情けは人の為ならずというが逆もまた然り、人を呪わば穴二つなのだ。アンドロ兄弟にもこのことを伝えたくなった。親がまき散らした不幸の種を子供が刈り取るような真似をしなくても良いのだと。少なくとも弟ガエルは、兄を慕ってはいないかもしれないが目標に
してその背中を追っている時点で拘りは兄アンドロにあるのだ。異母兄弟の不幸は1人だけではなくて2人なのだという事を彼は認めるべきなのだ。そして、親を反面教師にして幸せになる事こそが、親への復讐であり決別なのだ。エリーズもまた然りだ。女性であることは、男性以上に社会で立身は難しい。だからアンドロという男性の存在に素直に向き合い結ばれて最大ハッピーだが、最後にこんなこと用意しなくてもいいのにと物語のひねり具合に驚いた。家族の愛情を知らない者同士話し合い、相談して経験を並列化しながら家庭を築いていくだろうことは容易に想像できる。良かった良かったと心底思う。
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