HTML5による物理シミュレーション
剛体編
物理エンジンの作り方(1)
- 著者 遠藤理平
- 判型 B5変型判、464頁
- 本体価格 4,500円
- ISBN 978-4-87783-350-3
2014年9月10日 初版第1刷発行
本書について
本書は、HTML5を利用しウェブブラウザのみで完結した物理シミュレーション環境(仮想物理実験室)の構築手法と物理学の基礎を実践を交えながら習得することを目的とした『HTML5による物理シミュレーション』、『HTML5による物理シミュレーション 拡散・波動編』の続編です。
上記2冊では、物理シミュレーションに必要な要素である入力、演算、描画を実現するためのHTML5の機能の習得と、それらを用いた物理シミュレーション環境の構築方法を解説することが主題であったのに対して、本書は物理学で取り扱う最も基本的な対象物のひとつである「剛体」の運動をシミュレーションするために必要な数値計算を本格的に実装していくことに主眼を置きます。特定の剛体運動に限ったシミュレーションではなく、できる限り汎用的な剛体運動に関する物理シミュレーションを実現するためのライブラリとなる「物理エンジン」の開発を行います。
目 次
- 第1章 仮想物理実験室の創造
- 1.1 仮想物理実験室の設計
- 1.2 PhysLabクラスの実装
- 1.3 PhysObjectクラスの実装
- 1.4 PhysObjectクラスの派生クラス
- 1.5 3次元グラフィックスのパラメータ
- 1.6 計算アルゴリズムの復習
- 第2章 1体問題シミュレータの構築
- 2.1 jQuery UIを用いたボタンの拡張
- 2.2 時間制御の拡張
- 2.3 通信メソッドの定義
- 2.4 1体問題シミュレータの設計
- 第3章 剛体球運動の計算アルゴリズム
- 3.1 剛体球の運動論
- 3.2 衝突の理論(回転なし)
- 3.3 衝突計算に必要な計算アルゴリズム
- 3.4 衝突検知に必要な手続き
- 3.5 球体と平面との衝突
- 3.6 ベクトル演算とVector3クラスによる実装方法
- 3.7 剛体の姿勢
- 3.8 各種ベクトル量の計算
- 3.9 球体と平面の辺・平面の角との衝突
- 3.10 Floorクラスの拡張
- 第4章 さまざまな3次元オブジェクト
- 4.1 立方体オブジェクト
- 4.2 点オブジェクト
- 4.3 円オブジェクト
- 4.4 円柱オブジェクト
- 第5章 高度な衝突計算
- 5.1 複数同時衝突の計算アルゴリズム
- 5.2 接触状態
- 5.3 運動する物体との衝突
- 5.4 連立方程式の数値的解法
- 第6章 物理アプリケーションの開発(剛体球)
- 6.1 ストロボ撮影機能の追加
- 6.2 軌跡・速度ベクトル・ストロボの表示/非表示の切り替え
- 6.3 放物運動シミュレータ
- 6.4 ブロック崩しゲーム