WSL 構築と利用
Windows 10で利用するLinux環境
絶版 | |
著者 | 川口 直也 |
判型 | B5変型、280頁 |
ISBN | 978-4-87783-484-5 |
価格 | 本体3,000円 |
発行日 | 2020年2月10日 (初版第1刷) |
追加情報があります。こちらを参照してください。
本書について
「Windows上でUNIX用のプログラムが動作する!」そんな目標を掲げたソフトウェアがこれまでいく度も登場してきました。筆者はかつてCygwinにお世話になった世代です。同世代の人にはCoLinuxを選択した方もいたでしょう。かつて、VMがまだメジャーになっていない時代に計算機のリソース消費を抑えつつ異種OSのプログラムを実行させる取り組みがいくつもありました。
それから長い年月が経ちましたが、Windows Subsystem for Linux(WSL)はそうした取り組みの集大成のようなソフトウェアです。WSLでは本家のUbuntuが動作します。また、aptコマンドでリポジトリからLinux用のプログラムを直接ダウンロードしてインストールすることが可能です。かつて、Windows上でUNIX用プログラムを実行できるソフトで、これほどの完成度を持ったものは存在しませんでした。
筆者は本書の執筆にあたり、WSLの魅力を広範に伝えつつ、なるべく定量的なアプローチでWSLの完成度を測るよう試みました。また、LinuxでもWindowsでもない、WSL独自の設定項目などについても詳細に解説を行うことを目標にしました。
目次
- 第1章 はじめに
- 1.1 Windows Subsystem for Linux(WSL)とは
- 1.2 既存のシステムとの比較
- 1.3 WSLの実用性
- 1.4 本書の構成とねらい
- 1.5 動作環境
- 第2章 セットアップ
- 2.1 WSLの有効化
- 2.2 ディストリビューション(Ubuntu)のインストール
- 2.3 コンソールの起動
- 2.4 ユーザーの追加と削除
- 2.5 WSLの更新
- 2.6 WSLの削除
- 2.7 ディストリビューションの修復
- 2.8 ディストリビューションのインストール先
- 第3章 ファイルシステムとその構成
- 3.1 WSLのファイルシステム
- 3.2 WSLのファイル構成
- 3.3 Windowsから見たWSLファイル
- 3.4 カレントディレクトリ
- 3.5 パス
- 第4章 システム管理
- 4.1 システム状態の取得
- 4.2 デバイス制御
- 4.3 言語ロケール
- 4.4 プリンタ
- 第5章 コマンド
- 5.1 主要UNIXコマンド
- 5.2 圧縮解凍
- 5.3 ネットワーク
- 5.4 エディタ
- 5.5 印刷
- 5.6 その他
- 5.7 シェル
- 5.8 Windowsコマンドとの連携
- 5.9 テストスイートによる検証
- 第6章 サービス
- 6.1 Webサーバー
- 6.2 SSHサーバー
- 6.3 FTPサーバー
- 6.4 サービスの自動起動
- 第7章 GUI
- 7.1 X Window Systemとは
- 7.2 Xサーバー
- 7.3 GUIプログラム
- 第8章 プログラミング
- 8.1 システムコール
- 8.2 Linuxネイティブコードプログラミング
- 8.3 クロスコンパイル環境の構築
- 8.4 スクリプト言語
- 8.5 Java
- 8.6 Windows/WSLプログラムの連携
- 第9章 応用アプリケーション
- 9.1 事前準備
- 9.2 GNOME端末
- 9.3 GNOMEオフィス
- 9.4 開発環境
- 9.5 エディタ
- 9.6 印刷
- 9.7 システムソフトウェア
- 9.8 Webブラウザ
- 第10章 性能測定
- 10.1 コマンドの処理性能
- 10.2 システムコールの処理性能
- 10.3 演算性能
- 付録A WSL2
- A.1 WSL2のインストール方法
- A.2 WSL2でできること
- A.3 応用アプリケーション
追加情報
追加情報として「付録B」で、WSLのディストリビューションを手動でダウンロードし、インストールする方法について解説します。
付録B. WSLディストリビューションの手動ダウンロード(PDFファイル 602KB)
本文のサンプルコードはこちらからダウンロードできます。