本書について 本書では、.NET Frameworkによる画像処理の応用を解説します。.NET Frameworkの環境は強力で、ほとんどの目的を.NET Frameworkが用意したクラスで満足することが可能です。.NET Frameworkは単なるクラスの集合ではなく、完全な環境です。まだ.NET Frameworkを使ったことのない人も、一度.NET Frameworkを使って、その便利さを味わうのもよいのではないでしょうか。 本書では、多少複雑でCPUパワーを必要とするプログラムを開発します。本書は、本シリーズのVol.5の応用編に位置づけられます。フィルタ処理、輝度変換処理、画像の変形、2画面の合成や電子透かしなどを解説します。独自のクラスも開発し、オブジェクト指向の学習も行います。 画像処理はCPUやビデオカードに大きな負担をかけます。若干処理の重いプログラムも開発したため、パソコンの能力が低いと動作がもたつく場合がありますが、学習の妨げになるほどではありません。.NET Frameworkで開発すると速度が遅いとか、スレッドプログラミングが難しいという誤解もあるようですので、そのあたりにも配慮した解説を行います。 時代は完全にビジュアルな時代へ突入しました。プログラミング言語に慣れてきた頃、興味を持つのは、画像処理プログラミングではないでしょうか。.NET Frameworkは画像処理用の強力なコントロールやクラスを備えています。.NET Frameworkを使うと、容易に本格的な画像処理プログラムを開発することができます。一昔前まで、画像処理プログラミングは、ごく限られた研究者のものでした。しかし、現在では簡単に、高速な画像処理環境を個人が入手できるようになりました。このような環境を有効利用しないのは勿体ないことです。是非、目の前にある環境で夢を実現してください。 目 次
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