拡張現実感を実現する
ARToolkitプログラミングテクニック
- 著者 谷尻豊寿
- 判型 B5変型判、304頁
- 本体価格 3,200円
- CD-ROM付き
- ISBN 978-4-87783-206-3
本書について
「拡張現実感」と言われて、それがどんなものかをイメージできる人は少ないのではないでしょうか。でも、実際に見れば誰もが「おおっ!」と思うもの。それが拡張現実感「AR」です。
まずはCOLORPAGEをご覧ください。これらはみな、Webカメラで撮影した景色の中に、実際には存在しない3次元オブジェクトを表示したものです。その場所に存在しない建物を出現させたり、手のひらの上で3次元オブジェクトを回転させたり。現実の世界に架空の3次元オブジェクトをオーバーレイすることで生まれる新しい世界———これがARです。そして、この不思議な世界はWebカメラとパソコン、C言語の開発環境とARToolkitさえあれば、誰でも開発することができるのです。
ARアプリケーションは、机の上だけに出現する架空の世界ではありません。ぜひ、屋外に出て実行してみてください。広い敷地にある日突然ビルが建ったら…、対岸までの橋ができたら…、これまでの景色がどのように変わるかをシミュレーションできるなんて素晴らしいことだと思いませんか。
この本がARToolkitおよびプログラミングの学習をする方だけでなく、もっと広い分野の方々の目に留まることを、そしてARToolkitが様々な可能性を秘めたツールであることに多くの方が気付いてくれることを願っています。
目 次
- COLORPAGE
- 第1章 イントロダクション
- 1.1 ARアプリケーションとは
- 1.2 ARToolkitのセットアップ
- 1.3 ARアプリケーションを体感する
- 1.4 ARToolkitのライセンス
- 第2章 ARToolkitのプログラム
- 2.1 基本のプログラムを理解しよう
- 2.2 カスタマイズしてみよう
- 2.3 ARToolkitの座標系
- 2.4 コンパイル・ビルドの方法
- 第3章 OpenGLの基礎
- 3.1 OpenGLとは
- 3.2 OpenGLの座標系
- 3.3 オブジェクトの平行移動と回転
- 3.4 3次元オブジェクトの描画方法
- 3.5 照光処理
- 3.6 テクスチャマッピング
- 第4章 マーカーの検出
- 4.1 マーカー検出のアルゴリズム
- 4.2 複数のマーカーを使用する
- 4.3 複数のマーカーを使ったプログラム
- 4.4 マルチマーカーの利用
- 4.5 マルチマーカーを利用したプログラム
- 第5章 3次元データの利用
- 5.1 3次元データを利用するためのヒント
- 5.2 STLバイナリフォーマット
- 5.3 DXFフォーマット
- 5.4 MGFフォーマット
- 付録A リファレンス
- A.1 ARToolkit関数
- A.2 ARToolkit構造体
- A.3 OpenGL関数
- A.4 GLUT(OpenGL Utility Toolkit)関数
ARToolkitを使ったサンプル動画