいことは何なのか?」を自分のなかで整理して、画面の構成を決めていきました。 
 
LINEのブランドとしてのシンプルなトーン&マナーを保ちながら、年末年始らしいビジュアル的な華やかさを演出するために、ユーザーに行ってほしいタスクについては情報量を減らして大きな導線を設置し、余計な情報は入れないようにしています。 
 
結果として、このキャンペーンは参加したユーザー数も多く、目標の売り上げも大きく上回る成果を達成できました。数字で見ると、日本の総人口の約20%がサービス画面を閲覧してくれたことになります。 
 
こうした数字の成果は、自分の携わるデザインでユーザーに楽しんでもらえたこと、使ってもらえたということの裏返しでもあります。私の家でもテレビCMを目にしたり、渋谷のスクランブル交差点の大ビジョンでカウントダウンのときに流れたりするのを目の当たりにした際には、「大きなプロジェクトに参加したんだな」という実感と、大きな達成感が得られました。

入社してから自分の成長を感じるポイントはどんなところですか。

入社当時と比較すると、どんな案件が来てもあまり問題なく進められるようになってきました。具体的には、「LINEおみくじ」キャンペーンのデザインを経験した後から大きく成長したと思います。 
 
案件への関わり方はデザイナーによって異なるので、一つの案件にじっくり取り組みたい人もいると思います。私はさまざまな案件に取り組みたいタイプのため、いまのチームや環境がとても合っているんです。常に新しい案件に関わる分、最初はわからないこともたくさんありますが、数をこなすだけ自分の力になっていきました。自分のなかの引き出しが増えて、どんな案件でも前向きにチャレンジできるようになったと感じます。

鹿熊さんインタビューカット

入社して良かったと感じることはなんですか。

LINEには多種多様な事業があり新しいサービスが次々展開されているので、その分デザインが必要になるプロジェクトや案件もたくさんあるんです。新しいチャレンジをするときには新たな知識を学ぶ必要があり難しさもありますが、その度に経験値が増えて、自分の視野も広がっていくのを感じます。 
 
未知の領域で困難に直面しても、経験豊かなデザイナーや長、他部署のメンバーからのアドバイスを受けることで、その壁を乗り越えられているんですよね。さまざまな分野の専門スキルを持つメンバーから刺激を受けられることは自分のモチベーションにもなりますし、日々ステップアップできている実感もあります。 
 
チームが多国籍なのも大きな特徴かもしれません。メンバー構成はチームによって異なりますが、私のチームは日本人の方が少ないくらいです。あと、チームごとに進捗を週に1回のデザインレポートとして発信し合っています。海外のチームからも現在の取り組みやノウハウ共有があるので、そういったレポートやチームメンバーとの交流で、グローバルのデザイントレンドのキャッチアップもできるんです。日本だけに閉じることなく、グローバルでLINE全体のデザインの方向性を把握することもできるのは、中長期的な目線でデザインに取り組んでいくうえでとても有意義に思います。 
 
また、LINEにあるデザインシステムも、UIデザイナーとしての自分の成長に寄与したように思います。LINEがデザインにおいて大切にするプリンシパルは複数ありますが、そのうちの一つに「タスクをクリアにしよう」というものがあります。一画面のなかで、ユーザーに何をさせたいかの目的を明確にデザインするというもので、これはユーザーとの接点をデザインするUIデザイナーにとって非常に重要なスキルでもあるんです。 
 
LINEにおける「シンプル」について補足すると、単に要素が少ないということではありません。イベント的なキャンペーンであれば、要素がボタンとテキストだけではワクワク感が得られないですよね。プロジェクトの目的達成において必要な要素まで取り払うことをシンプルとは呼んでいなくて、必要な装飾性まで含めて、タスクをクリアにする情報量をデザインすることですね。このプリンシパルは業務に取り組むうちにどんどん染み付いてきているように感じています。

今後の目標を教えてください。

これからも、楽しくワクワクしてもらえるようなコンテンツを提供し続けたいなと思います。私の考えの根底には、「サプライズを提供したい」気持ちがずっとあるんです。LINEという会社もまた、「ユーザーを感動させる初めての体験」「思わず友だちに教えたくなるような驚き」として「WOW」という価値基準を大事にしているので、自分が大事にしたい気持ちをずっと持ち続けられる環境にいられるのはモチベーションにもつながります。 
 
個人のスキルアップの方向性としては、これから社会に訪れる変化をキャッチアップしながら、新しい技術や物事に柔軟に対応できるようなデザイナーを目指したいです。よく言われることでもありますが、最近では新型コロナウイルスの流行などの影響もあり、世界がダイナミックに変化していますよね。他社のサービスやユーザーの行動の変容などを意識的にリサーチして、デザインにも取り入れていきたいなと思います。 
 
6年目になってからは立場も少し変わってきました。いままでは私が先輩や上長に質問や相談をすることが多かったのですが、現在は新しく入ってきたメンバーに教える立場にもなってきています。実力をつけていきながら、培ってきた経験や技術を後輩に伝えていく役割も担えればと思っています。いまはまだデザイナーとしてのスキルアップにフォーカスしたいんですが、将来的には、マネージャーのような立場にも興味を持ち始めています。 

最後にメッセージを。

LINEはこれまでもチャレンジの機会が多い環境でしたが、その勢いはさらに加速していくのを感じています。新しいことにチャレンジしたい人や、ユーザーに良いものを届けたい人、変化を楽しめる人にはとてもお薦めできる環境です。 
 
ワークスタイルの面でも働きやすくて、コロナ禍になってからすぐに在宅のリモートワークへ対応するなど、社会環境の変化に柔軟に対応しているのは大きな魅力だと思います。安定しながらも柔軟性のある組織で、やりたいことにどんどんチャレンジできるこの環境は、新卒として入社する方にとっても大きなメリットではないかと思います。 
 
LINEは手がける事業も幅広いので、自分がやりたいことを見つけやすいですし、業務での希望や意見も聞いてもらいやすい仕組みと環境が整っています。これって、デザイナーのモチベーションにとってすごく大切なことだと思うんです。探求心や意欲がある人は、ぜひエントリーしてほしいと思いますね。

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