総合政策学部

三つの方針

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

<養成する人材像>

 中央大学の建学の精神である「實地應用ノ素ヲ養フ」とともに、学部の理念である「政策と文化の融合」(文化的背景を理解して現代社会が直面する諸問題を解決する視点)を十分理解し、国内外において、さまざまな観点から問題の発見・解決、社会現象の解明を行うことができる人材を育成します。そのために、高いレベルの外国語運用能力とともに、多様な異文化を理解・受容できる包容力、さらに、問題解決のためのシステム設計、情報の利活用ができる能力を養成します。

<卒業するにあたって備えるべき知識・能力・態度>

 総合政策学部では、所定の教育課程を修め、以下のような知識・能力・態度等を身につけた人材に対し、学士(総合政策)の学位を授与します。

  1. 専門性に基づく複眼的思考能力:社会科学および人文科学等の多分野にわたる実践知を身につけ、物事を多面的かつ学際的に捉えることができる。
  2. コミュニケーション能力:関係する人々との協働に必要なコミュニケーション能力を発揮し、課題解決や他者への説明等に有効な論理的思考を行い、その結果を発信することができる。
  3. 組織的行動能力:個人およびチームのリーダーとして、プロジェクトを進める上で必要となる統率力、協調性、運営上必要な自己節制、時間管理等の重要性を理解し、実践することができる。
  4. 多様性理解力:異文化を理解し、寛容の精神をもって他者の個性を受容し、民族および個人の多様な価値観を尊重することができる。
  5. 総合的実践力:以上のような多様な能力を基礎とし、より良い社会の構築に向けた企画を構想し、実践的な活動に意欲的かつ継続的に取り組むことができる。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

<カリキュラムの基本構成>

 総合政策学部は、学位授与の方針に掲げる知識・能力・態度等の修得のため、以下のように教育課程を編成します。

カリキュラム基本方針:

 総合政策学部は、政策をその学びの中心においた政策科学科と、国際文化を中心においた国際政策文化学科の二学科で構成されます。
 両学科のカリキュラムは、「外国語」と「情報」を身につけて研究の道筋を確立し、そこから「政策」と「文化」を幅広く学修することによって、本学部が目指す「政策と文化の融合」を実現するものです。
 政策科学科には「法学」、「経済・経営」、「政治・社会」という三系統が、そして国際政策文化学科には「グローバル・リージョナル・スタディーズ(国際地域文化)」、「グローバル・イッシューズ(国際現代社会)」という二系統が設けられており、1年次から体系的な知識の修得が可能となっています。
 さらに「何を学び・身につけたのか」を明確にするとともに、より広い視野を得るために主専攻・副専攻制度が用意されています。政策科学科では、先に挙げた「法学」「経済・経営」および「政治・社会」を主専攻とし、「グローバル・リージョナル・スタディーズ(国際地域文化)」、「グローバル・イッシューズ(国際現代社会)」を副専攻とします。そして国際政策文化学科では、「グローバル・リージョナル・スタディーズ(国際地域文化)」、「グローバル・イッシューズ(国際現代社会)」を主専攻とし、「法学」、「経済・経営」および「政治・社会」を副専攻とします。こうして自身の所属する学科の中に設定された主専攻を中心に据えた学修にくわえて、他学科の領域を副専攻として学修することによって、一つの領域にとらわれることのない複眼的思考を身につけます。
 なお、教育課程は以下の五つの科目群で成り立ちます。

導入科目群:

 「総合政策概論」、「基礎演習Ⅰ」、「基礎演習Ⅱ」、「大学生のための論文作成の技法(基礎編)」、「大学生のための論文作成の技法(発展編)」で構成される導入科目群は、本学部で学修する上で必要となる基礎的な知識や能力、そして現代社会が抱える諸問題に対して学際的にアプローチすることを可能とするさまざまな学問的手法、技術を修得するための科目群として位置付けられています。

外国語教育科目群:

 英語および英語以外の外国語を学び、さらにそうして育んだ語学能力を用いてより発展的なGATEプログラムの科目を学ぶことで、本学部が目標とするコミュニケーション能力と多様性理解力を身に付けることを目指します。

基礎科目群:

 主として1年次に実施される基礎科目群では、さまざまな学問領域の入門科目が実施されます。これらを受講することで総合政策が目指す学際的なアプローチがどのような軸によって構成されるかを把握すると同時に、情報フルエンシー、データサイエンス・リテラシー科目によって定量的データ分析スキルの基礎を身に付けたり、社会課題の把握や解決に必須となる異文化理解を進めることで、その後の研究の基盤を構築します。

専門科目群:

 より発展的な内容の講義科目を多く含む専門科目群は、2年次以降に履修が可能となります。各自の問題意識に合わせて主専攻、副専攻を組み合わせるなどして、課題解決に必要となる専門知識を積み上げていきます。そしてデータ分析スキルや異文化理解をさらに深めつつ、それらを課題解決に生かす道筋を考えます。

応用科目群:

 以上の導入科目群・外国語教育科目群・基礎科目群・専門科目群を通じて養った知識・能力によって、現代的な諸問題への学際的アプローチが可能となります。応用科目群には、各自が問題意識に沿った研究テーマを設定して自ら学び、その成果をまとめる演習科目や、より高度で具体的な問題を取り扱う特殊講義、そして社会の中で実際に活動するインターンシップ科目など、いずれも実践的な知を目指した科目が配置されています。

<カリキュラムの体系性>

 総合政策学部では、発展型カリキュラムとして「導入科目群」「外国語教育科目群」「基礎科目群」「専門科目群」「応用科目群」の五つの科目群を設置しています。1年次前期での導入教育科目から4年次後期に提出する「卒業論文」に至るまで、年次が進むに応じて、入門的な「導入科目群」からより高度な「基礎科目群」、「専門科目群」へ、そしてさらに総合的な学びを目指す「応用科目群」へと学修の比重が移っていくことになります。
 1年次から2年次に履修する「導入科目群」、「外国語教育科目群」そして情報系の科目を含む「基礎科目群」では、その後の学修において必要となる基礎的な学問知識や研究手法を学びます。2年次から始まる「専門科目群」には、幅広い学問領域の科目が含まれています。
 本学部が用意する主専攻・副専攻制度によって、各自が主専攻に沿った専門的な知識を深めるのみならず、それとは異なった学問領域の知見を身に付け、複眼的思考を獲得することを目指します。「応用科目群」では、それまでの学修によって身に付けた総合的な知識・能力を発揮するべく、各自の問題意識にもとづいた具体的な研究テーマを設定して、指導教員の指導の下で研究を深めます。
 このように発展的に構築されたカリキュラムに沿って学んでいくことで、さまざまな事象を幅広い視点で捉え、問題解決の方法を見出す力を身につけることを目指します。

入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)

<求める人材>

 総合政策学部では、高いレベルの外国語運用能力とともに、多様な異文化を理解・受容できる包容力、さらに、問題解決のためのシステム設計、情報の利活用ができる能力を養成することで、学部の理念である「政策と文化の融合」を十分理解し、国内外において、様々な観点から問題の発見・解決、社会現象の解明を行うことができる人材を養成することを目的としています。この目的を達成するため、次のような学生を求めています。

  1. 実際に国内外で生じている社会問題・現象を解き明かそうという強い知的好奇心と行動力をもち続けられる人(社会問題・現象への関心)
  2. 様々な領域の知識のみならず、異なる文化圏の慣習や制度等に関心を抱き、違いの本質を意識しながら問題解決への意欲をもち続けられる人(学際的・国際的理解)
  3. 社会問題・現象の分析のみならず、具体的に解決・解明に取り組み、社会の発展に寄与する意思をもち続けられる人(社会貢献への意欲)

 以上に基づき、次のような知識・能力・態度等を備えた学生を多様な選抜方法によって受け入れます。

  1. 国語、地理・歴史、公民、数学、理科、外国語において高等学校卒業レベルの知識・技能を有している。特に外国語に興味をもち、積極的に学習してきた人物が望ましい。(知識・技能)
  2. クラブ活動、生徒会活動、ボランティア活動等、学校内外での諸活動において主体性をもって行動した経験を有している。(主体性・協働性)
  3. 物事を多面的かつ論理的に思考して判断し、協調性を維持しつつも自らの意見を的確に表現することを心掛けている。(論理的思考力・判断力・表現力)
  4. 社会、人間、文化、科学に関わる様々な問題・事象に広く関心を有している。(好奇心)